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100エーカーの森の悲劇  作者: カンナビノイド¢39
第4章 悲劇の寸法線
81/162

4-1 雨の降る朝

ーー前章のあらすじーー


 隕石騒動を無事に乗り切った森の住人たちはそれぞれの日常を過ごしていた。


 よしだくんの過去、スタークの本音、フジモンの日記、エリスの本性……。

100エーカーの森の出身ではない彼らの新たな一面も垣間見ることが出来たとある一日は一瞬にして過ぎていくのであった……。


 もう三章のあらすじはなくてもいいかと思いました。

本当におまけのつもりだったので!!!



惰性で過ごしていると休日の一日なんて一瞬で終わってしまいます。


『何か……何かしないと!』と思いながらいつも寝て終わってしまいます。


『ちょっとゲームしてから考えよう』なんてしたら最後、ゲームだけで一日が終わってしまいます。


このままだと人生そのものが何もせずに終わってしまいます。



 さて、読者の皆さんにはそんな休日を過ごして欲しくないので、まずはこの小説を読んでから後のことを考えましょう。


 とりあえず、読んで憂鬱になる気がしますが……きっといい一日になります!!(本当か?)

根拠はありません!!!!

……私たちはあなたを救うことが出来なかった……本当にごめんなさい。




どうしてこうなってしまったの……?




私が……弱かったから?





それなら……私はこれから誰よりも強くなる。




そうじゃないと誰も守れないから……。





あなたとこの機関銃に誓うわ……。









…………。







…………………。







…………………………。







やっぱ夢、か……………………。





窓の外は真っ暗で雨音が家の中まで響いてくる。




 枕元の時計に目をやれば朝の5時10分……。

まだ全然寝た気がしない……。





おはよう……普段ならあと六時間くらいは余裕で寝てるミーシャよ。





 雨の降る明け方はね、いつも夢を見るのよ。

昔の嫌な夢を、ね。



思い出したくないのにこの夢を見るとあの時の記憶が甦ってしまう……。





本当は二度寝をしたいところなんだけど、この夢を見るとどうしてももう寝付けなくて……。





 今頃はきっとみんな目が覚めて同じ気持ちでいるはずよ。

あとどれくらいこの夢を見続けるんだろう……。







ん?ちょっと待って!!




玄関の向こうから何かの気配がする!!




機関銃を構えてベッドから降り、ゆっくりと玄関のドアに近づく。




何だろう……?



人間っぽくなさそうな気配だけど。





私はいつでも発砲出来る状態で、思い切って勢いよく玄関のドアを蹴って開けた。







……あら?






暗いからはっきりとは見えないけど、これって……馬、かしら?



テレビでしか見たことがないから本当にそうかは分からないけど……。




 毛づやがとても良くて肌は暗い中でもしっかりと透き通って見えるほどに真っ白、あたかも天国からの使いなんじゃないかと思えるくらいの美しい馬だわ……。





「あなたとても綺麗ね!一体どこから来たの?」




その馬は私の問いには答えてくれず、じっと私の目を見ていた。






そうやってこの馬を見ていると、私はあることに気がついた。



 腰の辺りにポーチらしきものがいくつかくっ付いていたの。

中身を確認してみたら果物や服みたいなものがたくさん入ってたわ。



それに、よく見たら小さめの鞍と手綱も装着されていた。




「もしかしてあなたには飼い主がいるの?」




そう言うとその馬は背を向けて、私を見ると顎をしゃくった。




『乗れ。』



……そう訴えられている。



本能的に感じ取ったわ。





「……分かった。ちょっとだけ待っててね?」




 私は一度家の中に戻って着替えをし、懐中電灯と水や救急箱が入った非常用のバッグ、それから機関銃だけを持って、一応みんなに自分の不在を知らせる貼り紙を入り口のドアにしてからその馬の背中に跨った。



 傘は……要らないわ。

ちょっと寒いけどこのくらい何てことない。


もし野生動物が襲ってきたら戦う邪魔だもの。





「準備は出来たわよ、いつでも出発してちょうだい。」




そう言うと馬は私を乗せ、西の方へと走り出して森の外へと飛び出した。




 これから向かう先には何が待っているんだろうとワクワクしている気持ちが半分、一体どこへ連れて行かれるんだろうと不安な気持ちが半分ってところね。






こうして私は太陽が顔を出さないうちに100エーカーの森から抜け出した……。

そんなわけで四章の開幕です!


 ……まあ区切りの関係で過去一の短さとなってしまいましたが、今回はほとんどオープニングみたいなものだと思ってください(白目)。


 馬に乗ったミーシャは一体どこへと向かうのか??

それは次回……ではなく、分かるのはしばらく先になりそうです……。




次回は満を持してあの人物がナレーションをしてくれます!!!


それはもちろん、そこでこの小説を読んでくれているあなた!


……ではないのでご安心を!!

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