1.5-7 装備を整えよう!!
ーー前回のログーー
ー駄菓子屋に到着ー
ーヤムチャは18禁コーナーを調べたー
ーシンタローが現れた!ー
ーキヌタニを手に入れた!ー
ーヤムチャはシンタローを捕まえた!ー
ーエリスはアイス売り場の攻撃で5ダメージ!ー
ーヤムチャはエリスにニンニクチューブを使った!ー
ーエリスのHPが全回復した!ー
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RPGには武器屋だったり防具屋だったり、雑貨屋もありますね。
今回はそんなお話です。
読者の皆さんはRPGで装備を選ぶ時は性能重視ですか、それとも見た目重視ですか?
最近のモン〇ンは装備しているのとは別の防具の見た目になれるとかなれないとか……。
100エーカーの森ではそんなずるいことなんて出来ないのでご安心を!
「ま、まあ、そんなことより…………、」
ヤムチャは戦闘グッズ売り場に視線を移した。
「ちゃんとした防具を装備しておいた方が良くないか??」
そこからしばらく駄菓子屋の中は静寂が続いた。
「いや、だから何の話よ???」
そう言ったミーシャを始め、その場の全員がヤムチャのことを白い目で見た。
「そりゃ敵とのバト…………じゃなくて、森を歩いてると何があるか分からねえからな。エリスはもうタライといい、掛け軸といい、アイス売り場といい、今日だけでもう十分すぎるほどに実感したろ?」
「うっ…………た、確かに…………!!」
エリスはハッとして納得し、戦闘グッズをじっくり眺めた。
「え…………まさか今のでエリス納得したのか!?」
よしだくんはまたしてもドン引きしていた。
「うーん、でも俺はこの装備のおかげで安心して外を歩けてるなあ??」
「まー、雑魚たちにとっては気休めになるのかもねー?」
ボールとミーシャも別に変なことだとは思ってなかったようだ。
「えぇ…………俺がおかしいのか…………」
よしだくんは非常に強い疎外感を感じていた。
しかし他の四人はそんなこと気にも留めなかった。
「あ、これ中世のナイトの装備じゃない??」
「へえー、エリス着てみなさいよ。」
「うわっ!!重たいわね!!こんなの着たら動けないわよ…………。」
「あっ、こっちはギリースーツだね。」
「ほう、駄菓子屋にはこんなものまであるんだな。」
「うーん、でもちゃんと装備するとどれも重そうよ??私はウエットスーツでいいや。」
「それも普通に動きづらいんじゃないの…………?私は身軽なほうが好きだからこのままでいいわ。」
「戦闘力のあるお前ならそれでもいいだろ。俺も装備はいらねえが防弾チョッキだけは必要だな。」
「それは装備って言わないの…………?」
「ボール、よーく覚えておけ。防弾チョッキは確かに身を守ってくれる。だがな、これはこの森を歩くときは必需品……つまりは日用品だぞ。何しろいつ何時機関銃でハチの巣にされるか分からねえからな!!!」
「え?ヤムチャっていつもそんな目に合ってるの?私は経験ないけど。」
「あ、ああ…………そうだな…………。」
「えー!!そうなんだ!!じゃあ俺、外を歩くときは必ず防弾チョッキを着るようにするよ!!」
「何かウエットスーツって暑苦しいわね…………でもこの守られてる感じがいいわー、私はこれでオッケー!」
「ええと、ボールもよしだくんからもらった装備があるからそれで良さそうね。あら?よしだくんはどこかしら??」
一同が話し込んでいたら、いつの間にかよしだくんが居なくなっていたことにミーシャが気付いたが、辺りを見渡しても彼の姿はどこにも見当たらなかった。
「俺が…………俺が、おかしい??おかしいのか…………??」
ぼそぼそという独り言が聞こえてきたが、やはり彼の姿は見えなかった。
「あ!見つけた!!」
エリスが同じ戦闘グッズ売り場に何故か置いてあった宇宙服を指差した。
よーく見ると彼は宇宙服の中に閉じ籠っていた。
「お、よしだくんは宇宙服を装備するのか。こりゃまた防御力重視と来たな!」
ヤムチャは感心して言った。
「でもさすがに重すぎるんじゃ…………??」
ミーシャは宇宙服を軽く叩いてみて言った。
「俺が…………おかしい?俺は…………おかしい。ああ、おかしい。」
よしだくんはずっと俯き加減で呪いのごとく喋っていた。
「おーい、よしだくん??何かあったの?」
ボールがよしだくんの顔を宇宙服越しに覗き込んだ。
「ああ、そうだよ…………。どうせ俺はおかしいんだよ…………。」
「えっ…………よしだくん、どうしたの…………。」
よしだくんは焦点の合わない虚ろな目つきで、ボールの顔をじっと見ながら真顔でそう言うのでボールは本気で困惑した。
「よしだくん、何がおかしいのよ……?宇宙服なんてカッコいいじゃない!!」
