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100エーカーの森の悲劇  作者: カンナビノイド¢39
第2章 名医、隕石になるってよ
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2-23 もしかして私たち……!?

ーー前回のキヌタニーー


 どうして……僕はこんな目に。

何も悪いことなんてしていないのに。


 一度は僕を見捨てたヤムチャが、すぐに戻って来て僕を洞窟から連れ出した。

そして通話先のミーシャは僕がもう一人いるとか……訳が分からなかった。


 でも駄菓子屋に戻ったら本当に僕がもう一人いて……ミーシャは僕が二人に分裂したとか言ってたけど善と悪に分かれたなら僕が善の方に決まってるじゃないか……。


 意識を取り戻したもう一人の僕は別の時代から来たって……驚いて気を失っちゃった。

後で遠くない未来にみんなが死んじゃうとか言ってたみたいだけど、そんなの嘘に決まってるよ。


だってこの僕はそんな話、聞いたことないもん……。



 未来のことだから知らなくて当たり前なのですが、キヌタニはそれを理解出来ないのでしょう。

これが駄菓子屋の店主、キヌタニの限界です。


 キヌタニに限界突破をさせようと思ったら、読者の皆さんはどんな訓練をさせますか?

フルマラソン?富士山の弾丸登山??


 そんなことをしたら絶対に死にますよ??

最初はマラソンなら1km、登山なら東京の高尾山……それも登りやすいルートじゃないと彼は過労で力尽きてしまいます。


 それなのによく数々の拷問に耐えてこれたな……。

と思ったそこのあなた!


余計なことに気づいてしまったので、まずは鞭打ち100回を済ませてから本編に進んでください!!

そして集会所にお菓子と酒を置いてから俺達は手術をしていた三人の元に戻ってきた。




 集会所は窓ガラスにヒビが入っていたが今回受けた被害はそんなもので、料理するにも歓迎会を開くのにも支障はなさそうで良かったぞ!



 まあ、今に始まったことじゃねえけど、俺たちの知らないうちにどんどん集会所がボロボロになってるのは気のせいだろ。




「おう、お疲れさん。どうだ、スタークは生き返ったか?」


「まーーーあんな状態じゃさすがに無理でしょうけど。」





俺たちはスタークの遺体に目を向けて手を合わせる。



……おいこの遺体、手足が繋がってるどころか腹が動いてねえか?





「ふっ、この僕、名医フジモンにかかればこの程度余裕さ!!」




「途中で『もうこれは助からないかもしれないっ……!』って言ってたのはどこの誰だっけー?」


「く、くじらん君!?それは言わないでくれたまえ!!」



マジかよ……。


微塵にも信じてなかったが、どうやら本当に助けちまったみてえだな……。



いくら何でもあの状態から助けたっつーのは……さすがに名医認定しなくちゃならねえよ。




「それで……彼を安静に寝かせておく場所が必要なんだが……どこかいい所はあるかな?」



フジモンがそう聞いてくる。


だが、誰もその質問に対して答えることができねえ。



いい場所なんてねえよ、もうみんなの住む家が足りなくて困ってるとかそういうレベルだ!!



「そうだな……敢えて言うなら……。」



俺は苦し紛れに答えた。









「こいつには住む家がねえ!そしてこの森で唯一誰も住んでねえ建物、それはこの廃寺だ!どうだ?ちょっと埃っぽくて窓がねえから換気は良くねえだろうが、蝋燭に火を灯せばちょうどいい明るさで静かだし、療養するにはもってこいだろ?」



スタークは薄暗い中、ボロボロの地面に敷かれたござの上に仰向けで寝かされている。



 実際それなりにボロい建物だが石造りで見た目よりも丈夫らしく、ポッドの落下地点から少し離れてることもあってびくともしてねえ。



「うーん、ここはちょっと不衛生だしさすがにござはなあ……せめて布団があってゆっくり体を休められそうな場所はないのかい?」



「んなこと言われたってよ、こいつもくじらんもエリスって奴も今は自分の家がねえんだ。屋根があるだけでもありがたいんだぜ??」



 全くよ、無茶を言わないでくれ!!

俺は『ありがたい』の部分だけ五倍の声量でフジモンにアピールする。



「そ、そうなのかい……?な、なら仕方ないのか……まあ後は安静にしてれば手足の機能も完全に回復するはずだし、環境が悪いのは僕が治療の腕で補うとしよう!」



「こいつは図太いから後はどうにでもなると思うぞ。じゃあ用が済んだなら集会所に行くとしようや、ミーシャたちが先に行って晩飯の準備をしてくれているからな。」



他の三人には歓迎会の準備を頼んでいたから、ここには俺とフジモンしか来てなかったんだ。



「本当かい!?それは楽しみだな!早く行くとしよう!!」



 フジモンは廃寺を出て、俺より前を歩いて集会所とは逆方向に歩き出す。

来たことねえ場所でよく道が分かるもんだぜ、いや分かってねえんだけど。




「おいおい、集会所は反対側d……」


「ねえ、あっちに……誰か怪我人が居ないかい?」



フジモンは北側(駄菓子屋や洞窟の方向)を指差して言う。



 は?そんな奴がこれ以上居てたまるか!

