1.5-1 次の日…………
ーー前章のあらすじーー
100エーカーの森に突如として現れた絶世の変態美女エリスは、スタークという良いとこ無しの社会不適合者に一目ぼれをしてしまった模様。
その後、風が吹けば桶屋が儲かる理論で、体重500kgの生物兵器兼ニートのボールは遥か天空の彼方へと飛ばされてスタークの家を消し飛ばすことを代償にニートを卒業しゴリマッチョへと進化した!!
さらに巻き込み事故で駄菓子屋の店主キヌタニはエリスから拷問を受け変わり果てた姿になってしまった!
無残にも瀕死になった彼を見て「気持ち悪っ……。」と感じたサイコパスガンナーのミーシャは世界……もとい駄菓子屋の一角を破壊し尽くし世界は灰になった……。
そんな中でも100エーカーの森の住人たちは酒を飲み、空気砲を撃ち、騒ぎ続けるのであった……。
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やれやれ、文章をまとめるのって難しいですね……。
まあ、過ぎ去ったこと(第1章)をいつまでも後悔していても仕方ありませんから次行ってみましょう!
では……ようこそ、第1.5章の世界へ!!
100エーカーの森の全てを心ゆくまでお楽しみください!!!
翌日……
「うーん……痛たたたっ……床で寝たから身体中が痛いぞ……今は何時だ?」
集会所でいち早く目を覚ましたのはよしだくん。
時計の針は朝の8時過ぎを指していた。
集会所の外ではセミの懸命な求愛の鳴き声がけたたましく聞こえてきて、彼の意識を一層はっきりとさせた。
「今日も暑くなりそうだな……それにしても昨日は結構飲んでたからみんなまだぐっすりか。」
よしだくんの隣ではヤムチャとボールが仲良く鼾をかいていて、ミーシャは壁に埋まり、エリスが床にうつ伏せで寝息を立てていた。
「ん?シンタローがいないぞ??まあ、あいつの行動はよく分かんないから早起きして絵でも描きに行ったんだろう。」
よしだくんは周りを見渡しシンタローがどこにもいないことに気づいたが、深刻には考えずに立ち上がって調理場のシンクで顔を洗った。
「あ、そういえばこの前電波塔のメンテナンスをするのを忘れてたな、今やってしまうか。」
よしだくんは寝ている四人を起こさぬようにこっそりと集会所を後にした。
「電圧、断線…………異常なしと。」
電波塔のてっぺん近く、高さが40mほどの狭い足場の上で彼は作業をしていた。
「しかし、いつ来てもここからの眺めはやっぱり格別だ。開拓されている場所とそうじゃない場所の境界もはっきりと見えるしな。」
100エーカーの森とは開拓されている場所の広さが100エーカーの集落であり、その外側には密林が広がっていた。
つまるところ『森』よりはむしろ『村』のようなものであった。
エリスも100エーカーの森のことを『村』と呼んでいたので一般的に言われている『森』ではなかったのだろう。
「特に外側にも破損や異常は…………ん??」
よしだくんは上を向いて電波塔に何か変わった所がないか確認したところ、あることに気づいた。
「何かが壁に突き刺さってないか??」
よしだくんがいる地点から5mほど上側、てっぺんのアンテナの脇に何か見慣れないものがあったようだ。
足場を登り、近づいて彼は異物の確認をした。
「これはドリル………??何でこんな場所に???と言うかすごくベトベトしてるんだが………。」
よしだくんはこのドリルの正体を懸命に考えた。
しばらく頭の中で思考を巡らしていると、以前ボールの体にドリルを突き刺したことを思い出した。
「そういえば、あのドリル回収してなかったな……こんな高い場所まで飛んできたなんて……。」
よしだくんはドリルを引き抜こうと手を伸ばしたがボールの油が大量についていることを思い出し、考え直した。
「さすがに物越しにも触りたくないな、これは……見なかったことにしよう。」
よしだくんはそのドリルを無視して電波塔から降りた。
「さて、さすがにみんな起きただろうか?」
よしだくんは再び集会所に四人の様子を見に戻ってきた。
朝ご飯を食べていない彼の腹時計は既に正午を指していた。
彼がドアを開けると何やら中から喧嘩をしているような声が聞こえてきた。
「だってぇ~暑いんだもーん(;´A`)」
「いやいや、この前俺が言ったことを忘れたか!!」
「私はぁ、暑いってゆ~正当な理由で脱ごうとしてるのよぉ??何が悪いのぉ??」
「普通は暑いって理由じゃ人前で脱がねえんだよ!!」
「くーくー……(-_-)zzz」
「( ゜A゜ )ガクガクガタガタ」
バタン!とよしだくんは勢いよくドアを閉めた。
「おかしいな……俺は幻でも見てるのか?」
目の前で起きていることが信じられなくて(信じたくなくて)よしだくんは改めてドアを開けてみた。
服の乱れているエリスとそれを後ろから押さえつけるヤムチャ、鼻血を出して白目を剥き仰向けに倒れて痙攣しているボール、壁に埋まったまま寝ているミーシャ。
集会所の床には昨日片付けたはずなのにチューハイの空き缶がそれなりの数転がっていた。
「うーん、これはきっと夢だな。きっとそうだ。」
よしだくんは駄菓子屋でアイスでも食べようかと集会所から立ち去ろうとした。
「ああ、本当に夢だったら良かったのにな!」
エリスを押さえつけたままヤムチャは集会所のドアのところまで移動してきた。
「早くこの変態を縛れ!!」
「えっ?縛る~?このエッチぃ~♪」
ヤムチャは有無を言わさずどこからかロープを取り出してよしだくんの方に放り投げた。
「お、おう……?」
よしだくんは言われるがまま、エリスの体を身動きがとれないようにロープでグルグル巻きにした。
「ヤァン(///ω///)興奮しちゃう……。」
「す、少し黙ってろ!本当に気が狂いやがる……!」
ヤムチャは顔が真っ赤で息の荒いエリスの口へと床に転がっていた空き缶を突っ込んだ。
「ムッ、ムグッ、ムッ、ムッムッ、ムッーーー!!!!………………。」
エリスは顔をさらに紅潮させて、そして喘ぐといきなり気絶してしまった。
「えっ!?……えぇ…………。」
「よしだくん、深く考えたらダメだ。精神がもたねえよ………………。」
お酒飲んだ翌日は昼過ぎまで寝ていたいですよね。
さすがに朝から飲み直したいとは思いません……。
朝酒してたら日中どころか夜まで飲み続ける危険性もありますからね!!
エリスはその典型的な例かも……?
ボールの油はそこらへんの機械油よりも汚れ落ちが悪いそうです。
よしだくんにはそのドリルを諦めてもらいましょう。
どうしてエリスは空き缶を咥えただけで興奮してしまったのか……。
深く考えるのはヤムチャの言う通り止めた方が良さそうです!
でも万が一答えが分かった方は教えてくださるとありがたいですな(#^.^#)