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100エーカーの森の悲劇  作者: カンナビノイド¢39
第1章 (変態性癖持ちの)美女の(嬉しくない)強襲
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1-4 集団尋問

ーー前回のあらすじーー


駄菓子屋に出現した正体不明の女性、彼女から駄菓子屋を守らんと店主のキヌタニは立ち上がった。

「前回りが出来て、100m走を完走出来る」と見栄を張ってまで対抗するが一体どこまで彼女の攻撃に耐えられるのだろうか?


そして彼女の正体は?テロリストか、はたまた脱獄犯なのか…………?

もしかしたらやむごとなき方かも……(だとしたらキヌタニは死刑!)



読者の皆さんはキヌタニの100m走のタイムを予想して本編へGO!(答えはご想像にお任せします)

 結局ミーシャとシンタローも駆けつけた結果、5人で彼女を取り囲んだ事情聴取が始まった。



「じゃあ質問に答えてもらうとするか。まず、どこの誰で普段は何をしていてどうやってここまで辿り着いて何の目的があってここへ来た?」


「おいヤムチャ、それ全部聞いてるwww」



せっかくヤムチャが格好つけて聞いたのにシンタローが水を刺した。



「そ、それは別にいいだろ!……さあ、質問に答えてくれ。」



ヤムチャは開き直り、自分が出せる最大限イケメンな声で聞き直した。




「えーとね、私はどことは言わないけど大学に通っていて、名前はエリスって言うのー。よろしくねー( *・ω・)ノ」



エリスと名乗った彼女は5人を見渡すと軽い感じで自己紹介をした。



「ほう?何でどことは言えないんだ?」



ヤムチャは鋭い視線をエリスの方に浴びせ続けた。



「やーねー♥レディのことを根掘り葉掘り聞くなんて紳士のやることじゃないわよー?」



エリスは異性を誘惑するような笑みをヤムチャに向けている。



「うーん、だいぶ怪しいwww」



 シンタローは笑いながら言った。

そしてさらに笑顔を絶やさず続けた。



「それで、一体どうやってここまで来たんだ??www」


「それが私にもよく分からないのよ……気づいたらここにいたからね~。ここに来た目的なんてないわよー♪」


「本当かよー?w怪しすぎるwww」


「この二人、雰囲気が似てるな………?」



やりとりをするシンタローとエリスを見てよしだくんは率直に呟く。




「……全然信用できねえ。ミーシャ、持ち物検査しろ!」



ヤムチャもエリスのことをかなり怪しいと見たようで事情聴取の次は持ち物検査に移った。



「はいよ。エリス、こっちに来なさい。」



ミーシャがエリスの首根っこを掴んで引きずった。



「ちょっと!引っ張らないで~!!」



 エリスはジタバタしていたが、ミーシャは気にすることなく駄菓子屋の裏側まで彼女を引っ張ってきた。




「よし、ここなら誰にも見られないから……服を脱ぎなさい!」



ミーシャはエリスに向かって機関銃を突きつけた。



「……どうして機関銃なんて持ってるのよ。そんなに本格的にやられたら脱ぐしかないじゃなーい。」



エリスは随分と冷静、かつ素直に服を脱いだ。



「やれやれ、こういう時は女手がある方が助かるよな。」



よしだくんが安堵するように言った。





「うーん、女なのは外見だけじゃない?」



一方、キヌタニは首を横にしてうっかりとそんなことを漏らしてしまった。




「キヌタニ!?何か言ったー?!後で覚えてなさい!!」



駄菓子屋の裏から威嚇射撃の音が聞こえた。



「ひえええっ……、怖いよぉ……。」



キヌタニはしゃがみ込んでガタガタと震えていた。




「ったく……引っ込んでろっつーの!……えーと、服の中には特に怪しいものも無いわね……。」


「当然でしょ、私は無実よー♪」



エリスはこの状況にも全然動揺しておらず、随分と肝が据わっているようだった。



「で、体の方には……!?な、何なのよこれーー!?」



ミーシャが突然叫び声をあげた。



「え、ええっ!?別に怪しいものは持ってないわよ!?」



エリスは慌てて手を挙げた。







「どうしたミーシャ!何があった?!」



ヤムチャも驚いて、慌てた口調で呼びかけた。






「何なのよー!!このはしたない胸は!!」






「えぇ……。」


「そいつは……。」


「違うよね。」


「ま、まあww別の意味では危険物だよなwww」



よしだくん、ヤムチャ、キヌタニは呆れ返っている一方、シンタローはゲラゲラ笑っていた。




「そうね!危険物よ!!この胸は没収!!」