エリスは宇宙服を着た(?)よしだくんに対して声を張り上げた。
「えっ…………本当に?…………格好いいか?」
よしだくんはエリスの「カッコいい」という言葉に反応して何とか意識を取り戻した。
「と言うかさっきからどうしたの?おかしいおかしい、ってさ。」
ボールはよしだくんの顔を覗き続けたままだった。
「い、いや、ちょっとな、カルチャーショックを受けてたんだ。」
「か、かるちゃあしょっくー??」
ミーシャの頭の中は様々な言語が入り混じって機能していないようだった。
「ま、まあ、気にしなくて平気だ。」
「で、よしだくんは装備をどうするんだ??」
みんなの視線がよしだくんに集まった。
「え、えっとだな…………お、俺は…………。」
ー装備変更中ー…………now loading…………
10分後…………
「お、重い…………(け、結局みんなの視線に負けて装備してしまった…………。)。」
そんな彼は中世のナイトの装備に身を包んでいた。
当初は宇宙服を着ていたのだが、重すぎて一歩も動けなかったのでこっちにしたのだ。
「よしだくんは慎重派でやはり防御力重視だな。」
ヤムチャは腕を組んで頷いた。
「私は宇宙服の方が良かったと思うけどなー?」
「だから、さっき試しに着てみて動けなくなってたでしょ??」
自分勝手な意見を並べるエリスをミーシャがなだめた。
「まあ、これで防具は全員揃ったな。次は武器だ……俺とミーシャはいつもノコギリと機関銃をそれぞれ持ち歩いているが三人はどうするんだ?」
ヤムチャは売り物のランスやショットガンを手に取り三人に提示した。
「えっと…………ヤムチャ、さすがに武器はいらないんじゃ?」
ボールはさっきよしだくんが独り言を呟いていた時よりも困惑した。
だがそんなボールを見てヤムチャは続けた。
「いいかボール、この森には野生の動物やニート(意味深)、それから機関銃を持ち歩くやばい奴(意味深)がいたりするんだ。そういう時、もちろん逃げるのも大切だが、逃げられない状況の時は戦うしかないだろ?」
「そう言われればそうかも…………!!」
ボールはヤムチャに言われたシーンを想像して、いとも簡単に納得してしまったらしい。
「……いや、私たちが戦えばよくない??」
ミーシャはため息をついてヤムチャに詰め寄った。
「おいおい、何を言ってるんだ??俺たちが24時間パトロールするわけにもいかんだろ?やっぱり武器の一つは持っておいたほうがいい!!」
しかしヤムチャも食い下がってきた。
「まあ、備えあれば憂いなしよねー!」
エリスは既にロケットランチャーを物欲しそうに見ていた。
「ま、まあ、欲しけりゃ持ってけばいいと思うけど…………。」
ミーシャはどこか納得のいかない顔でエリスを見ていた。
ー装備変更中ー…………now loading…………
またまた10分後…………
「いろいろ迷ったけど結局、これが一番しっくりくるわー。」
エリスは鞭をしならせた。
「ヤムチャを見ていると両手に武器を持つって中々強いと思うんだよな。というわけで俺はこれだ。」
よしだくんはスタンロッドを両手に構えた。
「俺は武器らしい武器はどれもしっくりこなくて…………代わりにこれを使うよ!!」
ボールは日用品売り場にあった園芸用のスコップを振りかざした。
「よしよし、これでみんな最低限は戦うことができるな!!!」
ヤムチャは満足そうにしていた。
「武器なんて要らないと思ってたけどみんな普通に似合ってるわ!記念に写真でも撮りましょうか!!」
ミーシャは売り物のフィルムカメラを構えた。
「わーい!!写真ねーー!!!」
「何だか緊張するなあ…………。」
「お、俺もだ。」
「二人とも情けねえな、笑えばいいんだよ!!」
「そうよ!四人とも笑ってー!3…………2…………1、」
パシャリとフラッシュが焚かれた。
「よし、綺麗に撮れたと思うわよ。後でよしだくんが現像してくれるわ。」
「おお、了解だ。」
よしだくんはミーシャからカメラを受け取りリュックの中に入れた。
宇宙服は防具で園芸用のスコップは武器である……異論は認めません。
中世のナイトの装備まで売られているの一体どこの層を狙ってキヌタニは販売しているのでしょうか?
あの店主やっぱり商売が下手なようですよ、我慢強く値引き交渉したら九割引きで何でも買えそうw
きっとボールは騙されやすく、宗教勧誘とかにすぐ引っかかるタイプだと思います。
キヌタニみたいな雑魚店主じゃなかったら一瞬で駄菓子屋の変な売り物をつかまされ、一文無しにされていたことでしょう。
ちなみに森の住人たちは元からみんな一文無しだと思います()
写真を撮られると魂が抜かれるとか……、作者はそれが怖くて写真を避けてた時期がありますw
今でも単純に写真は苦手ですが、せめて目出し帽くらいつけてから撮られたいものです。