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100エーカーの森の悲劇  作者: カンナビノイド¢39
小休止 番外編
158/162

extra2-1 電波塔修理記録1(1.5章エピローグ)

 今回は1.5章と2章の空白部分を描いたお話です。

本編では監禁されたりしていて出番の少なかったエリスが嫌と言うほど出てきます。


久々にエリスvsキヌタニの絡みもありますのでキヌタニを殴りたい人は是非ご一緒にどうぞ!


今回はどんなお話になるでしょうか?(作者も分かっていません!!)

……うんっ?




……朝か。




柱時計は八時を過ぎたところだ。



そろそろ起きるとしよう。


俺はベッドから出て洗面所で顔を洗おうとした。





昨日はメチャクチャで大変だったな……。


エリスの奴なんて電波塔を……。





………!?


待て!!



あいつ、確かに電波塔をぶっ壊してたぞ!!




た、頼む……電気よ、点いてくれ!!



俺は恐る恐る部屋の照明のスイッチを入れた。




だが、無情にも天井からぶら下がっているランプは沈黙したままだった……。


そして一応、洗面台のポンプも押してみたがやっぱり水が出ることはなかった……。




「お、おしまいだぁーー!!!!!」




……はっ!?


危ない!!また気絶するところだった……。



俺は遠くなりかけた意識を必死に目の前の空間から手繰り寄せた。


ダメだぞ!こんな所でノビてる場合じゃない!!



電気が使えないなんて事態は俺が一刻も早く解消しなければ!!


俺は工具箱だけを持って電波塔へと向かった。





確か……例のドリルが刺さっている箇所がショートの原因だったな。


昨晩の光景を思い出しながら俺は足場を登っていた。




それにしてもまさか、ドリル一本からこんな大惨事になってしまうだなんてな……。


一昨日の朝、しっかりとあれを撤去しておくべきだった。



これは猛省しなければならない……。



 電波塔の至る所から火花が出ていたから回路パーツを交換するためにも足場を追加で組む必要があるだろう。




さて……ドリルの刺さってる地点までは来たが……。


まだ火花が少し散り続けている。


当のドリルは恐らく手で掴めば簡単に抜けるだろうし、これを抜かないことには修理も出来ないだろう。



そしてそんなことを考えていたら俺の中で一つの疑問が浮かんだ。



ドリルを撤去しなかったのは確実に俺の落ち度だ。


そして電波塔のメンテナンスもこの森では俺の役割に違いない。



……だが、今回の故障に関して一番の戦犯は俺ではないだろう。


つまり、この作業を俺一人でやるのはおかしい!!



……そう思った俺は既に足場を降り始めていた。





さて、奴はいるだろうか?


俺は集会所の扉をノックもせずに開けた。


建物の中は随分と静か……と言うわけでもなかった。




「ぐすっ……もう、やめて……そんな、下品な……間接キス……ううっ……。」



一体どんな夢を見てるんだ……?



俺は極力想像しないように泣きながら寝ているエリスに近づいた。



「おい……夢の中にいる時間は終わりだぞ。」



俺はポケットに入れていたスパナの先で彼女の額をつついた。



「ひいっ……!!そ、そんなもの……銃口を、近づけないでっ……!」




銃口……?


ミーシャに脅されでもしているのだろうか??


優しく起こすのが面倒になったので俺はそのスパナで彼女の脳天を引っ叩いた!!



「いぎっ……!!……あ、あれぇ……??」



エリスは目を開くと不思議そうに周囲を見渡した。



「銃口はどこぉ……!?」



まだ寝ぼけてるみたいだが……こいつの事情など関係ないな。



「いつまでも寝ぼけてないでさっさと行くぞ!」



俺は彼女をベッドから転げ落として服の襟元を掴み、電波塔の方へと引きずっていった。



「夢だったのかしら……何だかよく分からないけど助かったわ。」





よし、エリスを連れ出すことには成功したぞ。



「さて、エリス……俺の言いたいことが分かるか?」



俺は電波塔の下で彼女を正座させて目の前に立ちはだかった。




「えっと……全然ワカリマセン。」



まだ少し寝ぼけてるであろうエリスは電波塔を見上げて困惑していた。



仕方ない……なら、シマリスにでも分かるように教えてやろう。



「エリス、お前は昨晩ここで一体何をした?」


「えっとそれは……ひいっ!!じゅう、銃口……!?」



彼女の中で何かがフラッシュバックしたらしく、突然怯えてガタガタと震え出した。


俺が倒れた後に一体何があったんだ……?



