表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
87/107

87話  オーストラリア有限会社国後退戦 果たし状

 見つけてくれてありがとうございます


 Twitterから来てくれた皆さん、ようこそお越しくださいました


 只今SF、宇宙部門の月間で41位という、今までに無い高評価をいただいています。皆さんのお陰です。ありがとうございます


 そして今回も更新中にブックマーク2件いただいています。

皆様のご愛顧に答えるべく、今後も励ませていただきます。



 第6艦隊はそのまま最後の列になるより他はなかった。

多くの多国籍軍が戦果と戦功に飢えていて、その暴走ぶりはいかに笹本でもどうしようもなかった。挙げ句公国の旗艦等に次々揚陸して白兵戦に取り掛かるナミビア宇宙軍やタイ王国宇宙軍、各個砲撃まで展開しだすインド宇宙軍、敵艦の残りカスが邪魔だと体当たりで蹴散らして進むドイツ宇宙軍。

 戦艦博覧会は宴たけなわだ。

 台湾国や香港国も盛んに揚陸艦を放ち、捕虜を取る為に動き回っている。

 酷い言い方だが、第6艦隊の出番は回って来そうに無い。

 

 そんな中第6艦隊宛に通信が来た。

 挨拶が終わったグェン司令長官が相手をしたそいつは、他の誰であろうアレハンドロ・パーラだ。

「国家連邦政府宇宙軍第6艦隊の諸君、今回も華麗なる勝利おめでとう。偽り無く称賛しよう。グェン司令長官、貴殿の策ではないようだな」

 前面モニターに大写しになっているパーラはチラリとグェン司令長官を眺めて当たりをつけた。

「誰で有ろうと構わない筈です。男子三日会わざれば相刮目してまみうべきです」

 笹本が思わず抗議した。

「ほう。ならば君が三日で変わりたまえよ。その3日後、銀河系外縁のこの地にて待つ。こちらからの小細工は無しだ。貴君の実力を存分に見せつけて見せなさい。そこの援軍、連れてきても構わないが、全て狩らせて貰おう。私と君のサシでやり合おう」


 笹本は切り返すしかなかった。

「構いません。国家連邦政府宇宙軍5個艦隊を飲み込んだパーラ提督の逮捕に向かいます」

 

 ここで通信が途絶えた。

「あー。なんか僕やっちまったな」

「バカねぇケンジサン。あなた勝てるの?」

「勝てる訳ね―じゃねーか。どうやったら勝てるんだよ。5艦隊倒しちまったんだぞ」

「でも笹本君も何かの折に5艦隊倒しちゃったじゃないか。君もやれたことだよ」

 

 笹本は渋い顔して、言ってきたウルシュラに答えた。

「だって公国のクソ共戦闘経験無さそうだよ。でもこの人は違う。軍人を狩りまくって勝利したんだぞ。こんな奴にどうしろってんだ」

 

 笹本が何故か買い言葉に応じてしまった事を後悔していたが、そこにグェン司令長官も加わった。

「どうにもね。儂が戦ったら5分後に負けたよ」

 それは実質どうにもならないという意味だ。

「これは僕の責任ですね。司令長官、提督のバッジをください。かくなるうえは必ず勝ちます」

「そうですよ先輩さん。どんな卑怯な手を使ってでも勝ちましょう」

「卑怯?」

 エチエンヌは顔を(ひそ)めたが叢雲は淡々と答えた。

「仕方ありません。まともに当たって勝てるのは現在の日本宇宙軍だけでしょう。戦うというのは時として武器を当てるだけじゃありません。策略と詐術、搦め手も大いに使って相手どらなくてはいけません」

「詐術?搦め手?」

 エチエンヌの問いに黙っていた笹本が口を開いた。

「パーラ提督、白人じゃなかったな。なんであの国に居るんだろ?」


 パーラ提督はアルゼンチンの人物にしては珍しくサントスと同じように色黒で、黒い髪をしていた。

 実力を買われて提督をしているのだろうか?

