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100エーカーの森の悲劇  作者: カンナビノイド¢39
第4章 悲劇の寸法線
99/162

4-10 夜明けの誓い

ーー前回のあらすじーー


 ある日のこと、ジョージがみんなへ大事な話をすると言うので住人たちが駄菓子屋に勢揃いした。

しかし、話を始めようとすると幾度となくキヌタニが妨害を起こし、そうこうしているうちに突然の来客があったではないか。


 結局、彼は住人たちに用件を伝えられないまま……そして訪問客、旅人だという三人組を彼らはもてなすことになった。


 その夜……シンタローが目を覚ますと、ジョージの住んでいた廃寺が炎上していた!!

慌てて駆けつけると例の三人組が彼を拷問していたではないか!!


 少し遅れてやって来たミーシャとヤムチャも加わり三人のうち二人を殺すことに成功するも、最後の一人はピストルを向けて『命を大切にするんだ』と諭すように言ってきた……。


 さらに武器を置くように指示した男の背後から、いつの間にか拘束を解いたジョージが歩いて来てその場に倒れ込んだ。


 彼はどうせ死ぬなら仲間の手にかかりたいと懇願した。

その願いを受け入れたシンタローは、ジョージの頭を撃ち抜くのであった。


 最期に彼が残した『笑って生きろ』という言葉……それを胸に抱いてシンタローは中二病を卒業し、笑い上戸へと生まれ変わった……。



 人が大きく生まれ変わるきっかけというのは大きな出来事だけでなく、ほんの些細なことでもあり得ると思います。

エリスはスタークを一目見ただけでストーカーになってしまいましたから……。


エリスのことはさておき、読者の皆さんは今までに人生が大きく変わった瞬間はありましたか?


 作者は夜中に大学の研究室でこっそり実験をしてたら、うっかり試薬を少しだけ爆発させたことがあって……それから昼夜逆転の生活をしなくなりました。(本当に下らんな)


さて、今回からはまた本編に戻ります!!

「これで俺たちの……ジョージの話は終わりだ。ジョージのことは……何かが違っていれば助けられたような気がするんだよ……。でも事実、助けられなかった。だから俺は、機関銃を使うのをやめて、火炎瓶や石の投郷の技術を磨いた。その方が小回りが利いて、早く動けるからみんなを守りながら戦えるような気がしたんだ……。」




「ミーシャもそれからは3日3晩は寝ずに射撃の練習をしてたな。その後もずっと練習を重ねて今みたいに立派な機関銃使いになったというわけだ。今度こそ大切な人を守りたいっていう思いは今でもあるんだろう。」




「ヤムチャは……ジョージを助けられなかったことが本当に辛かったんだろうな……森の建物をずっと破壊して回っていたらしいね。その後は自分の身体を追い込むように鍛練をしてたみたいだよ。ピストルの弾より速く動けるようになればあの時のようなことがあっても、今度は動じることはないから、ってね。」




「俺も暴走してるヤムチャを見て止めようとは思えなかった。むしろ、一緒にみんなの家を壊して回ってたからな……。2週間くらい経ってようやく落ち着いて、それから俺が全部家を建て直した……今あるみんなの家を全部俺が建てたっていうのはそういうことなんだ……。」




 シンタローもミーシャもヤムチャも、ジョージが亡くなったところに立ち会ってるから俺やくじらんよりもショックが大きかったのは間違いない。


 家を壊し回るヤムチャとシンタローを見て俺も、とてもじゃないが止めさせようとはならずに、自分の家や発明品を壊されようとも見守ってやることしか出来なかった。



「俺も……あの3人組のことをもっと怪しむべきだったんじゃないかって悔やんでる。」




「お前たち……そんな辛い経験をしていたのか……。私も……自分の無力さを久々に呪ったよ。もし私が過去に戻ることが出来たならジョージのことを助けに行けただろうに……。」



チッダールタは本当に悔しそうな表情をしている。



過去に戻れたら……か。


確かに、タイムマシンが作れるなら俺だって……!