「その銃口がよく分からないんd……、」


「銃口って言わないで!!」



うおっ!?


初めてエリスが真面目な感じに怒ってきたぞ!?



「えっ……すまない。」




いや、俺が怒られるのもおかしくないか??



「と、とりあえずだ!お前は昨晩電波塔を使用不能にして電気の供給を止めた!!」




「……あれ?私のせいだっけ?」



すっとぼけてる訳でもなく本気でこう思ってるようで彼女はとても不思議そうだ。



「お前が電波塔を蜂の巣にしたんだろうが……!」


「いや、それはそうよ。だけど私はゴミ店主を撃とうとしてああなったんだから、あのキヌカスが全部悪いじゃない?」



 100%同意してもらえるだろうという口調で、エリスは電波塔のてっぺんで逆さ吊りになっているキヌタニを指差しながらそんなことを主張してきた。


……まさかそんな理論が通ると思っているのか??


今に始まったことじゃないが、こいつの思考回路が理解出来ないぞ。



何故あんなところにキヌタニがいるのかはもっと分からないが……。



「何はともあれ、この結果を作り出したのはお前の行動が原因だ。よって……お前には電波塔の修理を命じる!!」



エリスはポカーンとして俺の有罪判決を聞いていた。


そして少ししてから口を開いた。




「よしだくん……私にそんなことが出来ると思ってるの?」



それは……正論だな。



「だったら俺がお前に指示を出して実際に手を動かしてもらおう。」


「えーー面倒くさいわよ!それならよしだくんが自分でやった方が楽だと思うんだけど〜。」


「お前が修理をしないといつまで経ってもこの森は夜も真っ暗、真夏だというのに扇風機すら動かないぞ?駄菓子屋のアイスは溶け切ってそれ以外の食べ物だって腐り放題だろうな。」



俺はここで絶対に動かないぞという脅しをかけた。



「えっ……。」



するとエリスは少し慌てたような素振りを見せた。



「扇風機って電気で動いてたの?それに家の照明が点かないってこと……!?」




いや、俺が思ってたのとなんか違った……!!


こいつ、電気が止まった影響をちゃんと理解してなかったのかよ!!



「一体お前は何で扇風機が動いてると思ってたんだ……?まあいい、そういう訳だからお前には電波塔が復旧するまでみっちり働いてもらう。さあ、この装備を身に着けろ。」



俺はリュックから安全ヘルメットに安全靴、アームガードを取り出した。



「えっと……じゃあ、最後に一つ質問いい?」



彼女は装備をつけながら何故か期待したような目でこちらを見てきた。




「日給ってどれくらい貰えるの?」



給料……だと?



「そんなもの出るわけないだろ!!」



俺は怒りのスパナを奴の鼻の頭に投げつけた!!


ゴスッ!という鈍い音がした……!



「ギャッ!?いっ、一体何を……?」


「早く登れ。」



俺は足場の方に向けて顎をしゃくった。



「ひいっ……!?は、はいっ……!!」



 エリスは鼻血を出しながら俺から逃げるようにして、電波塔の周りに組まれた足場をそそくさと登り始めた。





「おーい……そんな上まで行かなくていいぞ。一度ここまで降りてこい。」



俺に怯えたのかエリスは電波塔の一番上まで逃げていた。


俺に言われるとエリスははしごを降りて数mだけ下にいた俺の下へ戻ってきた。




「えっと……わ、私は一体……何をされちゃうの……?」



言い方が若干あれだが……今からのお前は『される』側じゃなく『する』側だからな?