 

 笹本は違うと踏んでいる。初陣のカノープスの戦いでも今回の後退戦でもパーラは提督ではあるが、彼程の実力者ならば司令長官として登場してもおかしくはない筈だ。

 もし司令長官ならどちらも笹本の手には負えなかっただろうに。

 何か有る。

 絶対何か有る筈だ。

 笹本の頭はこの時フル回転していた。あいにく笹本自身そんなに賢い人ではない。

「ウルシュラ」

 笹本は無い頭を振り絞り、ついにウルシュラを呼び立てた。

「なんだい?笹本君」

 ウルシュラは笹本になら頼られたいと思っている。穏やかな笑顔で答えた。


「パーラ提督の家族はどこに居るか教えて?」

「パーラ提督とその子飼いの将官の住まいは占領から開放された小マゼラン星雲に有る筈だよ」

「ホントにただの住まいかい?」

「なるほど。そこが怪しいと思うんだね?調べてみるよ」

「フセイン航海長」

 次に笹本が呼び立てたのは航海長のフセイン・ゼルコウトだ。

「はい。参謀長」

「戦場予定地には3日目の夜中に到着しましょう。時間の指定は有りませんでした」

「時間調整、宜候(ヨーソロー)

 これで少し分かった。この時間に出発しても余裕で到着出来るのだ。


「エチエンヌさん。小島さんと大場さん一家、それにアリーナと小鳥遊君を集めてください」

「ええ。分かったわ」

「各務原さん、済まないけど元理容師の乗組員って居るのかな?」

「え?はい。居ます」

「その方を僕の今回だけの側近に加えます。今回は身嗜みも大事になりそうですから」


「身だしなみですか。でしたら先輩さんの軍装に提案が有ります」

 叢雲が指先で画像データを一枚弾いて送ってきた。画像は黒の肋骨服に白のスラックスだ。

「乃木将軍の装いか」

「はい。多分今思い描く作戦と乃木将軍はマッチするでしょう。それ以上にパーラ提督に好印象を与えられます」


 乃木希典。それは日本最大の内戦、戊辰戦争と西南戦争。そして日本が近代戦を初めて経験した日清・日露戦争を駆け抜けた本人は凡庸そうに見える隠れた名将だ。

 やれ連隊旗を敵に奪われただの旅順での無能ぶりが取沙汰されるが、西南戦争において連隊の旗はまだ重要視されていなかったし、難攻不落の旅順要塞を事実陥落させている。

 乃木が持っていなかったのは俗に権謀術数の中で数だけだろう。権とは権力、謀とは謀略、術とは技術。(すう)とは(かず)という意味ではない。運命という意味だ。

 更に降伏したロシア人将校を手厚く遇し、世界に武士道の何たるかを教え弘め、乃木の死にはその将軍たちが匿名で弔電と香典まで送っているほどの人物だ。


「ふふふ。叢雲さん。確かにそれは僕にはうってつけだね。制服係に連絡して貰って良いかい?」

「先輩さんなら納得すると思っていました。明日から毎日届きます」

 笹本は実質現地には1日で行ける事を確認し、戦場をサントスに任せてパーラ提督への準備を急いだ。

 特に関係各所への連絡は熱心だ。ブラジルには平文のまま『パーラ提督のご家族を丁重に保護してください』と打電し、各戦闘艦を制作している工場へも盛んに連絡を入れていた。

 今ちょうど国家連邦政府の艦船が丸々無くなってしまった状況で笹本の依頼をこなすのは厳しいと思われたが、そこを日本のクラフトマンシップは何とかしてしまったようだ。

 この後退戦において笹本はあまり良くは寝られなかったのだが、寝てすらいられない状況はもう少し続きそうである。

 読んでくれてありがとうございます

 もし良かったらブックマーク、評価、いいね、感想、レビューなど頂けましたら嬉しいです

 

 只今連載中

 犢端高校勇者部活動記録   https://ncode.syosetu.com/n0115ie/


 爆笑!元朝秘史

https://ncode.syosetu.com/n3161if/


完結作品

 素人集団!!国家連邦政府宇宙軍第6艦隊奮闘記

https://ncode.syosetu.com/n7603hp/


 ココチュのフェイクニュース

https://ncode.syosetu.com/n7689id/


各種短編

 伯爵閣下がホラ話で領地を盛り上げてみるようですので発表します

https://ncode.syosetu.com/n0773gs/

 

 精霊だらけインタビュー

https://ncode.syosetu.com/n9175hv


 SS 家元になろうよ

https://ncode.syosetu.com/n4840hw/


 なども書いております。宜しかったら見て行ってください


Twitterやってます。@kokochu539です。

大したことはしていませんが、フォロバは確実です。お気軽にどうぞ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