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100エーカーの森の悲劇  作者: カンナビノイド¢39
第3章 闇鍋注意報!!!!
78/162

3-8 ひとりごと

ーー前回のあらすじーー


 駄菓子屋ではどういうわけか日本円で商品を売っていた。

そして昔はちゃんとそれでも取引が成立していたとか……。


そんな疑問もキヌタニの名前も、モンブランの前ではフジモンにとって些細なことであったようだ。


 フジモンは諦めずに食習慣の改善をすべくぼたん鍋を自ら作ろうとしたが、ヤムチャとよしだくんに却下されてしまった。


肉しか入ってない鍋……それに心躍るようでは彼もきっと生活習慣病待ったなしであろう……。



 でも『肉』と聞くとお腹が減るのはみんな同じでしょう。

作者は見栄えがいいからと一人暮らしなのに真空パック詰めの1kg鶏むね肉を買ってますw


 読者の皆さんも肉塊(意味深)を見るとウキウキしませんか?

美味しそうだからと言って生で食べるのはやめましょう。


 正直生肉ってそこまで美味しいものでもないです。

それをやるくらいなら生魚を食べていた方がよっぽどお得ですから。



今日はそんな肉も魚も食べられないエリスのお話です!

んーー……おはよー……。





私はこの森の悲劇のマドンナ、エリスよぉー……。





はぁ……どうして私がこんな目に遭っているのかしら……?






あのキヌカス……ここを出たら酷い目に遭わせてやるんだから……!!!







もう洞窟に幽閉されて何も食べずに一週間、口にできるのは洞窟の奥を流れるとても冷たい水だけ。




洞窟の中は結構涼しくて外の光も届かない……お日様の光ってどんなものだっけ?




ランプの明かりはあるけど、それだけじゃ薄暗くて肌寒いの。




鎖で体を拘束されているから洞窟の中だって自由に動き回れない。




柱時計はそばにあるけど午前なのか午後なのかは分からないから昼なのか夜なのかもさっぱりよ。




 ほとんどの時間は周りに誰もいないし、たまに私を訪ねてくるのは私に水を飲ませに来てトイレに連れていくド変態仙人のチッダールタだけ。



 会う度に毎回、私に巻かれた鎖を外してやるから恥ずかしい格好をしないかと持ちかけてくるし最悪よ!!

本当にどこからあれだけたくさんの衣装を持ってく……って、駄菓子屋以外にないか。





「あーもう!お腹一杯アイスが食べたいー!!お日様の光が浴びたいー!!!地面じゃなくてふかふかのベッドで寝たいー!!!!あの変態おじいちゃんのセクハラから解放されたいーっ!!!!!……はぁ。」




いけないいけない、ちょっと叫んだだけで疲れちゃうから大人しくしてないと……。







 ここに閉じ込められてからは体を動かすことも出来なかったから、いつもは全く使わない脳ミソを働かしていたわ。



そう、ちょくちょく考え事をしていたのよ。




例えばここに来る前のこととかさ……。







 本来なら私は大学に通っていて、学校では女王様みたいなものだったわ。

家がお金持ちだからそれに物を言わせてスクールカーストの頂点に立ってやったの。



 一目見て気に食わない弱そうな男は片っ端からみんな下僕として従わせた。

パシリ、サンドバッグ、試験の替え玉……何でもありね。


自分で言っちゃうとあれだけど、奴隷と言うよりもはやゴミのような扱いをしていたわ。



私はそんな従順……かは微妙だったけど奴隷たちのお陰で何の不自由もない大学生活を送っていた。





……そう、あの日まではね……。




その日はいつものようにコンビニで万引きをしていたの。



いや私はやってないから万引きをさせたと言うべきかしら。



 カツアゲや盗みを下僕たちにやらせることなんて生活の一部みたいなものだったわ。

別に下僕の万引き自体が誰かにバレたとかそういう訳じゃない、でもね………。




 あの無能……私の大嫌いなセンブリアイスを買ってきた……いや、盗んできたのよ!!

もちろん私はそいつをサンドバッグにしながら別のアイスに取り替えてこいって命令したわ。




 そしたらあいつ……あろうことか警察に自首して、今までの私の悪事も全部バラしに行ったらしいのよ!!

すぐに警察が何人も来て私を捕まえようとしたわ!!