そんな彼女の様子は無視して俺は説明を始めた。



「事の発端はこのドリルなんだ。これがボールの体から飛び出て電波塔に突き刺さった。そこにお前が撃った弾丸が直撃した衝撃で回路全体が焼き切れた……。」


「えっ……ボールの体からこのドリルが飛び出たって……もしかしてボールはこんな物も食べちゃうってこと……?」



エリスにはドリルをあいつの体に突き刺したことを説明してないからな。


だが、それを話したらやっぱり俺が悪いみたいに言われかねないしここは黙っておこう。



「さすがにそれはないけどな……。何はともあれ、このドリルを外さないと修理が始まらない。まずはこれを引っこ抜いてくれ、手で簡単に外れると思う。」



俺はそう言いながらリュックからゴム手袋を出して彼女に渡した。



「作業中は感電しないように必ずこの手袋をするんだ。」


「……まあ、これくらいなら私にも出来そうだわ。」



エリスはゴム手袋をつけると彼女の両手にギリギリ収まらないくらいの大きさがあるドリルを掴んだ。



「何だかすごいベタベタしてるんだけど……何よこれぇ。」



とても気持ち悪い感触なのだろう、彼女の顔は不快感を露わにしている。



「これは……あれだ、ボールの脂肪だな。」


「うえっ……気持ち悪いんだけど……!!こんな汚い作業私には無理だわ!!」



ボールの脂肪が汚いみたいな言い方……いや、綺麗ではないか。


だが、これからお前は機械油に塗れるんだ。


こんなことで弱音を吐かないでほしいものだな。



「引き抜け。」



俺はもう一度スパナを右手に構えた。



「ちょっ……!また鼻血が!!」



それを見て体に力が入ったのかエリスはまた鼻血を出してしまった。


だが、そんなことはお構いなしだ。



「早くしろ、やらなきゃ終わらないぞ?」


「は、はいいっー!!」



エリスはこの世のものとは思えないほどベタつくドリルを力一杯引き抜いたのだった。


すると、引き抜いた場所からバチバチ!と激しく火花が散ってきたじゃないか!!



「ぎゃーっ!!アチチチチッ゙!!!」



そして彼女はその火花を盛大に被ってしまった。



「その火花もどうにか止めないとな。一旦そのドリルを置いて必要な道具を取りに行こう。」


「熱いっ!!熱すぎるわよ!!て言うかこれ、私が持ってくの!?」



そんな彼女の文句は俺の右耳から左耳に抜けた。




さて、家の中に戻ってきて俺は防護服を探していた。


引き抜いたドリルは後でエリスに洗わせるつもりで電波塔のそばに置かせておいた。



「当たり前だが一人分しかないか……駄菓子屋に売ってたりしないか?」


「そうよ!まだ朝ご飯食べてないじゃない!!」



そう言われれば…俺もまだ今朝から何も食べてないな。



今は9時40分、後でエリスにお腹が減ったと駄々をこねられても面倒だから先に食事をしてしまうか。




「……食べたら眠くなったとか言って帰るんじゃないぞ?」



「うえっ!?……そんなこと私がするわけないじゃない!」



帰るとか言ったらまたスパナを投げつけてやるとしよう!





駄菓子屋の中も冷房が効いてないんじゃ蒸し風呂だな。


ちなみに現在の気温、31℃(体感)だ。


昼にかけて更に暑くなるだろうな……。



「全然涼しくなーい!アイスアイスー!!……げぇっ!?」



エリスは駄菓子屋に押し入るや否や、入口近くのアイス売り場を見て驚愕していた。


だからアイスも溶けてるだろってさっき言ったばかりなんだが……ちょっと勿体ないな。



 俺もアイス売り場を覗き込んで無惨にも溶けてしまったであろうアイスの残骸と対面した……はずだった。




「………ンガーァ………クガ……。」



俺は一体何を見てるんだ……?


アイスが溶けているのはもちろんとして、その残骸にまみれて爆睡している全裸のヤムチャ……だと!?



