4-7 エリスおばさん?
ーー前回のあらすじーー
フジモンは憤慨していた。
どうして庶民はここまで愚かなのだろうと。
タイムスリップ?
そんなことが本当に出来るとでも??
タイムマシン?
バカも休み休み言いたまえ!
立て続けに正論をまくし立てていたフジモンであったが、庶民たちの『人を信ずる心』は論破することが不可能であった。
彼は庶民との対話を諦めて一人、世界の片隅でいじけてしまうのだった……。
こうやって庶民をバカにしたような発言をすると、いつぞやのマリーアントワネットさんみたいに革命を起こされて処刑されてしまいます。
読者の皆さんはどんな革命を起こしてみたいですか?
『労働時間は一週間に20時間まで!』とか『朝酒のすゝめ』とかでしょうか?
作者はトランプゲームの大富豪で革命を起こしてみたいです!!
なので誰か私とトランプをしてください……。(切実)
「と、とりあえずはくーちゃんがタイムスリップをしたということで話を進めるかwww次は脅迫状についての話し合いだなww」
議論を進めなきゃという使命感から俺はこう提案したぞwww
「その前に、私たちもちゃんとくーちゃんに自己紹介をしましょうよ。」
「確かにそうだ、ヤムチャのせいでまともに話も出来てないからな!!」
よしだくんは『ヤムチャのせいで』のところだけ三倍の声量で叫ぶww
「じゃあ、俺から……。」
と言うわけで、くじらんから順番にみんな自己紹介をしていったぞww
あ、ヤムチャとスターク以外、なwww
「……えーと、ミーシャお姉ちゃんにくじらんお兄ちゃん、よしだくんにシンタローにーちゃん、エリスおばさんにスターク、ヘンタイヤムチャにフジモンおじちゃん、それで、仙人おじいちゃんだね!うん、覚えたよ!!」
「お、おばさん……!?!?!?」
「お、おじちゃんか……やれやれ……。」
「仙人おじいちゃんか。……仙人かおじいちゃんかどちらかにしてくれないか……?」
エリスはあまりの衝撃に硬直してるみたいだなw
ミーシャと歳が一つしか違わないのに……この差はちょっと理不尽www
で、フジモンはそっぽを向いたまま困ったような顔をしてて、仙人はいつもと変わらないシワシワの顔でそんなことを言う。
「……はっ!?!?ちょ、ちょっとくーちゃん??」
エリスは引きつる笑顔を浮かべてくーちゃんに優しく話しかける。
あれは……怒りを必死にこらえてるなwww
「うん?どうしたのおばさん??」
「お、おば……あ、あのね?ミーシャと私は歳が一つしか違わないの……!だ、だから私もお姉ちゃんって呼んで欲しいなー……なんて。」
もう一回おばさんって言われた時にエリスのメンタルがゴリッ!って削られた音がしたぞwww
多分みんなにも聞こえたと思うwwwwww
「んーー……でもエリスおねえちゃんって呼ぶのは何かヘンな感じがするし……。やっぱりエリスおばさんはおばさんかなー?」
「ぐっ!!!!……あぁ。」
俺にはくーちゃんの言葉がエリスの心臓に突き刺さるのが見えたぞww
エリスはそのまま燃え尽きた灰みたいに体中が真っ白になって動かなくなっちゃったwwwwww
「確かに俺からしてもミーシャはお姉ちゃんみたいなものだが、エリスはお姉ちゃんと言うよりもお姉さんって感じだし、くーちゃんと同じくらいの年の子ならもっと年上に見えるだろうな。」
よしだくんにもきっぱりと言われてるしww
それに反応してみんな頷いてるのもマジでウケる、もちろんタッキーもだぞwww
「もう全会一致なんだしいいじゃない!!ね??『お・ば・さ・ん???』」
ミーシャはざまあみろという表情でエリスを見る。
「…………。」
まあ、エリスはもはや反応する気力もなく、目を開けて気絶してるみたいだけどなww
ミーシャも死体蹴りはよせってwwww
「じゃあそろそろ話し合いを始めるとしよう。まずは脅迫状の第一発見者、キヌタニから軽く当時の状況を説明してもらうか。」
「……えっ?そういえばキヌタニって、ここに来てなくない?」
ミーシャがそう言う……そう言われればあいつはどこにいるんだ?
