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スナップの利いたビンタ

待て待て。いくら私がアホでもこれだけ文明が発達してる国の名前を知らないなんてあり得ない。

私の国ウェイストガヤーからどれほど離れているというのか。

「なんですかその設定は…」

マコちゃんがいい加減にしてくれと言わんばかりにため息をつく。

「おじさんもう満足した?疲れてるのかもしれないけどさ、現実と向き合わないと何も変わらないよ。」

信じがたい現実に向き合っているのだが。

「なんで急にそんなこと言いだしたの?そんなアニメでも観たの?」

頭ごなしに否定ばかりされ流石に少しカチンとくる。

「あーしだって訳わかんないよ!日本って何!?あなた誰なのよ!」

マコちゃんも怒ったのか高く手を振り上げる。

険悪な空気が流れたのを察してソンナさんが止めに入る。

「まあまあ落ち着いて。」

パチン。プロ卓球選手並のスナップが利いたビンタが炸裂した。

なぜかソンナさんに。

「え?」

「いやなんで私に…」

ソンナさんがもっともな疑問を呈する。

「うるさい!黙って!」

「あ、すいません。」

あまりの剣幕にあっさりと引き下がるソンナさん。

やっぱりこの子は怖い。そして私と同じ顔でそんな情けない顔をするなソンナさん。


しばし気まずい沈黙が流れた後、ソンナさんが口を開く。

「マコちゃん今日本当は何しに来たの?」

重たい雰囲気に我慢ができなくなったのか話を逸らそうとする。

「おじさんにもソンナさんとやってるゲーム紹介してあげようと思って…」

そういえばゲーム仲間だと言っていたな。私もゲームは好きだ。元の姿の私は昨日も遅くまで友人たちとプレイしていたのだ。

「あのゲームか…」

何か含みがありそうに口ごもるソンナさん。

「おじさん時間あるし結構稼いでるから大丈夫」

どういう意味だよ。

「お疲れの様子ですし、気分転換になるかもしれないからゲームやってみます?」

正直に言えばそんな気分ではなかったが、断りづらい空気を察して首を縦に振ってしまう。

「一応戦略SLGなんですけど…」

私が好きなジャンルだ。PCでやるゲームのようでタイトル画面がモニターに映し出される。


『ピピっとネイビー』


これ私が昨日までやってたゲームじゃん!

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