「みんな……こんな雰囲気で質問なんてするのは申し訳ないんだけど……ジョージは魔術が使えたのにどうして3人組に抵抗しなかったんだろうか?」



フジモンが本当に申し訳ないという感じに口を挟んできた。



「そうだな……俺たちにも分からないんだ。実際のところ、ジョージが魔術を使えばあんな奴らなんて一瞬で返り討ちに出来たはずなんだが……。何故か彼はそれをしなかった、それでいいと思っているようでもあったな。」


「もしかしたら何か脅しを受けていたのかもしれないな、魔術について随分と知りたがっていたようだからそれに関係している可能性もありそうだが……。」



シンタローと俺はそれぞれの意見を口にした。



「何にせよシンタロー……ジョージが死んでしまったのはお前のせいではない。それに素性の分からない男たちの手にかかるよりも、お前に撃たれた方が……ジョージも幸せだったと思うぞ?」



チッダールタのしわくちゃな顔を涙がつたう。



「仙人……?」


「すまない……本当に悔しいんだ。私に力があれば……。彼は……助けられるんだ……。」


「チッダールタ……お前が気に病むことじゃない。話を聞いて共感してくれるだけで俺たちはどれだけ気が楽になったか……。」



俺はチッダールタの背中をさする。


 人に仙人と呼ばせてるだけあって、チッダールタが感情を表に出すことは今までなかっただけに俺もみんなも驚いてるよ。



「ねえみんな……誰かを変に疑うのは止めよう?今の俺たちなら……きっと大丈夫だよ!」



くじらんが周りを元気付けるように明るく言った。



「そうだよ!!みんななら何があってもだいじょうぶ!!」



くーちゃんもくじらんの隣で笑う。








「みんな……まだここにいたんだ。」



玄関の方から小さな声がして、みんなその方向に視線が向かった。



「ミーシャおねえちゃん……。へいき、なの?」



ミーシャの目は赤く腫れ上がり体のところどころから出血していた。



「ミーシャ君!?怪我だらけじゃないか!!今すぐ手当てするからこっちへ来るんだ!!」



フジモンは驚いたが、拘束されながらもすぐに治療道具の方へと向かおうとする。



「何を言ってるの……!?私はさっきあなたを……。そんな人間を手当てをするなんて……!」


「ミーシャ……ここにいるみんなにジョージのことを話した。みんな、耳を塞がずにちゃんと最後まで聞いてくれたよ。」




「あ……そっか、話しちゃったんだ……。」



 ミーシャは力ない足取りで歩いて機関銃を拾う。

次の瞬間、ミーシャの目から殺意が溢れ出した!




「はぁ!?何余計なことしてるのよ!!話を聞いただけで何が分かるって言うの!?私たちはジョージが死んだ瞬間を見てるの!!そんな私たちの気持ちなんてあんたらに分かるの!?いいえ、分からないでしょうね!分かってたまるものですか!!」



ミーシャ!!何でだよ!?



彼女は機関銃を構えてチッダールタとフジモンを交互に睨み付ける。



「落ち着いてよミーシャ!!フジモンは何で最期にジョージが相手に抵抗しなかったのか一生懸命に考えてくれたし、チッダールタなんて自分がジョージを助けられないことに涙まで……!!」



くじらんが慌ててミーシャを後ろから取り押さえる!