よしだくん、もしかして連れてくるのを忘れたな?www
「いや、確かに連れてきたはずだが……あ、あそこだ。」
よしだくんが指差す方向には……。
相変わらず服を着せてもらえていない、首をトイレのドアノブと鎖で繋がれた哀れなキヌタニがしゃがみこんでいたwwwww
もうマジでウケる以外の言葉が出てこねえよwwwwww
「うえっ!?き、キヌタニ!?!?あんたいつからそこにいたのよ!てかどういう格好……!?」
ミーシャはドン引きした様子でキヌタニに聞く。
「おねえちゃん?あれは……なあに?」
そんなミーシャを見てくーちゃんは好奇心に満ちた目で尋ねる。
「あ、あれはね……キヌタニって言うんだけど……。」
「ふーん、そうなんだー!」
それだけ言うとくーちゃんはミーシャの膝から降りてキヌタニに近づいた。
「えっ……僕に、何か用……?」
「キヌタニ、おかわり!!!」
くーちゃんは笑顔でキヌタニに手を差し出した。
え????
これは……どういう状況なんだ???wwww
「お、おかわり……?」
キヌタニは表情のこもってない目で俺たちの方を見る。
「うん!キヌタニ、おかわり!!!!」
くーちゃんは笑顔のまま、まだ手を差し出し続けている。
そして俺の横では、困惑した表情のよしだくんとくじらんがキヌタニに向かって首を縦に振る肯定の合図を送っているぞww
「……わん。」
キヌタニは自分の右手をくーちゃんの手の上にポンと乗せた。
「あははは!おねえちゃん、このキヌタニって生き物おもしろいね!!キヌタニ、おて!!!」
「……わん。」
え、キヌタニって……もしかしなくても人間だと思われてない?wwww
まあ、全裸で鎖に繋がれてたらペットに見えちゃうのかも??wwwww
あまりのことにみんな口を開けたまんま硬直してるけどさすがに仕方ないよなww
「あの、その、えっと……そ、そ、そうね、面白いわね……。ね、ねえ、くーちゃん??こ、これから大事な話し合いがあるから、一旦私のところに戻ってきてね??」
ミーシャは目を白黒させながらくーちゃんにそう言う。
「うん?わかったー!じゃあキヌタニ、後でねー!」
「……わん。……ぐすっ。」
キヌタニはかなり年下の女の子に素でペット扱いされたのがさすがにショックだったのか、静かに部屋の隅っこで泣いているwww
これは単純な疑問なんだけどさ……『わん』って言う必要はあったのか??www
「えっと……き、気を取り直してだな……落ち込んでそうなところ悪いがキヌタニ、脅迫状を見つけた時のことを話してくれるか?」
よしだくんも動揺が収まらない中で話し合いを頑張って進めようとするww
「ぐすっ……うっ……話すことなんて……昨日の夜、店を閉めようとしたら……アイス売り場の前に、この封筒が落ちてたことくらいだよ……。」
キヌタニは涙を流して俯いたまま、ボソボソと負け犬のように喋っている……いや、犬だって言いたい訳じゃないぞ!wwww
「ん?駄菓子屋の中に落ちてただと!?さっきは駄菓子屋の前って言っていたような気がするが……じゃあこれを置いていった犯人は駄菓子屋の中に入ったってことじゃないか!?」
た、確かにそうだな!!
