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4. ついに地球へ


 戻って魔王城。


「おい、女神。」

 大悟は、女神リリスを睨みつける。


「わ、分かってますよ。私を誰だと思ってるんですか? 

 女神ですよ! 約束は守りましょう」

 ない胸を張る女神。


「では、ちょっと地球の様子を……ん? んんんん?

 ちょ、ちょっと待って下さい。

 今、地球の神に電話をしますから。」

 リリスは胸の谷間? らしき場所から受話器を取り出し、どこかに電話をかけた。


 プルルル。ガチャ!


「もしもし、あたしあたし……うんうん、そうそう転生の……え?……マジで?……いやいや……ホントに? あーそう……分かった。お大事に。」


 ……ガチャ。


「……さ、さぁーさっさっと帰還させちゃいましょう」


 リリスは満面の笑みを大悟に向けた。


「ちょ、ちょっと待てクソ女神。

 なんださっきの電話? 聞いてんのか、おい!」


 大悟の言葉を無視して、リリスはタクトを振るう。


「ちちんぷいぷい地球にーーー! 戻っちゃえぇーやぁー。」


 降っていたタクトを大悟に向けた瞬間、大悟の体が光り出す。


「おい、クソ女神。ちょっと待てぇー説明しろやぁー! あぁぁぁー。」


 光に呑み込まれた大悟は一瞬にしてその場から消え去ったのだった。



 ◇◇◇



「う、うぅーん、ん! ここは? どこだ?」


 目を覚ました大悟は、辺りを見回した。

 どうやらここは、山の中のようだ。

 沢山の木に囲まれ、横には川が流れていた。


(おいおい、ホントに戻ってきたのか?

 異世界にいた時となんも変わらんぞ。)


 大悟は立ち上がり、辺りを散策し始めた。


(うぅーむ、地球と断定できるものが何も見つからない。

 とりあえず山の上にでも登ってみるか?

 上から見れば何か分かるかも知れんし。)


 そう言って山を登り始めた大悟だったが、少し登ったところである違和感を感じていた。


(おかしい。

 全く疲れない。

 体も軽すぎる。)


 地球にいた時、大悟は運動が得意ではなかった。

 もし地球に、以前の体に戻っているのであれば前の身体能力に戻っているはず、こんな簡単に山を登れるのはおかし過ぎる。


 ここは、まだ異世界なのでは? そしてまだ体も以前のまま……。 

 大悟は恐る恐る、あの言葉を唱えた。


「ステータスオープン」

 すると、大悟のステータスが表示された。


 言葉が出ない、ここは異世界だ。

 大悟は力なくその場にへたり込んだ。


(クソ、あの女神。

 戻れてねぇじゃねぇか、次会ったら髪の毛全部ぶち抜いてやる。)


 大悟はそのまま空を見上げる。そのまま数分間……何も考えずボーっとしていた。

 そして突然、自分の両頬をパチンと叩き、立ち上がった。


(はぁー落ち込んでいてもしょうがない。切り替えだ切り替え。)


 そう思って大悟はまず、この場所が何処なのか確認しようとMAPを開いた。

 するとMAPは出ず、――現在構築中 構築終了まで後20分――と表示されていた。


(なんだこれ?

 なんでMAPが出ない?

 構築中ってなんだ?

 訳が分からない、なんなんだこれは?)


 困惑中の大悟だったが、とりあえず待ってみることにした。

 さすれば謎は解けるだろうと思い。


 20分後。

 構築は終了し、そこにはMAPが表示されていた。

 しかし、それは異世界のMAPではなかった。

 だが、見覚えがあるMAP。

 そう日本地図であった。


(どうなっている?

 ここが日本だと言うなら、何故俺は異世界の力が使えるんだ?)


 拳を顎に当てて考え込んでいると大悟はある事に気付いた。

 ステータスの右上が点滅しているのだ。

 この点滅はメール受信を知らせるものであり、女神が大悟と連絡する時に使われていた。

 しかし、これは大悟側から送信する事はできず、女神からの受信一択であった。


(嫌な予感がする。開きたくない、削除したい。)


 だが、このままでは進まない。

 俺は意を決してメールを開く。


 ピロリン♪




 

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