「そんなうわべだけの共感が何になるって言うの!?そんなことされたって嬉しくない!!」



ミーシャは馬鹿力のくじらんに拘束されながらも抵抗をやめない。





「おいミーシャ!!!」



突然、シンタローが怒鳴って立ち上がった。



「し、シンタロー……?あなたもフジモンを疑って……。」



そして彼女に詰め寄った。



「お前は……勝手に暴走してジョージを殺そうとしたことがあったよな?後悔してないのか??あれでよかったと思ってるのか??」


「えっ?そ、それは……!!」


「ここでフジモンを殺すということは……あの時にジョージを殺すべきだったと、そう思ってるってことでいいんだな!!!??」



シンタローはゼロ距離でミーシャに怒鳴り散らした。




「あっ…………えっ…………。」



ミーシャは何も言えなくなっていた。




「なあ、こんなこと終わりにしようぜ?ジョージだってお前がこんなことするの、望んでねえよ。」



機関銃は何の抵抗もなくシンタローの手に渡る。



「これの使い道は……そうじゃないだろ。」


「…………。」



くじらんがミーシャを離すと彼女はそのまま床に崩れ落ちてしまった。



……でも。



ヤムチャがどれだけ怖い形相で襲いかかってこようともミーシャが止まることはなかっただろう。


シンタローに言われたからこそ、ミーシャも黙ったんだろうな。




「シンタロー……私はどうすればいいの?またみんなを死なせちゃったら……!!」



ミーシャはシンタローの膝にしがみつく。



「ミーシャ……俺たちはあの時のことを悔やんでもっと強くなろうとしただろ?次こそは大切なものを守ろうとして……今は仙人っていう強力な味方もいるんだ。普通にしてても十分何とかなるんじゃないか?」



「シンタロー……随分気楽なものだな。こんなおじいちゃんに期待するんじゃないぞ。だが……お前たちなら私が何もせずとも何とかなってしまう気がするな。もちろん、私も協力は惜しまないさ。」



チッダールタはミーシャのそばにしゃがみこむ。



「ミーシャ、確かに話を聞いただけでは本当の意味でお前たちの悲しみを理解したことにはならないかもしれない。それでも……お前たちの気持ちに寄り添わせて、そして協力させてくれないか?私はな、今まで幾重にも後悔を積み上げてきたんだ。この年になってお前たちに辛い思いをさせることがあれば私は死んでも死にきれんよ。だからどうか……自分の仲間を自ら消すことはしないでくれ。」



チッダールタはミーシャの身体を暖かな色の光に包み込む。



俺たちのことを……そこまで言ってくれるのか。



「チッダールタ……私は、みんなを……みんなを絶対に守る。だから……私に力を貸して!!」



ミーシャは立ち上がった。



「おねえちゃん、げんき出たんだね!!」



くーちゃんは小走りでミーシャに近寄る。




「それじゃあ元気も出たところで僕の手当てを受けてもらおうかな?」



「えっ?それとこれとは話が別よ。フジモン、変なことしてきそうだし。」


「な、何を言うんだ!!僕は紛れもなく名医なんだよ!?」


「それをまだ言うか……。お前は『名医』っていう肩書きを乱用しすぎだぞ??」



俺もここで口を挟んだ。



「まあ……ここまで自分で言うと信用もなくなるな。」


「ち、チッダールタまで!!仲間を信用するんじゃなかったのかい!?」


「医者としての信用がないだけだと思うよ?別に俺は医者としても信用してるけどね。」



「くじらん君……なんて優しいんだ!」



フジモン……お前は落ち込んだり喜んだり忙しいな。




「ねえみんな……久しぶりにジョージに会いに行かない?今年も……そろそろよね?」



「ああ……そうだったな。今からでも行くとするか。」



えっ……?今からはさすがに……。



「まあ、この話の流れ的には翌朝にするというのも違うな。」


「そうだね、みんな揃ってるし丁度いいかもね。」



おい、チッダールタにくじらんまで!?



「な、何か分からないけど……僕もついていくよ。」


「わたしもおねえちゃんといっしょにいく!」




みんな乗り気なのかよ!!



はぁ……まあいいか。



「それじゃあ……行くとするか。」



俺たちは真っ暗な中、夜道をぞろぞろと歩き始めた。









「ちょ、ちょっとミーシャ君!?いきなり突き落とすなんてあんまりじゃないか!!」


「いやー、フジモンのリアクションはおもしろ……いぎゃあああっ!?!?」



「ミーシャも中々だよ??」



 共同墓地へ行くための抜け穴にみんなで飛び込んでいるところだったんだが……ミーシャが何も知らないフジモンをそこに突き落としたんだ。


 先に下に降りてたくじらんがトランポリンでワンバウンドしたフジモンを受け止めてなかった大怪我をしていただろうな……。



そしてそんなミーシャもシンタローに突き落とされるという……。



(抜け穴?トランポリン?何の話だ??って人は1.5-14話の終わりと1.5-15話がおすすめだ!)