それって完全に内部犯じゃね!?www
「あーもう!!て言うか早くっ!その脅迫状の内容を教えなさいよー!」
痺れを切らしたミーシャはキヌタニに向かって怒鳴る。
「えっ……僕も、内容は知らないけど……?」
「いや、お前はさっき脅迫状の中身を読み上げた時、あの場にいただろ……?だが、まあいい。もう一度読み上げるとしよう。
『十一月末日、君たちの住む森を襲撃する。
ヴェルト・マスリニア 戦闘第六部隊隊長
君たちに会う日を楽しみにしているよ。』
だそうだ。」
「……何と言うか、随分雑ね。ただのイタズラな気もするけど?」
「だとして誰がこんなイタズラするんだよwww外部犯だとしたら駄菓子屋に入られてる時点で相当ヤバイし、内部犯だとしてもこんなイタズラするような奴いないだろ??ww」
正直どっちでも怖いんだけど……?ww
ただこの中に裏切り者が居て欲しくはないよなーwww
「それで……この脅迫状は手書きでなく、印刷されたものだから外部から持ち込まれたものだ。と、言う推測になってだな、この縛られている外部の人間である三……おや、四人だったか?が、容疑者に上がっててな。」
「えっ!?ヤムチャってこの森の人間じゃなかったの!?!?」
いやいやwwwちょっとくじらん?wwww
あいつは別の理由で縛られてるんだぜ??www
てか、どうして仙人まで間違えてるの?ww
「まーー、どっちかって言うとこれから森の人間じゃなくなるって方が正解かもねー。」
ミーシャはヤムチャを冷たい目で見る。
こいつ……隙あらばヤムチャをマジでどっかに葬っちゃいそうwww
「むごむごぉー!!!!!」
ヤムチャは必死に何かを訴えようとしているが皆に無視されてるしwwww
こんな状態の奴が発する言葉に耳を傾ける奴なんてまず居ないよなwww
「まあ、とりあえずは容疑者の話を聞かないことには始まらないんだ。まずは三人の主張を聞いて、それからみんなで意見を出し合うことにしないか?」
「うん、俺はそれに賛成だよ。」
「ふむ、それでいいのではないかな。」
「異論なーしwww」
「私もそれでいいわよ。」
取りまとめの役割はいつもヤムチャがやるんだけどあいつは今回、まさかの戦力外だからな……ww
「それじゃあまずはエリス、お前の話を聞こう。」
「………………。」
いやーよしだくん??
エリスは灰になってるから話なんてできる状態じゃないんだけどwww
「あっ、あーーー……エリスは後回しだな。チッダールタ、手間をかけて悪いがあいつの息を吹き返しておいてくれ。」
「分かった、任せておくといい。」
「それじゃあ……とりあえずはフジモン、お前の話から聞くとするかww」
俺がそう言うとフジモンは体をビクッとさせて、こっちに振り向いた。
「僕から何を聞こうって言うんだい?別に僕は脅迫状と何の関係もないんだけどね??」
フジモン、まだ拗ねてるのかよww
いい年した大人がみっともないぞ?wwww
「ちょっと今、思い出したことがあるんだが……フジモンがここに来た時、何か頓珍漢なことを言ってたよな?医者なのに宇宙に行ったとか……。」
よしだくんはフジモンのことを凝視する。
「あっ、そうじゃない!!医者なのに院長がどうこうで宇宙に行ったみたいな……今考えれば意味分かんないわよ!!!」
ミーシャもそう叫んでフジモンの顔を見つめる。
もしかしてフジモン……本当に……www
「ああそうか、あの時は僕も動揺しててかなりいい加減な説明をしてしまったね。今までちゃんと話してこなかったけど、もう二ヶ月以上もここでお世話になっているし、そろそろあの時のことを言ってもいいのかもしれないな……。」
そうして拗ねたままのフジモンはこっちが頼んでもないのに、この森に来るまでのいきさつを詳しく話し始めたぞwwww
『叔父』、『叔母』と漢字に変換出来る意味でならいいのかもしれないですが、そうでないなら『おじさん』『おばさん』呼びは避けた方が良さそうです。
予想外にも相手に大ダメージを与えてしまう恐れがあるので……。
作者は年齢不詳だと言われて時にはアラフォー、時には高校生に間違われることもあります。
正直、どっちでも傷つきます……ショックのあまり、自分の年齢がすぐには思い出せなくなります。
エリスは少し大人っぽく、ミーシャはやや幼い……今までそんなビジュアル設定の下に書いていましたが、読者の皆さんが抱くイメージとは一致していましたか?
どんなイメージを浮かべて読んでもらっても構わないので、そこは好きに想像してみてください。
ヤムチャがロリコンだったのは衝撃的だったと思いますが……。
次回はフジモンの回想が流れます!
興味がない人が多数だと思いますが、朝のサンドイッチを齧る片手間に読んでみてください!