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100エーカーの森の悲劇  作者: カンナビノイド¢39
第1.5章 ツアーガイド(我が真名はゲームマスター!!)の極意
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1.5-14 経験値稼ぎ その2

ーー前回のログーー


ーミーシャ、シンタロー、エリスのコンビネーションアタック!!ー


ーヤムチャは大ダメージを受けた!!ー


ーヤムチャはメイド服を装備させられたー


ースターク王国が現れた!ー


ーボールはレベルダウンした……ー


ーヤムチャはスターク王国に石を投げつけた!ー


ースターク王国はダメージを受けなかった!ー


ーエリスはビデオテープの破片を踏んで3ダメージ!ー


ーヤムチャはスターク王国に連続キックを繰り出した!ー


ースターク王国はびくともしなかった……ー


ーエリスは爆音で4ダメージ!ー


ーミーシャの機銃掃射攻撃!!ー


ーヤムチャは大ダメージを受けた!!ー


ーエリスはビデオテープの破片を踏んで3ダメージ!ー



 Yamucha Kingdomに敵対する勢力、スターク王国が出現したようですね。

領地を巡って戦争になるかもしれません。



 ですが強敵に挑むならまずはレベルを上げないといけません……。

前回はヤムチャですら歯が立たない状態でしたからね!!



 作者はレベル上げの作業が大嫌いです。

ドラ〇エとかオートモードで敵探して倒してくれなんて思う始末でした。


 同じことばっかりやっててもつまらないですから、今回は敵を討伐するのではなく別の方法で経験値を稼いでもらいましょう!

「あ、家と林道が見えてきたわね。」



エリスが遠くまで見ようとピョンピョン跳び跳ねた。




「あそこって誰の家だっけ?それにしてもかなり広い家だね??」




 ボールが首をかしげた。

その家は平屋だが、天井は高さ4mを越えてそうだったし広さも200坪ほどはある、大きさだけなら豪邸レベルの家であった。




「ここはよしだくんの家だな。この森じゃ一番広い家に住んでるぞ。」



下着姿で血まみれのヤムチャが説明した。



「俺の家は実験場も兼ねてるんだ。まあ、本当に危険な実験は屋外でやるけどな。」


「そんで、俺が伐った薪は家の脇に積んであるぜ♪」



シンタローの言う通り、家の天井よりも高いところまで薪が積み上げられていた。



「何でそういう積み方するかねぇ……、いやそもそもどうやってそんな高いとこまで積んでるんだか。」



 ミーシャは呆れて言った。

ピラミッドのような積み方をされていたので、彼女の言う通り同じ量でももう少し低く収まる積み方はあっただろう。



「そしてこの林道の先には奥に見える電波塔がある。家の中も案内したいとこだが、少し片付けをしないと危険だから俺は一旦ツアーから抜けて案内できるように準備をしておこう。」


「おお、そうか。じゃあよしだくん、また後で来るからな。」




ヤムチャにそう言われるとよしだくんは自宅の中に入っていった。




「じゃあ近くまで来たし、崖と墓地の方を案内をしましょうか。」



ミーシャが先頭を歩きだした。




「よーし、誰が一番乗りできるか競争だ!!」



突然シンタローが勢いよく走り出した。





「……何やってんのかしらね。」



一同はのんびり歩いて進み、シンタローを走って追いかける者はいなかった……。







「はぁ……こんな重い装備ずっと着てられないぞ、言い訳をつけて抜けることができてよかった……。」




ーよしだくんがパーティから離脱しましたー



ーーー移動中ーーー……now loading……







「おーい!!みんな何やってんだよー!!wwwどんだけ遅く走ったらそんなゆっくり来れんだよwww」



 よしだくんの家から崖までゆっくり歩いても三分……息も切れていなかったが、シンタローは一体どれくらいで着いたのだろうか?




「うるさいなあ、別に俺たち走ってないんだけど。」


「私だって道分かんないしー!」



ボールとエリスが鬱陶しそうに言った。



「え?もしかしてww俺、一人で競争してたの?wwwめっちゃウケるwwwwww」



 シンタローは一人で喋って、一人で解釈をして、一人で勝手に笑った。

そんなシンタローには見向きもせず、一同は崖を見上げた。





「高い崖ね……、15mくらいあるのかしら?」


「そうだな、大体そんくらいだ、落ちたら死ぬかもな。」


「あなたは平気よ……打ち所が悪かったら骨にヒビが入るくらいでしょ。」


「俺がまだニートだった頃、転がってよくここの崖にぶつかって動けなくなってたなあ……。」



ボールは遠い目をしていた。




「お前が行方不明になったら九割くらいはここで発見できたからなwwwそれから、俺が崖の上で絵を描いてるとボールがここによく突っ込んできてたよなwwww」



シンタローはその憧憬を思い出してまた笑っていた。





「なあ、経験値を賭けて勝負しねえか?」



ヤムチャが突然、崖を見上げたまますごく自然に言った。



「この崖を俺より早く登ることができたら経験値をやろう!!」




「おっ、やるやるー!!www」


「うん、バカなの?意味分かんないし。」



シンタローとミーシャが同時に正反対の返事をした。


一方、ボールとエリスは訳が分からず唖然としていた。




「よーし!じゃあシンタロー!!手加減はしねえからな!!ぐああああ!!!」



 ヤムチャが森中に響き渡る雄叫びをあげた!

彼の近くでオーラを浴びるだけでもケガをしそうなくらいヤムチャは燃え上がっていた……!