「うぅ……ちょっと!シンタロー!?あなた私を殺す気なの!?」


「自分も今さっき同じことをやってただろ……!よっと!!」



 そう言ってシンタローも飛び降りて来た。

それに続いてスタークとくーちゃんを担いだチッダールタがフワフワと降りてくる。



ちなみにヤムチャは抜け穴のそばでお留守番をさせられている。




「この森にこんな深い抜け穴があったなんてな……。今日は私が予想できなかった事実がたくさん明らかになって忘れられない日になりそうだ。」


「そうか、チッダールタもここに来るのは初めてなのか。」



地面に降り立ち、チッダールタはくーちゃんを下ろす。



「おじいちゃん、空中に浮けるなんてすごいね!」


「すごくはないぞ、私はただのおじいちゃんだ。」



チッダールタはこう言っているが照れているようで服のイルミネーションがピカピカと光っている。



「ただのおじいちゃんかどうかはさておき、フジモンももう少しチッダールタの謙虚さを見習った方がいいんじゃない?」


「ミーシャ君!?僕は十分謙虚だよ??」



フジモンは自分で名医と言い張ってることが謙虚さとは正反対だと分かってないらしいな。



「フジモンは謙虚じゃないとして……行くぞ?」



シンタローを先頭に全員後からついていく。






「着いたぞ……まだちょっと暗いな。」



外はもう日が昇りかけているのかもしれない、懐中電灯が無くても何とか周りが見えそうだ。



「ここがジョージの墓なんだね……。俺もここには最近一度来ただけだから知らなかったよ。」



みんなジョージの墓の前でしゃがみこむ。




「ジョージ……この森は今、大変な状況にあるのかもしれない。でも見てくれよ、頼もしい仲間たちがこんなにたくさんいるんだ。今度は何があっても乗り越える。お前も見ていてくれよな……。」



墓の前でそう語りかけるとジョージの声が聞こえてきた気がした。




『いつでも見てるさ!お前たちは俺の大切な仲間だからな!!』




………ありがとう。



「何だか……ジョージに力を貰った気分だわ。」


「本当に力を借りてるんだと思うよ?だって……ジョージはすごいからね。」



ミーシャとくじらんは墓石に手を当てる。



「ジョージ……私はお前が生きているうちに一度会ってみたかったよ。魔術と神通力は少し違うが不思議な力を持つもの同士、馬が合ったに違いない。お前と同じ魔術が使えるわけではないが私はこの神通力でお前の代わりにみんなを守ってみせよう。」



チッダールタは話しかけながら墓石に向かってテレパシーを送っているようだ。



「ジョージ、僕は君のことをちゃんとは知らない。でもね、君の仲間たちのことはそれなりに知ってるよ。彼らのサポートは任せてくれたまえ!」


「わたしもおねえちゃんのことおてつだいする!!」



フジモンとくーちゃんは、それぞれくじらんとミーシャの背中に手を優しく置く。



「なあ、もうあれから2年経つんだよな……。まだ俺たちはお前のことを度々思い出すよ。あの時の辛い記憶ばかりが蘇るけど、本当は楽しい思い出もたくさんあったんだよな……。これからはそんな楽しかった時間をたくさん思い出せるようにこの困難をみんなで乗り切ってみせるぞ!今度俺たちがここに来るときは一緒に酒でも飲もうぜ!!」