……電波塔が壊れたあたりから夢だったらいいのにな……。



「エリス……こいつは見なかったことにしよう。考えなきゃならないことを今は増やしたくない。」



とにかく今は電波塔の修理に集中しよう。



「それは別にいいんだけど……アイスが無いと食べる物も限られてくるじゃない。」



そう言ってエリスはお酒売り場に向かいワインを手に取って……って、そんなことさせるか!!


俺はつかさずスパナをワインの瓶目掛けて投げつけた!!


バリーン!と瓶は砕け散って中身が床に飛び散る!



「うえええっ!!!な、何するのー!?」


「何って……酒を飲んで高所作業だなんて自殺行為だぞ!!うっかり転落したらどうするんだ!!」


「もう……仕事前にお酒が飲めないなんて難儀だわー。」



むしろ仕事前に酒が飲める職種なんてそうそう無いだろうに……。


エリスにはこれでも食べてもらおうか!



「お前には俺のお気に入りをやろう。」


「うん?何これ……?リコリスって聞いたことはあるけど食べたことはないわね。」



 俺からリコリスの入った袋を投げつけられたエリスは素直にそのパッケージを開けて、口に中身を放り込んだ。



「うん……?ねえ……これってさ、そもそも食べ物なの?」



彼女はとても複雑な顔をしている……お気に召さなかったのかもな。



「俺の大好きなおやつなんだが……みんなちょっと敬遠するんだよな。鈍感そうなお前なら嫌がらないかと思ったんだ……。」


「何よそれ!!私を実験台にしたの!?」


「いやいや、俺はリコリスの素晴らしさを知ってほしかっただけだぞ!!」


「いくらよしだくんが熱心に言っても、肝心のリコリスがこれじゃあダメよぉ。」



エリスは既にさきいかで口直しをしている。




おっと……変に時間を使ってしまったな。


防護服は目立つ所に陳列されていたから貰っていこう。



「エリス、そろそろ仕事に戻るぞ。ソフトドリンクは熱中症予防で沢山持っていくとしようか。」


「えっ……まだ全然食べてないんだけど!?」



 俺はリュックに飲み物を大量に詰め込んでから、さきいかを咥えているエリスを引きずって電波塔へと戻った。





「どうせもう使い物にならないだろうから配線を丸ごと撤去してしまおう。」


「暑い、暑すぎるんですけどー!!」



 ドリルの刺さった跡から吹き出る火花を止めるべく、俺たちはその周辺の回路を丸ごと撤去しようとしている。



 だがエリスと来たら火花を怖がってなのか、はたまた暑いのを嫌がってか、なかなか火元に近づこうとしない。



まあ、こんな厚い防護服を着て炎天夏での作業なんだ、気持ちはよく分かるぞ。


だが、手を動かさなきゃ終わらないよな?



「手を止めたら後ろからスパナが飛んでくると思え?」


「その攻撃本当に痛いのよ!?やるから!!分かったわよ!!」



エリスがそうして渋々と作業場所に近づいたその時だった。


彼女の姿が急に俺の視界から消えてしまった。



「いやぁーっ!!」



ガッシャーン!!という爆音とエリスの悲鳴が共鳴して俺の鼓膜は大ダメージを受けた。



「な、何だ……!?」



って、おいおい!!眼の前にあった足場が無くなってるぞ!?


