第13話 勇者ユーズルの墓を発見する
カワゴエの村の北半分を覆う建物。
この建物は、吟遊詩人ユーズルの墓を封じるために作られたと聞く。
そこにいつしか、ユーズルファンが集まって、こんな異様な空間になったのだろう。
俺はユーズルの墓に用があるのだが、その墓の場所が分からない。
俺は建物内をさまよった。
それらしき物はないか。
どこにも見当たらない。
誰かに聞きたいのだが、周りはユーズルの熱狂的ファンばかり。
俺がユーズルなんかに興味がない事がバレたら、おそらく俺の危険が危ない。
つか、エンドレスで流れるBGM。
こいつが頭にこびりついたしまった。
「おーい、あきらめて魔法の鍵買いなよー。」
鍵屋の店主が、さまよう俺に声をかける。
そんなの無視だ。
俺は建物内をさまよい続ける。
くそ、腹へった。
俺は手持ちのやくそうで、腹を満たす。
残りのやくそうは、あと七枚。
これが尽きる前にユーズルの墓を見つけないと、俺は飢え死にだ。
やくそうをもぐもぐしながら、俺は辺りを見渡す。
ふと、何か違和感を感じる。
この建物、外から見たのよりも、なんか狭い。
つー事は、どこかに隠し通路でもあるのか?
俺は建物の東側の壁を、叩いてみる。
この建物、東西の幅は、明らかに短い。
そうだ、扉を入ったら、すぐ横に壁があった。
建物の外周は、もっと幅があったはずだ。
東側の壁を全て叩いても、隠し通路は見つからない。
俺は何度か東側の壁を往復する。
俺はあせりだすが、ある事に気づく。
これ、南北の幅も、少し短くね?
と言う事は、怪しいのは北側の壁だ。
南側の壁は、魔法の鍵の扉があるのだから。
俺は北側の壁を、東から西へと、叩いて歩く。
西側の壁にたどり着きそうで、俺があせりだした時、壁を叩く俺の手がスカる。
俺がその壁に向かって歩くと、壁を突き抜けた。
どう言う仕組みかは知らんが、俺は建物の外に出た。
そこから歩幅一歩分の所に、高い壁があった。
これが外周の壁だろう。
俺がこの建物の外から外周を回った時に、見た壁だ。
そんな感じで、ここから東に向かって、細長い通路が続く。
とりあえずこの通路を、東に向かって歩く。
空が見えるって事は、ここでなら転移の翼が使える。
ぼったくり価格だが、ここで魔法の鍵を買うよりは、マシかもしれん。
そうこうするうちに、東端にたどり着く。
そこから南に折れると、小さな花壇があった。
花壇はちょっとした丘になっていて、そこを上がる階段があった。
階段の先に、屋根がある。
屋根の下には、地下へと続く階段があった。
これがユーズルの墓だろうか。
この花壇の横に、ひとりのおっさんが立っていた。