シンタローは言い終わると立ち上がった。




「さあみんな、戻って作戦会議だ!」


「えっ、もうすぐ朝だけど……一回寝直さない??」



ミーシャは先走るシンタローを冷静に引き止めた。



「そういえば……これから会議をしたらみんな寝不足になるよな。これじゃいつもと立場が逆……昔と同じだな?」


「えっ?どういう意味よ??」




「いや……なんでもない。……じゃあ、昼くらいに集会所に集まるとするか。」


「それで良いのではないかな?……さて、それじゃあみんな、私のそばに集まるんだ。神通力で上まで送ってやろう。」



 チッダールタは服のイルミネーションを真っ白に光らせて、そばにいる人に片っ端から神通力をかけまくった。



「えっ、うわあああっ!?どうして体が浮いてるんだい!?!?」


「ちょっ!頭が下になってるんだけどー!!」



 身をもってチッダールタの神通力を体感しているフジモンは悲鳴を上げて、ミーシャはもういつも通りのテンションで文句を垂れている。



「フジモン、これはすぐに慣れるよ。まあ……俺たちはスリル満点のジェットコースターも体験してるしね。」


「いや!ジェットコースターだけは勘弁してくれ!俺はあんなの御免だからな!!」



本当にあれは……二度と体験したくないな……。



「俺は何度でもやりたいぞ?よしだくんはビビりだな??」


「い、いや!お前の三半規管がおかしいだけだ!!」


「おじいちゃん?これ、どうやってみんなを浮かせてるの?」


「まあそうだな……自分の存在を自分で認識させなくするイメージで飛び上がるとでも言えばいいのかな?」




「うーん……よくわからないよ……。」


「安心してくーちゃん、このおじいちゃんの言うことは誰にも理解出来ないのよ?」



 みんな地上まで浮遊しながらいつも通りに雑談をしていた。

もうジョージのことで悲しんでいるムードはない。





「うっ、眩しい……。」



地上に出た瞬間、目が眩んだ。



「崖の上に行けば綺麗な朝日が見れそうだ……。」


「良いことを言うなよしだくん。じゃあみんなで上まで行くとしようか?」



俺の独り言はチッダールタに拾われて、さらに彼はみんなを高いところまで浮遊させた。




「わあ……綺麗ね。」


「眩しい朝日だ。これから寝るなんて何か不思議だね……。」





「モガフグッー!?」


「あっ……ヤムチャも浮かされてたんだね、って聞こえてないか。」





「絶対に襲撃を乗り切ってやる……!」


「シンタロー……すごい気持ちの入りようだな。でも、考えてることは俺も同じだ。」




「みんな朝日は堪能したかな?それじゃあ、下に降りるから神通力を解除するぞ?……はっ!」




ん、待て待て??




「えっ??」


「それって……。」


「落ちるー!?!?」


「うわあーーー!?!?」


「きゃあーっ!!!」


「助けてくれーー!!」



自由落下させられた俺たちは地面に叩きつけられようとしていた。



「……なんてな、ギリギリで止めるドッキリだったんだ。驚かせたなら済まないな。」




ドシーン!!!


地上スレスレで浮かされた俺たちのそばで何かが地面に叩きつけられた音がした。




「ちょっとチッダールタ!!悪ふざけが過ぎるじゃない!!」


「全くだ!!心臓マヒで死んだらどうするつもりなんだい!!」


「おじいちゃん……ビックリしたよう……!」


「て言うか……誰か地面に落ちてるんだけど……!?」



くじらんにそう言われてみんな彼の視線の先を追う。




「ギュフガゴォゥ……!?!?」



考えられる限りの最大限に拘束を受けたヤムチャが頭から血を流して倒れていた。



「おっと、ヤムチャも浮いていたのか……。一人だけ神通力をかけ忘れていたぞ。まあ、彼ならあれくらいかすり傷だろう?」



そう言いながらチッダールタは神通力を再び解除してみんなを地面に下ろした。




「まあ……ヤムチャだけならよしとするわ!……さて、じゃあみんな帰りましょ?」


「そうだね、俺は見たいアニメが溜まってるんだ。」


「いや、アニメ見てないで寝ろよ?」




「……やっぱりダメ?」


「くじらん君、寝不足は健康の敵だよ?」


「まあ……くじらんらしいけどな、今回はダメだ。私も今朝はアニメを見ないで寝るとしよう。」


「チッダールタもアニメを見てるのかい??人の趣味は年によらないなあ……。」



欠伸をしながら歩く俺たちのことを昇りきった太陽が柔らかく照らしている……。





みんな……ここからが勝負だぞ、頑張ろうな!!

 どうにかこうにかみんな仲直りできたようです。

険悪なムードの100エーカーの森の住人なんてらしくないですからね!


 自分が悪いと分かっていてもなかなか謝れずに仲直り出来ないことは人によってありますよね。

どうしても意地を張ったり、言いようのない気まずさがあったり……謝るって結構難しいです。


 気持ちとしては申し訳なさがあるのにそれを伝える手段がない……。

テレパシーでも使えたらいいのに、人間ってめんどくさいですね。



 次回は……あいつが生まれ変わったように別人になって帰ってくる!?の回です。

誰がどうとはここで言いませんけども、期待しないで次回をお待ちください!


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