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67話  ブラックホールトライアングルの戦い1

 見つけてくれてありがとうございます


 Twitterから来てくれた皆さん、ようこそお越しくださいました

 しめやかに慰霊が始まった。軍関係者は脱出短艇(ランチ)から。民間人は緊急脱出テレポーターを使用した上で、戦艦のトップを外したものを4隻横に並べた特設会場にて慰霊を行う。

 ブラジル大統領が今、弔文を読んでいる。


「奴は来るかな?」

 サントスが笹本にこっそり聞いてみると、答えは笹本ではなく叢雲が返した。

「来ますよ。ここで何かしないと自分が世界の逆賊になった事を認める事になりますから」

「それに僕らは未だに恒星ガムランに居る事になっています。釣りエサはがっちり仕掛けて有りますから」

 笹本も答える。

 来ないなら来ないで、今のところ中立を保っている公社ベルギー政府や蜀朝等も戦争犯罪人を赦すなと立ち上がる可能性も有る。

 この焦土作戦の遺した傷痕は大きいのだ。


「来たよ。艦隊数12万?」

 ウルシュラが頓狂(とんきょう)な声をあげた。

 小マゼランの各地で随分大量の逮捕者を出したのに、1艦隊にそんなにも大量の艦船を持てるだけの士官を用意しているものだろうか。

 

「ああ。敵艦隊はプロバティ弄りましたね」

 ウルシュラの驚きを吸収出来るPCマスターなんか一人しか居ない。

 声の主は3Dホログラム越しの福富昌孝だ。

「これを弄ったのかい、マサ?」

 ウルシュラが聞いてみると、マサこと福富昌孝がサラリと答える。

「ええ。これは敵艦オペレーションシステムのプロバティ画面です。ほらここ。役職1に対し10。つまり少佐に対して10の艦船をという基本動作ですが、ここを多分40位に弄っているのでしょう。簡単に操作出来ますからね」

「それって違反じゃないの?」

 思わずエチエンヌが突っ込んだ。

「ええ。違反です。でも犯罪者のやる事なんて違反と悪意と……強奪でしょ」

 余りの的確な指摘にエチエンヌも何も言えなくなった。

「船団はうちの師団長に任せてしまいました。そちらに移って計算ソフトの修正や機動確認をしたいのですが」

 ウルシュラもそうして欲しかったようで相変わらずテーブルと三面ディスプレイのパソコンを用意し始めている。

 

 ブラックホールは不思議な空間である。慰霊が行われている会場は間もなく別の所にワープし、安全な所から今回の逮捕捕縛劇を眺望出来るようになる。ジュルベーズの艦隊が特設会場に迫り、射撃が始まる前に会場が突如消滅した。4艦同時連結ワープの成功である。

「ほら来た」思わず笹本が呟いた。

「では私は手はず通りに行きます」

「健闘を祈っているわ。サナエ」

 叢雲は不敵な笑みを浮かべてテレポーターゲートの向こうに消えた。今回に限り行き先は軽巡洋艦第一船団のネームシップである。今回軽巡洋艦は別行動をしてもらう。

 

「敵は案の定分乗しています。敵のエンブレムホルダー12名はそれぞれ別の艦船に居ます。その他6台に分乗していると小島船団長が言っています」

 これは見張り台勤務になったモンゴル人の男の子と、小島鼎による艦隊の目が共同して調べてくれたものであり、早くもピンでチェックまでしてある。これらの艦船をむやみやたらと攻撃せず、揚陸艦による衝角(ラム)戦からの斬り込み戦でやっつけるように指定が降りる。

 

 第6艦隊はジュルベーズの艦隊よりブラックホールに近い位置にいる。この艦で吸引されるギリギリ限界点に布陣しているのだ。

「航宙機部隊は敵艦にビーム攪乱(かくらん)幕を放って」

 笹本の指令が飛ぶ。航宙機が早くも敵の艦隊に取付き攪乱幕を放つ。これで敵の斉射は悲惨なくらい当たらなくなるのだ。案の定何もブラックホールを計算に入れていない敵方が主砲のビーム砲を斉射したが、まずは攪乱幕でビーム砲自体が四散し、出力が分散したそれがブラックホールに引き寄せられていく。

「では福富さん、計算ソフト使わせていただきます」

 笹本が丁寧に頭を下げてから斉射の指令を下す。かなり明後日の方向に放った若干弱めのビーム砲が途中でブラックホールの引力に引き込まれ、世界で初めてビーム砲が弓なり射撃しながら敵艦にぶち当たる。

「あ。その射撃ソフトはそうやって使用するのでしたか。でしたら艦橋(ブリッジ)を狙うように再編集しましょう。なに。5分も有れば出来ますよ」

「ほう。お願いします。更に斉射!」

 計算ソフトの結果を見ると出力22%となっている。もう4発はいけそうだ。

「ええ。次回の斉射には間に合わせますよ」

 これで敵からの斉射は5分間は来ない。敵が運よく次回に実弾を放ってくれればありがたいなと笹本は思っている。

「次はナハトドンナー行ってみようか」

 ナハトドンナーは言ってしまえば質量兵器である。このちょっと油断すれば ブラックホールに真っ逆さまな状況下でも各駆逐艦は自動的に呑み込まれないように制御姿勢を変えてから斉射する。計算ソフトの機能の一つ。制御計算が自動的に発動する。次々と放たれたナハトドンナーミサイルはこれも着弾修正ソフトが自動制御し、山なり弾道を描いてぶち当たる。

 これを見ている観戦武官や慰霊祭の観客も大はしゃぎなのがハイライトから見て取れる。世界を敵に回し、公国も武器支援はしても帰って来るなと突き放されたジュルベーズはここでどうにかするしかないのだ。笹本が同じ立場ならここで自分を正当化する独立国家を作ってしまうのだろうが、ジュルベーズにその発想は無いようだ。

 ジュルベーズは酷い事を言えば、ここで頑張る理由は無いのだ。散々小マゼランを舞台に焦土戦と略奪をし続けた方が解答としてなら正しいだろう。多分ある程度の所で膨大な数の敵と対峙するまでなら。

 しかし彼女は自分の行為を正当化すべく慰霊祭を邪魔しに来た。これは生憎罠だったのではあるが。


「一番目、行きます」

 第8揚陸艦船団長が宣言する。この子はブラジル出身の男の子だ。やる事は小島鼎がよくやる事と同じで、衝角(ラム)戦からの斬り込み戦だ。蒲郡重工は世界初の宇宙衝角戦に小島からの意見や使用感を充分に抽出し、やりやすいように作ってくれたそうだ。

 手始めにエンブレムの無い最寄りの指揮艦にぶち当たり、中の乗組員を逮捕捕縛してしまおうというのだ。衝角戦は恐ろしい程簡単に決まり、内部のテレポーターゲートから師団長とAI歩兵が次々に出撃し、戦いそのものが中盤戦に差し掛かった。

 読んでくれてありがとうございます

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今回とうとうPT100に乗りました。皆様のお陰です。今後ともどうぞよろしくお願いします


 只今連載中

 犢端高校勇者部活動記録   https://ncode.syosetu.com/n0115ie/


 爆笑!元朝秘史

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 素人集団!!国家連邦政府宇宙軍第6艦隊奮闘記

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 伯爵閣下がホラ話で領地を盛り上げてみるようですので発表します

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 精霊だらけインタビュー

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 SS 家元になろうよ

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 なども書いております。宜しかったら見て行ってください


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