 大慌てで下僕の一人からバイクの鍵をひったくり、そのバイクに飛び乗って警察から逃げようとしたの。



 でもあいつらはパトカーでしつこく追ってきた!!

警察のパトカーを取り囲んでおいてってとっさに命令したはずなのに本当に使えない奴ら!!!




 バイクの免許なんて持ってなかったし慣れない運転だったけど、上手いこと細い路地とかを通って逃げることで何とか捕まらないように走り回って街を抜け、相当な山奥の村まで逃げ延びたってわけ。




 もう大丈夫だろうと思ったのにほっと一息ついた瞬間、またパトカーのサイレンが聞こえたのよ……。



すごく怖かった……私はとっさに人気が一切無さそうな登山道に飛び込んでひたすらに走ったわ。





 どれだけ走ったかなんて分からない。

捕まりたくなかったからとにかく逃げた、意識が無くなるまで逃げた……。





気がついたら……この森の入り口に辿り着いていたの。







 ……いつもと同じように大学で好き放題やる日々が続くと思ってたのに、どうしてこうなっちゃったのかしら……。



私は……何か間違ったことをしていたの?




いや、そんなはずない!




だってずっとみんな私に従っていたのに!




そもそもあんな奴らをゴミ扱いして何が悪いわけ?




むしろ私に目をつけられて生かしておいてもらえるだけ感謝して欲しいくらいなのに!!




サンドバッグやパシリになるだけでいいんだからめちゃくちゃ良心的じゃない!!!






……そうよ、警察にチクったあいつ、キヌタニみたいに仕事が出来なくて生意気な奴だった!!




キヌタニなんてもし大学で一目見たら条件反射でパシるところなのに全然私の言うこと聞かないし!




そんなことが許されるわけないじゃない!!




……ムカつくのよ、あんな奴なのに私に従わないなんて!




絶対に死ぬより痛い目見せてやるんだから!!








 はぁ……考えるだけでイライラしてきたからもうこのことは忘れよ。

もっとポジティブシンキングで行かないとね!!





 こんなことになっちゃったけど、良かったことを挙げるならば……私の運命の人を見つけられたことよね!



 初めて彼のことを見た時に……一目惚れなんてありえないってずっと思ってきたけど……今なら信じられる。




スターク……この前は酷い目に遭っちゃったみたいだけど無事に生きててよかったわ。



今は……何をしてるのかしら?





あの気持ち悪いド変態仙人以外の顔をしばらく見てないから余計に会いたい、恋しいと感じるの。



彼のことを思い出すだけで体が熱くなって心臓が口から飛び出しそうになっちゃう!!



 会う度に暴言を吐かれて暴力を振るわれるけど、それは愛情の照れ隠しよね?

こんな目に遭ってるのも、きっとスタークに寄り添って人生を歩むためなのよ!





そう、これは試練なんだわ!!



 私がスタークの隣で生きていくのにふさわしい人間なのか神様が試してるのね!!!

よーし!!スタークのためなら何年だって幽閉に耐えてやるんだから!!






「起きていたのかエリス。どうだ、そろそろ水が飲みたい頃だろう?そうそう、今日はハイレグの水着を用意したんだが着てみないか??」



「はぁ!?そんなもの着るわけないでしょ!ほんっと、毎回毎回良く懲りないわね!?」





……前言撤回よ。






 こんな変態おじいちゃんのセクハラなんてもう御免だわ!!

早くここから出してーーー!?!?!?






            ーーScene4  エリスの虚無な日々ーー

                               END

……と言う短い文章にエリスのおバカさと気持ち悪さが濃縮された回でした。


 本当にあんなスタークのどこがいいんでしょうかね???

作者には到底理解できません……。


 スクールカーストって大学にも存在するのでしょうか?

作者はあまりこの言葉にピンと来ません。


 下僕にされたら万引きまでさせられるなんて……。

大学って恐ろしい所ですね!!


カーストなんて頂点に居ようと落とされる可能性もあるし、そんな枠組みにはいない方が一番です。



 さて、短いですが三章は次回で最後です。

森の住人たちが開くぼたん鍋パーティーにぜひご参加くださいm(__)m


 読者の皆さんもちゃんと次回までに猪肉を用意しておきましょう。

でないと、鍋に放り込まれるのは皆さんかもしれません……。

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