「それじゃミーシャ、タイムキーパー頼んだwww」



シンタローはどこからか取り出したストップウォッチをミーシャに投げた。



「どうしてあんたらのバカ騒ぎに付き合わなきゃいけないのよ……全くもう!!」



ミーシャは怒りながらも、ちゃんとストップウォッチを構えた。





「じゃあ俺からいかせてもらうぜ!!wwww」



シンタローが崖に手をかけた。





「はいはーい、よーいスタート~。」



ミーシャは適当な掛け声とともにストップウォッチのボタンを押した。




「よっ、はっ、……よっと!!!」



 シンタローはひょいひょいと身軽に空中へ上昇していくように登っていき、あっという間に崖の上までたどり着いた。






「シンタローの記録~、3.34秒~、……ん?んんん???さんてんさんよんびょう!?!?」



やる気のなかったミーシャの声がシンタローの記録を二度見して裏返った。




「まあ、普段からよくここの崖を登ってるからなーwwwwでもヤムチャなら2秒もかからずに登って来そうww」



 シンタローは上機嫌だった。

どうやら絵を描くために普段から回り道をせず、直接この岩肌を登っていたようだった。





「なかなかやるなシンタロー、だがな……そう簡単に経験値を渡すわけにはいかねえ!!!」



ヤムチャが気合いMAXで崖に手をかけた。






「さすがにどーせヤムチャには勝てないと思うけど、よーぉい、どぉーん~。」



ミーシャのやる気ゼロな掛け声でヤムチャが崖を登り始めた。





「グゥゥゥゥオオオオオオァァァァ!!!!!!」



 シンタローとは違い、ヤムチャは大柄の重そうな自らの肉体を馬鹿力で持ち上げて恐ろしい勢いで崖を駆け上った!

そして彼もまた、あっという間に崖の上まで登りきった。




「どうだ!!シンタロー!!!まだまだ俺には追い付けねえな、ガハハハハ!!」



ヤムチャは崖の上から大声で高笑いをした。





「ヤムチャの記録~、4.48秒~。まー、さすがのシンタローもヤムチャには勝てないか……ん?」


「お?」


「え?」


「あれ?www」





「「……よ、よんてんよんはちびょーー!?!?!?!?」」



ミーシャとヤムチャが同時に叫んだ。




「えwww俺勝ったの?wwやったぜ!!!ww」



シンタローは崖の上でしゃちほこの決めポーズをとった。




「えっ?えー!?……そんなこともあるのね……!」



ミーシャは信じられないという顔つきになっていた。





「バカな……俺が敗北した、だと??仕方ない、経験値はくれてやる!……しかしなぜ俺が負けて、おっとっととと、うおおっ!!」



 ヤムチャはショックのあまり考え事をしている最中にバランスを崩してよろけ、崖から足が離れてしまった!




「えっ!?ヤムチャそれはやばいって!早まるなよww」



慌ててシンタローが笑顔で手を差し伸べた。


さすがはヤムチャの反射神経、その手をしっかりと掴んだ。




掴んだのだが……銃創やナイフの刺し傷でできた血糊で滑って手を離してしまった!




「あああああ!!!!」



ドシーン!!という音とともにヤムチャは地面に落下し、首がすっぽりと地下に埋まってしまった。





「た、大変!!」



ミーシャが大慌てで駆け寄りヤムチャの首を引き抜こうとするが抜けそうになかった。





「おいおい!!笑えねえよwwww」



と言いつつ笑っているシンタローも、崖から急いで降りてきてミーシャを援護した。


すると、ズボッ!という音がしてヤムチャの首が地上に帰還した。




「ハアハア……呼吸がいきなりできなくなってさすがにビックリしたぜ…!」



ヤムチャは息を荒くしていた。



「うん、普通ならあの高さから落ちたら首の骨が粉砕して死んでるから。呼吸の心配できるくらいなら大丈夫ね。」



「クソ……ナイフは刺さるわ、被弾はするわ、勝負には負けるわ、崖からは落ちるわ……なんて日なんだ!!」



ヤムチャは自分の首が埋まっていた穴を見つめいじけていた。





そしてエリスとボールはそれまでの光景をずっと眺めていた。



「一体、三人は何をやってたんだろうね……?」


「うーん、私バカだからよく分かんない。」





「さーてと、勝負にも勝ったことだしそろそろ墓地の方に行こうぜ?♪」


「そうね、バカ騒ぎもほどほどにして欲しいものだわ!!」



そう話すシンタローとミーシャの姿が崖で行き止まりのはずなのに急に消えてしまった。



「……あれ?二人は一体どこに?」


「さっきまであそこにいたはずなのに……。」



二人はミーシャとシンタローが消えた地点に駆け寄った。




「あっ!!!」



今度は短い悲鳴を残してエリスの横からボールの姿が消えた。



「えっ!?ボール!!どこに行ったの!!??」



エリスはパニックになって辺りを見渡すが、いじけていたヤムチャしかいなかった。





「ちょっと!!みんなどこ行ったのよぉー!!!」

 シンタローはロッククライミング男子15mの世界記録を大幅に上回っております……。

オリンピックに出ればいいのに……もったいないなあ………。


 100エーカーの森の住人達がオリンピックに出たら、きっと色んな記録を塗り替えてしまいます。

ヤムチャなんて世界記録20個くらい持っててもおかしくないけど、永遠にドーピングを疑われそう。



 15m転落して首が埋まるだけで済むなんてヤムチャはどういう身体構造をしているのでしょうか?

骨の成分が鋼鉄で出来てるんですかね……。


 人間の骨が鋼鉄になったら骨折しなくなって大助かりな人もたくさんいると思うので是非誰かその技術を開発してください!



 さあ、森の住人たちはどこへ消えてしまったのか?

もしかして駄菓子屋のアイスみたいに神隠しに遭ってしまったのか!?


 でもそれなら連れ去られた先にはアイスがたくさんあるということに……。

もう彼らはそこのアイスを食べ尽くすまで帰ってこないことでしょう……。

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