表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王が現れたから、勇者の子孫らしい俺がちょっくら倒してくる  作者: 堕天の翼のあさぼらけ
銀の笛奪還編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/221

第23話 勇者復活を待つ

 勇者ウラワと旅したと言うユミコは、自らの肉体に特殊な技法を施し、453年の歳月を生き抜いていた。

 ユミコは幽霊ではなかった。



「ユミコさん、俺はあなたに会いたい。

 姿を見せてください。」

 ユミコの話しに感動した俺は、俺とユミコとを隔てるこの壁がもどかしい。

 勇者ウラワの子孫として、ユミコに謝りたい。


「今は、特殊な技法を解除してる最中だから、見ないでほしいな。」

「なぜです、ユミコさん。

 あなたには453日の歳月しか、経ってないのでしょ。」


 ユミコの声は、知的で優雅さを感じる。

 勇者ウラワが魔王を倒して六年後、ユミコは特殊な技法を使用した。

 つまり勇者ウラワと別れてから、七年後の姿を維持している。

 そう、今のユミコは、アラサー女子。

 その美貌も、そんなに劣化していないはず!

 この声は、美人にしか出せない!

 最近の声優さんも、ルックス重視!

 故に、クマガイユミコは、超絶美女に間違いない!


「あはは、実は453年の歳月は、私の身体に刻まれてるのよ。」

「それって、」

 俺は思わず絶句。

 つまり今のユミコの姿は、453歳の老婆の姿なのだ。

「こんな姿、誰にも見られたくないわ。

 特にタカスナの子孫には。

 だから、私が453年の歳月を取り戻すまで、ちょっと待ってて。」

「はい。」

 俺は、そう答えるしかなかった。


 だけどちょっと待て。

 ユミコの声は、普通に美人だ。

 とても453歳の老婆の声とは思えない。


「ああ、私のこの声は、スピーカーを通じて話してるわ。」

 ユミコは俺の疑問を察して、答えてくれた。

「スピーカー?」

 と言われて俺は、辺りを見渡す。

 それらしき物は、見当たらないのだが。


「で、お願いなんだけどさ、ユウタ。

 先にイワツキの村に行っててくれないかな。」

「えと、ここで待ちますけど、ユミコさん?」

 俺は一刻も早く、ユミコに会いたい。

 だからここを離れたくはない。


「あのね、ユウタ。

 私は今、特殊な技法を解除して、453年の歳月を取り戻してる最中なのよ。」

 つまり、もうすぐ超絶美女のユミコと会える。

「その激痛が、そろそろ私を襲う。だから、お願い、、、」

 ユミコの声に、苦痛が混ざる。


 なるほど、苦しむ姿を見られたくないのだろう。

 姿と言っても、声だけだが。


「分かりました、ユミコさん。

 俺、イワツキの村で待ってます!」

「ありがとう。私もすぐに追いつくわ。

 宝箱の蓋を閉めたら、私の若返りが本格的に始まる。

 だから、蓋を閉めたら走って。お願いよ。」


 銀の笛を入れた宝箱の蓋は、開いたままだ。

 これがおそらく、ユミコ復活のキーアイテム。


「ユミコさん、またお会いしましょう!」

 俺は宝箱の蓋を閉めると、そのまま出口へと走り出す。


「ぐぎゃああ!」

 俺がユミコのほこらを出ると同時に、ユミコの悲鳴が辺りに響き渡る。

 俺は耳を両手でふさぎ、森の中を走った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