働きすぎで患者の幻覚でも見えるってか?



そりゃ職業病だぞ、おい……。



俺もフジモンと同じ方向を見て誰もいないことを確認する。






……いや、すまねえフジモン、ありゃ幻覚じゃねえな。






「ご主人様!!後少しで治療が受けられますよ!!頑張って私たちに掴まって歩いてください!!」


「そうですよ、ご主人様!!もうすぐ楽になれますよ!!!」



「いや楽になれるってどういう意味?て言うか、掴まれって言う割にはむしろ二人とも私に体重かけて歩いてるよね。」



 ハート柄のパジャマを着た老人がその両側にいるメイドと執事の肩をかばいながらヨロヨロと歩いていやがる……。


奴らが誰なのか、もう説明は要らねえだろう。




「か、彼らは一体……?一人はシンタロー君だよね……?」


「ああ、残りの二人はエリスとチッダールタって奴だな。簡単に紹介するとド変態とド変態だ。」




別にこの説明でいいよな、何も間違っちゃいねえしよ。



「う……うん?って、三人とも頭から血を流していないか!?こ、これは早く治療をしないと!!頭部の外傷は致命的な後遺症をもたらすかもしれない!!」



俺たちは小走りで三人の方へ近づいた。





「君達!一体どうしたんだい!?今すぐ手当てをするから早く横になりたまえ!」


「えっ??ちょっと!?誰よ、このデブメガネ!」


「で、デブメガネ……!?シンタロー君!?もう僕のことを忘れてしまったのかい!?」


「いや、ちゃんと覚えてるぜフジモン!ww良かったですねご主人様!こちらはお医者様ですよ!!」




エリスはチッダールタをその場に寝かせる。




………………………………。





おい、何かが変だぞ?





「君達も早く横になるんだ!まずはその出血を止めよう!!」


「ちょっと!?レディに気安く触らないでくれる!?」


「し、シンタロー君!?!?さっきとキャラが全然違うけど相当強く頭を打ったのかい!?」


「いや、どこ見て言ってるの?wwwシンタローは俺……あれ、おかしいぞ?w目の前に俺の姿があるんだけどこれは幻覚……???」




エリスはそんなアホな笑いを浮かべながらアホなことを……。







って待て待て待て待て待てーー!!!!





「おい!お前は誰だ!?」


「ちょっ!?け、怪我人にそんな乱暴をするものじゃないよ!?」



エリスの胸ぐらを掴む俺をフジモンは横から止めようとするがそれどころじゃねえ!!




「ヤムチャw一体何を聞いてるの?wwこの森の、いや銀河一の芸術家シンタローだぜ?wwww」





まさか……まさかだと思うが……。



「じゃあ!!お前は誰だ!?」



今度はもう片方の手でシンタローの胸ぐらを掴む。



「え……?この森の、いや宇宙一の美女エリスよ?」







………………………………あーーー…………。







「「ん???」」







 エリスとシンタローはお互いの姿をじっと見つめる。

信じられねえことだが……お前らも自分達の身に何が起きたか気づいたか?






「「も、もしかして……」」








「俺とエリス……」「私とシンタロー……」








「「入れ替わってるー!?!?」いやー、さすがに笑えねーわwwwww」





いや、本当に笑えねえよーー!!!




待て……エリスとシンタロー……バカとバカが入れ替わっただけだから何も問題ねえ……?





「って、んなわけあるかーー!これ以上面倒ごとを増やすんじゃねえーーー!!!!!!」

 どういうわけかシンタローとエリスが入れ替わってしまいました……。

正直作者は二人が入れ替わっても、生活するにあたって何も困らないような気もしますが!


 むしろあの二人ならお互いに入れ替わって悪さするのを楽しんでそうです……。

シンタローはくじらんの前で(外見はエリスで)服を脱ぎ、彼の反応を面白がったりとか……。



 ちなみに作者は某「入れ替わってるー!?」映画を見ていません。

何ならア〇雪も天〇の子も見ていません。


 最後に映画館で観た映画は崖の上のポ〇ョなので十年ほどは映画館に行ってないことになります。

何せポップコーンが嫌いなので……。


ポップコーンを食べずに映画を見る方法があったら教えてください!!

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