「痛いぃぃぃ!!!胸は取れないからあ!!ダメぇぇぇーー!!!!!」





エリスが悲鳴をあげた。





「あー……ミーシャ?さすがに止めてやれよ?」



ヤムチャは遠慮がちにそう言ったがミーシャはお構い無しだった。







「ったく、うっせえんだよ。寝ようと思ったら近所でギャーギャー騒いでるバカがいるしな!このチンパンジーどもが!!」



この騒動の間に4人のすぐ後ろでスタークが不機嫌そうに立っていた。



「あっ!スターク、アイス代500万払え!!」




いつもは超鈍いキヌタニが素晴らしい反応速度で立ち上がりスタークに吠えた。



ドスッ!とスタークの右ストレートがキヌタニの顔面に決まった。





「きゅうぅぅぅ……。」



 キヌタニは一撃で気を失ったようだ。

ちなみに彼が立ち上がってから気絶するまでのタイムは2.89秒、素晴らしい記録だった。



そしてスタークは500万円分もアイスを無銭飲食したのだろうか……?




「雑魚が、口出しすんな!」




スタークはキヌタニの顔を踏みつけて、そのまま駄菓子屋の裏へ向かった。




「あのバカがあそこに行ったら余計面倒なことに……。」



よしだくんは慌てるが、自分は裏側の方に行けないのでどうすることも出来ずにいた。








「もう手で取れないなら機関銃で吹っ飛ばすしかないわね!!」


「ちょっと!殺す気なのー?!」




「おい!!!さっきからワーワーうるせえんだよ!!黙れミジンコが!!……あ??」




 威勢良くミーシャとエリスの間に怒鳴り込んでいったスタークだが、二人の状況を見てさすがに困惑した。

服を着ていないエリスの胸に機関銃を突きつけるミーシャ…………。






「ガキのおままごとにしちゃあ随分と気色悪いな……??知ってたけどよ、お前ら頭おかしいだろ……??」



さすがのスタークもそう呟いたきり呆然としていた。




「ああ!?邪魔すんじゃないわよ!あんたも首も吹っ飛ばされたいの!?」



ミーシャはすぐさま反応しスタークに罵声を飛ばした。





「あら?この子、さっきはいなかったわよね?」



エリスはスタークを見るとミーシャも機関銃も無視して彼の方に近づいた。




そして……








「かっわいいー!!♥♥」



思いっきり抱きついたではないか…………。







「ぎゃあああああ!!!!!((((;゜Д゜)))」




 そう叫んだのはスタークではない、ミーシャだ。

彼女は機関銃も放り出して4人の元へと全速力で戻ってきた。




「どうしたーー!?今度は何があったー!?」




ヤムチャたちは全然今の状況を把握できていない。




「あ、あ、ああ、……。」




 ミーシャは壊れた機械のように不自然な動きをしていた。

一方のスタークもしばらく思考停止していたが、ようやく自分の置かれている状況に気づいたようだ。





「な、な、なんだお前ーーー!!!!?」


「あら~?ぼうっーとしちゃうほど刺激が強かった?♥」




エリスはさらにきつくスタークを抱き締めた。




「たっ、ただただ気持ちわりぃ!!!」





スタークはエリスの足をはらい、転ばし、そして全力で5人がいるのとは別の方向へと走り始めた。



「も~、照れないでよー♪」



エリスも起き上がりその格好のままスタークを追いかけた。



「おい!!てめえ、自分の今の服装が分かってんのか!?」


「やーねー!人間って本来はこういう姿じゃないのー♪」


「黙れー!とりあえず100回死ね!!!」




 二人が追いかけっこをしている様子が5人のいるところからでも見えたので、男性陣もなんとなく状況が理解できたようだ。








「な、何と言えばいいのか……。」



よしだくんは明らかに困った顔をしていた。





「何てバカな奴なんだ……とりあえず命の危険はなさそうだから放置しとくか。」



ヤムチャも呆れ返って二人が走っているのとは別の、どこか遠い地点を見つめていた。





「じゃあ解散で♪ミーシャ、キヌタニ?生きてるか~?w」


「うん、なんとか……、ね。」




ミーシャはまあまあ正気を取り戻したようだ。







「………………。」




キヌタニが目を覚ますにはまだ時間がかかりそうだった……。

ただでさえ民度の低い100エーカーの森がさらに精神衛生上良くない場所に……。

似たもの同士(?)引き寄せあってるんでしょうか…………。



一発殴られただけで気絶するんじゃないよ、キヌタニの出番減らしてやろうかな?

気絶してるだけじゃ本当に出番もないんだけどさ。

もう1000回くらい殴られてから出直してきてください。。

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