慌てて下を見ると無残にも脱落した足場とエリスが一つ下の階層に転がっていた。



「だ、大丈夫か……!?」


「うぇー……何が起きたのよ……?」



よく見ると足場の至る所に弾丸が突き刺さっている。


どうやら昨晩の銃撃で足場がかなり損傷してしまったのかもしれない。



これは……先に足場から修理しなければならないようだ。



「動けそうなら早く降りたほうがいいかもしれないな。足場の補強は……大変だぞ?」


「えぇ……大変なのは嫌なんだけど……!なんで私がこんな目に……。」



 お前自身が招いた結果だろ!という言葉を飲み込んで俺はヨロヨロ歩きのエリスと共に足場を下っていった。 






「……とりあえず、どこまで上流に遡って修理が必要なのかは先に確かめておいたほうがいいな。」



と言うわけで俺たちは電波塔の地下室へやって来た。


ここが電波塔での発電スペース……だと俺は考えている。



だが特に何か特別な機械があるわけでもない。


 五畳くらいの石で作られた真っ暗な空間には等身大の黒い箱のような装置が一つだけ……開け方も分からないし実は俺にも中身がどうなっているのか分からないんだ。


まさしく『ブラックボックス』って訳だな。



そのブラックボックスから出ている回路の電圧と電流を測定してみた。



「うん、ここはいつも通り異常なしだな。つまり、ここより下流のルートだけ交換すれば良さそうだ。」


「よく分からないけど……もうあんな目に遭うのはごめんよ?」



エリスはちょっと不機嫌そうに俺の作業風景を眺めていた。


それにしても、この電圧なら普通に家庭用の電化製品も動くんだよな。



 ここから俺たちの家へ電線を繋げてしまっても問題はないんだが……それだと電波の中継装置が動かなくなってしまう。


それにここから地表に電線を露出させて繋げるなんて危険極まりないからな。


エリスなんて普通に触って感電しそうだ……。



「よし、作業の方針としてはまず足場の補修、続けて電波塔内部の回路を全部交換、さらには森の中でショートしている電線も交換!あ、アンテナもせっかくだから付け替えてしまおうか。」


「ふーん、じゃあよしだくん頑張ってね。」



俺が一人で盛り上がっているといつの間にかエリスが防護服を脱いで地下室から出ようとしている。


……逃がさないぞ!!



俺はリュックから瓶ラムネを取り出してエリスの後頭部に投げつけた!!



「ぎゃあっ……!?こ、今度は何なの!?」



瓶ラムネは飛び散って地面が瓶の破片でキラキラ光っている。



「逃げられると思ってるのか?悪いが電波塔が元通りになるまでお前は絶対に仕事をサボれない……サボらせないからな。」


「ひやぁぁっ!?ねえ、怒ってない顔なのにすごく怖い!!ねえ、そのスパナ持つのやめて!!」



今日だけでもう何度奴の顔を殴ったか分からないこのスパナを気がつけば俺は手にしていた。



「分かったら、まずは足場の補修だ。ほら、工具を持て!!」


「はいいっー!!な、何で私がこんな目に……。」





それから嫌がるエリスをこき使って下の方から順番に足場を撤去したりねじ止めの補強をしていった。


途中ではしごが折れてしまったり足場がまた脱落して落ちたりとかなり危なかった。


もちろん、毎回エリスがはしごを登ったり足場の上をドカドカと歩いたりしてる時に起きたことだ。


そんなわけで空が暗くなる頃にはエリスの手足が痣だらけになっていた。




「もう全身痛いわよぉ……。」


「だがお前が人柱になってくれたおかげで補修すべき箇所は分かった。暗くなってからの高所作業は危険だし、一度集会所に戻って晩飯の支度をミーシャがしてるかどうか確認してみるか。」



いつも調理には薪を使っているから電気を使わずとも料理は可能だ。


だが、ポケベルが使えないからみんなが今どうしてるのか全く分からない……。


今日はまだミーシャに会ってないしな。



「よしエリス、俺の家の前から薪をリヤカーで運んでくれ。」


「え……?まだ働かせる気なの……あーっ!!」



疲労困憊な上に驚かされたエリスははしごから滑り落ちてしまった。



「薪がどこにあるかは流石にもう分かるだろ?リヤカーもそばに置いてあるぞ。どのくらい持っていくかは任せる。」



俺はそう言い残して足場から降りて家に戻った。

 暴力的なよしだくんが盛りだくさんでしたね!!

彼も何だかんだで100エーカーの森の住人だと言うわけです!!


 ちなみに彼がエリスに投げつけた瓶ラムネは中身がそっくりそのまま入ってるようだったので、中身も一緒に地面へ飛び散ったことでしょう……。


 そんな細かいことは気にしない彼らの電波塔修復作業はまだまだ続きそうです。

エリスは無事に電波塔を直すことが出来るのか??

彼女は次回、何を投げつけられてしまうのか??

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