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100エーカーの森の悲劇  作者: カンナビノイド¢39
第3章 闇鍋注意報!!!!
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0-3 手料理

ーー前回のあらすじーー


 ヤムチャによる入国審査を突破(?)したよしだくんは送電塔の修繕を始めた……それも、ごく自然にヤムチャを巻き込んで。


 機械のこととなると彼はやる気を出し過ぎるらしく、ヤムチャですら疲労困憊になる作業も何のその。

作業が終わり、ヤムチャはよしだくんをどこかに連れて行こうとしたのであった。


 ちなみによしだくんが入国審査を突破できなかった場合、ヤムチャは彼を野生動物の餌にしようとしていたことが判明し、改めて100エーカーの森の住人たちの恐ろしさが分かる回でもあった。



 昔から動物を使った処刑方法もありますからね。

蛇とか虫とか……人間とは残酷です。


そんなことに使われる生き物たちの気持ちにもなって欲しいものですよ!!



 読者の皆さんは虫を見たらすぐに殺しちゃう方ですか?

それとも虫かごに入れて飼いますか?


今回の話で特に虫は出てこないので本編行きましょう。(何で聞いた?)

彼の後ろを歩いて、たどり着いた場所は平屋の一軒家よりはちょっと狭そうな建物だった。



「まあ遠慮せずに入れや。おーい、ミーシャ!ちょっと手止めてこっちに来てくれ。」



俺は彼に続いてその建物の中へと入った。


ここが集会所だと知ったのは一週間くらい後だったか?




「もー、料理中なんだけど……?って、誰なのその子?もしかして……ヤムチャの隠し子とか?」


「いやいや、年齢差おかしいだろ!つか、相手誰だよ!!」




これがミーシャとの初対面……年齢的には同級生?年下かな?って最初は思った。




「どうもはじめまして……僕はヨシダって言います。今朝この村に来ました。」





「うん、えーと……?どうしてここに来たの??」



彼女は突然の訪問者にビックリしたのか、俺のことを見たままポカーンとしていた。




「ここには、ポケベルを使えるようにするために来たんです。」




「ぽけべるぅ……??ああ、あれね!ゲームが遊べるやつでしょ?」


「えっ……違います。お互いにメッセージを送り合える機械のことです。」



「ああ……何か聞いたことあるような無いような……。んーー……でも何でそんなことするの?」



ミーシャはまだ驚きが消えないみたいだった。


そこで俺は……思い切ってこう告げてみたんだ。





「それは……ここに住まわせて欲しいからです!!」



「なっ!?さ、さっきはそんなこと言ってなかったじゃねえか!!どういうことだ!?」



彼は俺のことをグッと睨んだ。




「ぼ、僕には居場所がないんです……。」



 この時に見たヤムチャの顔もすごく怖かった、今でもたまに夢で出てくるほどにな。

でも、恐怖なんて気にすることなく不思議と言葉がこぼれてきたんだ。




「僕は……元いた研究所から逃げてきました。育ての親にこの近くまで連れてきてもらったんです。大人になったら迎えに来るからって……。」



「育ての親ねえ……おい、そりゃ一体何者なんだ?」



そこまで言うと彼は少しだけ顔が優しくなったが、まだ俺のことを疑っているようだった。



「その研究所の研究員です。研究内容は詳しく知りませんが……、子供の僕を研究に参加させることが出来るほどには偉い立場の人らしいです。」



「ふん……100%信じるわけじゃねえが、疑ってかかるにも早いな。晩飯はいつもこの森にいる全員で食べるんだ……正確には一人来ないんだが。その時にあと二人、ここに来る。そしたらまた自己紹介してもらうぞ、じゃあ俺は二人を呼んで来るからな。」


「そうよ、こんな優しそうな子が悪さするようには見えないもん!」




「えっと……二人だけですか?今、森にいる全員って……。」


「ああ、今は全員合わせて五人だ。一人は引きこもりでな……ここには来ねえんだ。」




これを聞いた時はすごく衝撃的だったな……まさか人口五人の村があるなんて信じられなかったよ。



「まあ、とりあえずそこらへんの椅子に座って適当に休憩してろや。俺がいない間に下手な真似をしたらそこにいるミーシャがボコボコにするからな。こいつは怒らすと怖いんだぞ!!」



それだけ言い残すと彼はここから出ていった。





「ヤムチャはあんなこと言ったけど、私は全然君のことを信用してるからね!リラックスしてくれていいわよ。」


「あっ、はい、あ、ありがとうございます。」




 この頃のミーシャはとても優しくて普通の女の子だった。

本当のお姉ちゃんのようで、俺にも良くしてくれたさ。

……年上だったとは知らなかったけどな。



まだ彼女も14歳だったし、今思えばあどけなさも残っていた。






あ、そうそうこの頃はまだ機関銃も身に付けてなかったな!!









「んじゃあ、改めて自己紹介を頼む。」



集会所にこの村の住人たちが集まった。




 一人は眼帯をし、腕に包帯を巻いてマントを羽織ったヤバそうな奴。

もう一人は小柄でガリガリに痩せ、いかにも気の弱そうな男だった。




「はじめまして、ヨシダといいます。これからお世話になりm……、」


「ハーッハッハ!!!ようこそ、混沌が渦巻き絶望が大地から噴き出すこの魔境へ……我が名はシンタロー!貴様の案内人として遣わされた!!」




「えっ??ど、どうも……。」






 シンタローはこの頃、完全に中二病をこじらせていた。

まあ、まだ15歳だったし許されたんじゃないのか?




