8話 大忙しの戦後処理
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「教官?ええすみませんけど無人掃宙艇の手配を大至急お願いします。え?だって今敵は居ませんよ。やっつけましたから」
「ははは笹本君、その話は聞いてはいるんだ。勿論確認もしてはいるけど俄かには信じられなくてね。今一度確認してから送りますよ」
「出来る限り早めにお願いします。現在カノープス1-3、ガジャ・マダまで移動して退避していますが早くも5隻の艦船がスペースデブリにやられているんです。急いでください」
「おいケンジ。どうしてこの星域から離れないんだ?早く基地に帰ってラーメン食べに連れて行ってくれよ」
「へ?ああアリーナか?ダメだよ離れられない。だってここには7日居なくてはいけないんだ。勝って終わりって訳には行かないんだ。うちの烹炊長が何か美味しいものを用意してくれるから食べに行こうよ。誘うね」
「ほう。真美子ママがか?よしすぐ行く!今行く!駆けて行く!飛んでいく!転げてく!」
「はぁい。呼びましたか?あらあらアリーナちゃん。来てくれるんならよっぽど美味しいものを用意しなくちゃいけないわね」
「おいママ、私にもだ!ハハ。私にも素敵なスイーツをだな」
「まあナオミ船団長さん。分かっていますよ」
「私にもお願いしま~す」
「はいはいミアリーちゃんもね。今日も忙しくなるわね」
「うわーん、笹本さーんこの石頭の技術屋さんに言ってやってくださいよー。酷いんですよー」
「今度は小島さんか?どうしたんだ?」
「どうもこうも有りませんよ。あ。初めまして、揚陸艦を納めている蒲郡重工の者ですがね、本来の揚陸艦の使い方に衝角戦の機能なんて無いんです。なのにそれに対応した艦船を今すぐ作ってくれなんてあまりにあまりですよ。酷いって言いたいのはこっちの方です」
「衝角が無いならドリルを付ければいいんですよ」
「おい小島さん、落ち着いてください。その言い草どの世界線のマリーアントワネットだい?」
「私がルールブックだよ!」
「落ち着いてください小島さん。生憎現状では改装に廻す予算の目処が立ちませんので」
「各務原さん、お前もか!」
「まあ、素材選定と骨組みの研究からじっくりやらせてくださいよ。嫌だとも無理だとも言ってないんです。ただ時間は必要なんです。改装には時間がかかるんですよ」
「まああれです。手順を踏んで認可して貰いましょう。それで納得してくれませんか?」
「ち。仕方ないよね」
「ササモト、お客さんよ。オオバという方が3人見えてるわ」
「ああ。ユボーさんか。サムライファミリーのね。第一会議室にお通ししてください」
「そうしてあるわ。忙しそうね。制服の型式とサイズの希望の取りまとめは私がかたがわっておくわ」
「ありがとう。助かります」
「サントスもサナエも手が空いているようだったわ。こちらで何かやって貰っても?」
「助かります」
「ササモト、あなた若干抱え込む癖が有るみたいね。どうしてかは知らないけどあなたは独りじゃないし一人だけでは出来ない職場に居るの。頼ってちょうだい」
「ああ。ありがとう」
「公国の駆逐艦ですか。システムがなんか重いとは思ってましたがなんですかねこのバックドアの数」
「そうだね。それに配線や配管がちょっと見ない様式だよね」
「コイツを再利用したいなら基盤そっくり入れ替えしかないですぜ」
「あはは。私が再利用したいなんて思っていると思ったかい?違うよ。気付かぬフリして出し抜いてやりたいだけさ」
「ああ。そういう話ですか。まあ、ウルシュラさんには機密費を随分回して貰ってますから。そこら辺はね」
「大事に使ってくれよ。各ナノテクやら何やらのバージョンアップを独りでやって研究費浮かしているのはいるのはきっとこの日の為なんだ。で?どこの物かは分かるかい?」
「ウルシュラさんは多分選挙帝政ロシアだと思ってるでしょう?ポーランドの人ってあの国は嫌いそうだ。でも違うな。あいつらはムチャクチャなんじゃない。独創的に過ぎるだけなんだ。こんなムチャクチャな基盤フローチャートと配管を平気な顔してできる国なんかアイツラしかいないよ」
「あー。あそこか。私はその辺りに絞ってはいたけどね」
「じゃあ、あっしら美浜OS調査団は調査にかかりますんで。朗報を期待してくだせい。一世一代の仕事させて頂きまさあ」
「ああ。待っているよ。宜しく」
「やあ皆さん。リアルでは初めまして」
「はは。無線では失礼しました」
「副提督、初めまして」
「お目文字感謝いたします。参謀長」
「今日大場さんのご一家をお呼びしたのは他でも有りません。各自充分に戦場で名を馳せ、世界的にも二つ名『サムライダディ』『サムライレディ』『サムライキッズ』の名を取り、勇名を馳せた人物としてエンブレムを用意して頂きたいことが1点、霙さんと雄哉さんには船団長をお願いしたい事が1点。そして皆さん参謀本部に来ていただきたいのです。まさか斬り込み戦が有効だとは思わなかったのでアドバイスを頂きたいと」
「薙刀は有効です。試合の時とは違ってどこに当てもAI歩兵は片付きますから」
「銃なら撃てますから。ストックで殴った奴らは死んではいないと思いますが歯は折れてるかも知れません」
「お前たち、剣道をやれと言っただろ。どうしてそうなった」
「剣術ではママには勝てないわ」
「剣道ではかーちゃんに負ける」
「あの。まさか船団長の奥さんも国家連邦政府に?」
「ええ。第8重巡洋艦の船団長をしている筈です」
「ほう。併せて呼んでみようかな」
「はい。良いと思います。あれは馬術と弓術で名を馳せていますから」
「かーちゃん『無反動サブマシンガンって便利だわ』って言ってたから今頃騎馬鉄砲になってるかもよ」
「伊達家名物か⁉」
「ママはコサック騎兵気取りでしょう」
「揚陸後のコロニー制圧要員に参謀本部に呼びますね」
「それは凄い。大場家揃い踏みだね、やったねとーちゃん」
「船団長など務まりますかしら。心配です」
「そこは心配しないでください。なにせここに居るのは全員が新人です。ドジもへまも失敗も経験の内と思ってやっていってください」
「そう言う事でしたら……」
「まあ。小島船団長も同い年ですからね」
「助かります。後これは任意なのですがそれぞれ剣道、銃剣道、薙刀のサークル立ち上げてみませんか?皆さんの活躍が起爆剤となっていて希望者も多いんです」
「笹本さん。各所より報告が上がっています」
「副提督。今回の作戦は勝利したとはいえ予算を大幅に上回る被害が有ります。いえ、決してダメなわけではないのです。多角的な目で見て頂きたいだけですので頭の隅に留めおいてください」
「……」「……」
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