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ここはどこ?

なんなのだこれは?

なぜ私は元の私の姿に連れられて東洋の神を祀る神殿を歩いているのだろう。

疑問符がパンクするほど湧いてきている。今、脳内メーカー風に頭の中を覗いてみれば「?」で埋まってしまっているのではないだろうか。

神殿を一緒に歩く少女はニヤニヤ笑いながらこちらを見ている。美人には違いないが先程、私が取り乱した瞬間に素早く腹パンした上に笑顔で黙ってろときたもんだ。恐らくマトモな人間ではない。逆らわないでおこう。


歩いている間マコちゃんと呼ばれた少女が話し掛けてくる。

前を歩く私そっくりな人は神主でソンナさんという名前であり、マコちゃんが巫女のバイトをした際に知り合ったとのこと。ゲームが趣味で気が合ってちょこちょこ遊びに来てるらしい。なぜ私をここに連れてきたのか聞こうとした瞬間に目的の部屋に着いたらしい。ソンナさんが座るように促してくれた。

「いったい今日はどう言った用件でお越しくださったんですか?」

見た目の若さとは異なり、落ち着いた声のトーンで聞いてくる。

「本当は違う用事だったんですけど、おじさんが言いたいことがあるみたい。」

マコちゃんが私に話をするように催促する。


やっと説明ができる…安心感からか言葉が土石流のように止まらない。

朝起きたら別人になっていたこと、本当の私はジュリアという名前で金髪碧眼の女子中学生であり東洋人ではないこと、実家は由緒ある家系で昔は貴族であったこと、いつも私に意地悪をする金に汚い兄がいること、etc.

話が進むにつれ2人の表情が困惑→薄笑い→侮蔑→恐怖→呆れ→憐憫へと百面相のように変化していくのがハッキリと分かった。

「おじさん、仕事上手くいってないの?」

マコちゃんは朝の態度とはうってかわり生温い優しさで私の心を傷つける。

「あの…ここ神社なのでそういう相談は…」

ソンナさんは言いにくそうに切り出してきた。

神社…そういえば私はなぜこの人達の言語や文化が理解できるのだろう。

遥か離れた東洋の国の言語や文化など知らなくて当然のはずなのに。

そもそもここは何という国なのだろう?

引きつりながらソンナさんが答える。

「いやここは日本ですけど…」

………聞いたことのない国だ。

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