「もうシンタロー、本当に変なの!!あ、私はミーシャっていうのよ!困ったことがあったら私のことを頼ってね!!」


「は、はい!ありがとうございます。」




「そうか、まだ俺もちゃんと自己紹介してなかったな。俺がこの森のリーダー、ヤムチャだ。今日からしばらくの間、お前がこの森で住むのにふさわしいのかどうかを見極めさせてもらうぞ。だから24時間、お前の行動は監視させてもらうぜ?」


「あっ、えっと……は、はい。」




「ほら、キヌタニもちゃんと自己紹介しないと!!」




「ひっ……!?ぼ、ぼぼ、僕も……?あっ、えっと、そ、その……ぼ、僕の……な、名前は……きき、キヌタニ……です……。」



「すまんな、キヌタニはすごく怖がりかつ、人見知りでな。まあ、そのうちお前にも慣れるだろうからたまには話しかけてやれ。」



「はい、よ、よろしくお願いします。」




 キヌタニは今とあまり変わってない、けどもさらにコミュ障まで入っていてどうしようもない状態だったな。






「さて、じゃあ飯にしようや。ほら、ヨシダも遠慮はするな。毒なんて混ぜてねえからどんどん食え?……毒みたいな味はするかもしれねえけどよ。」




もうこの時点でヤムチャからも威圧するようなオーラは感じられなかった。



もしかしたらちゃんと俺に食事を摂らせるためにわざと消していただけなのかもしれないが……。




「我も食うぞ!!ムシャムシャ……うぇーー!!今日も不快な味である!!こ、これはサキュバスの餌か!?」



シンタローは真っ先に料理にがっついて、そして顔を歪めた。



「そ、それじゃあ……僕もいただきます。」



 俺はシンタローの反応を見てすごく不安になりながら、食卓に並んでいたピーマンの肉詰めを一個、箸で掴んで口に入れた。




 このピーマンの肉詰めの味を俺は生涯、絶対に忘れることはないだろう。

火の通りが甘くシャキシャキとした食感のピーマン。

そして顔に近づけるだけでむせそうなほど大量の胡椒が入った中のハンバーグ……。





 博士は料理なんてしている暇もないくらい忙しい人だった。

だから俺はスーパーマーケットで買ったお弁当を毎日一人で食べていた。




「うぐっ……ううっ……。」



 ミーシャの料理はすごく温かくて、甘いとか苦いとかではとても表現できないようなすごく優しい味がした。

それを食べた俺は……涙を抑えることなんてできなかった。




「おいおい!ど、どうしたんだ!?き、今日の料理はいつもより一段と不味いのか??む、無理すんな!吐き出していいんだぞ!?」



ヤムチャは俺が泣いてるのがミーシャの料理が不味いせいだと思ったのか俺の背中をさすった。



「おいしいっ……ぐすっ……、とても……おいしいよぉ……!!」



「なっ!?よ、ヨシダ!?み、ミーシャの料理が旨いとは……?貴様、悪魔に取り憑かれたのか!?い、今すぐに我の呪文で……!」



シンタローも驚いたのか左手を前に突き出して呪文を唱え始めた。



「ちょっと、二人ともっ!どうして私の料理が不味いってことになってるの!?!?」



ミーシャは立ち上がって頬を膨らませる。



「とても……ヒック……おいしい、です……。みんなで……こうやって、ご飯……ううっ……食べたこと……なかったから……。」



俺は彼らに構うことなくピーマンの肉詰めを次々と口に放り込んでいった。




「そ、そんなに美味しいんだ……。そっか……よーしよし、いいのよ。好きなだけ食べて好きなだけ泣いてね。」



 ミーシャはちょっとだけ複雑な顔をしていたが俺に近寄って優しく頭を撫でてくれた。

とてもとても、暖かい手だった。



「うっ……モグモグ……ぐずっ……ムシャムシャ……。」












結局、俺はミーシャの料理をたった一人でほとんど平らげてしまった。



「す、すみませんでした。取り乱した上に皆さんのご飯まで全部食べちゃって……。」


「いいのいいの!!こんなに美味しいって言って食べてくれるんだもん、私の方がお礼を言いたいくらい!!」




「さ、サキュバスの餌を全て平らげたとは……!?き、貴様!タダ者ではないな!?ま、まさか我に対抗すべくサタンに召喚された魔物か!?お、おのれ……我が粛清してやる!!」



 シンタローは包帯の巻かれた右腕に力を込めた。

きっと神通力か何かを使うつもりだった……のだと思う。




「……シンタローはいつもこんな調子だ、気にすんな。それでだ、ミーシャの料理の出来はともかくとしてな……腹一杯食ったようで安心したぞ。……んじゃあ、そろそろ解散とするか。ヨシダは俺に付いてこい、俺の家に泊まるんだ。」



「はい。それでは皆さん、おやすみなさい。」



俺はみんなに向かって頭を下げた。



「うん、また明日ね!!」



「ま、待て逃げるんじゃない!魔物は我が懲らしめてやらなければ!!」




大慌てで俺を引き留めようとするシンタローを無視して俺たちは集会所を後にした。

 ピーマンの肉詰めなのにシャキシャキしてたら嫌ですよね……。

もちろん胡椒が大量に入っているのも……。


 もうお分かりかと思いますがこの時のミーシャは料理がド下手くそでした。

作者はバカ舌ですが肉に火が通ってないのは勘弁ですね。

正直ピーマンが生くらいだったら気にせず食べると思います()



シンタローみたいに、この年くらいになると色々拗らせる子って多いですよね!!


 刃物振り回したり、か〇はめ波打とうとしたり、

それから……変な小説書こうとしたり……(白目)。


この小説?いやいや、ナンノハナシデスカ??


 二十歳過ぎても拗らせてたらヤバいどころの騒ぎではありません。

だからこの小説をそんな目で見ないでっ!!!

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