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100エーカーの森の悲劇  作者: カンナビノイド¢39
第5章 終わらぬ悲劇の中で
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0-16 ただ一つ、持っていたもの(過去編第三話)

ーー前回のあらすじーー


コルクは100エーカーの森にまつわる歴史を森の住人たちに打ち明けた……。


 一人でも戦況をひっくり返せてしまうような最強の能力を持つ戦士を自らの手で誕生させようとした彼女の祖父は、アマゾンの奥地に戦場で拉致した民間人と仲間たちを住まわせる、言わば『遺伝子実験場』を作りだしたのだ!!


 住人たちに暗示をかけて拉致された記憶を封印し、気候を変えて四季を作り出し、計画の内容は組織の人間の中で厳重に管理されていた……。

まさに多くの人間の命と人生を賭けてきた壮大な計画だったのだ!!


 その計画を台無しにされ怒り心頭のコルクは、何と本当の100エーカーの森を爆撃することで一瞬にして灰にするという暴挙に出たのであった!!


 それすらも余興と称して次は森の住人たちを殺処分しようとしたところにやって来たのは、遠くへ逃げていたのであろうタッキーであった!

彼はチッダールタにもう一度テレパシーの能力を与えてくれと懇願する。


 タッキーがコルクの気を引いてくれることに賭けたチッダールタはその力を与えた。

すると彼はエリスがくーちゃんを殺した犯人だと暴露ではないか!!


 問い詰められたエリスは自らにかかっていた暗示が解けて一度は姿を隠したものの、その場所へくーちゃんが偶然にもやって来てしまいパニックになって咄嗟に銃殺してしまったと白状した……。


 そしてもう一つ……タッキーは襲撃の日に、ヤムチャが二人いたのはどういうことだったのかチッダールタに説明を求めて来た。


 もう真相を話すしかないと思った彼は神通力でキヌタニの姿をヤムチャに変化させて、彼を襲撃の囮にしたとそう告げたのだった。


 駄菓子屋で可能な限り飼い殺して使えなくなったら切り捨てる……そのやり方がコルクには好感だったらしくもっと彼のことを知りたいと、断ったらいつでも殺せるとそう脅してきた。


チッダールタは観念して自分が何者なのか、そしてこの長い人生で見てきた全てを話し出した……。



 遂にただのおじいちゃんことチッダールタの秘密が暴かれます!!

彼には一体どんな恐ろしい性癖が眠っているのでしょうか?


 まずは、まだ彼が若かりし頃のお話です……。

チッダールタの若き日の姿を思い浮かべて本編をお読みください……。

私はここに来る前、とある街の路地裏で暮らしていた。



家族も家もなく、子供の頃から屋根のある場所で過ごしたことがなかった。



ゴミを漁ったり路地裏を走っているネズミを捕まえて何とか食い繋ぐ生活だったな。



 時折、私が留守にしていると寝床に誰かがパンの耳をたくさん入れた袋を置いて行ってくれて、それを楽しみにしていた。





自分の年齢も分からぬまま、物心がついてから15回目の冬が来た。



街の表通りが年末年始に沸く中、一人の男が私のもとを訪ねてきたんだ。




『稼ぎのいい仕事がある、それも住み込みだ。私と一緒に来ないか?』



どうして私のもとに彼がやって来たのかは分からない。


だが、宿無しの私にとってこれほど有り難い話はなかったよ。



だから私は藁にも縋る思いで何も知らないまま彼についていった。



 そして私は早速仕事場に連れて行くから一台の大型トラックの荷台に入れと言われて、言われるがままにその中へ入ったよ。



 もしかしたら今から行く場所は危険かもしれないし、犯罪に加担させられるかもしれないとも考えは頭の中でよぎってはいた。




だがそれでも良かった。


あのろくでもない暮らしから抜け出せるのなら何でもやってやろうと考えていたからな。





でも私が仕事にありつけることはなかったよ。


 真っ暗な荷台の中で座り込んで待っていると、突然自分のいる空間が変な臭いのするガスのようなもので満たされたんだ!



そして私はすぐに意識を失った……。






次に目が覚めた時、私は全く見覚えのない場所にいた。



空は黒く、木の葉が風に吹かれる音しか聞こえてこなかった。



周囲にはたくさんの木々、覆い茂る低木……そして目の前には一軒の小さな建物があった。


今までとは全く違う環境に来たから最初は死後の世界なのかとも思った。


だが自分の顔を殴ってとても痛かったから、まだ自分は生きていると分かったんだ。




とにかく外は寒かったので私はまず、目の前の建物の中に入った。



幸い鍵はかかっておらず、簡単に中へ入ることが出来た。



 電気などというものを使ったことがなかった私は、屋内の照明も点けずに暗闇の中で使えそうなものはないかと探し回った。



しばらくして私は干し肉の入った棚を探り当てた。



私は思い出したよ、ずっと空腹だったことをな。



そして夢中で干し肉を貪った。



誰かが来るとか、ここには誰かが住んでいるとかは考えなかった。


そんなことはどうでもいいくらい飢えていたんだ。




やがて腹が満たされると、私は色々な考えが頭をよぎるようになった。



ここは一体どこなんだ?


あの男は私を騙したのか?


ここへ連れてきてどうするつもりなんだ?



何も答えは出てこなかったが、一つだけ確かな考えが頭の中で固まった。




『他人なんて絶対に信用してはいけない。』




ここが集落なのだとしたらそこの住人とは関わらないでおこう。



 そう思って私は小さな集落の中を一通り見回りながら、盗めるものは盗んでその集落から少し離れた所に自分の住処を作ることにした。



もうあの路地裏にだって帰りたくなかった。


だから私には帰る術など不要だったんだ。



 明け方までには盗んできた工具とその辺りの低木で木の上に簡易な寝床を作ることに成功し、また少しそこで眠ることにした。



そして目覚めると昼過ぎになっていた。


睡眠を取ってクリアな頭でこれらのことを考えていると、とある事に気がついた。




『あの集落なら簡単に物を盗めるかもしれない。』




たった一度、前の晩に上手く行っただけだったがそう思った。


 だから夜まで待ってまた盗みに入ろうとそれまでは食べられそうな木の実を探したりしていたが、食用としては向いてないものばかりだった。





 そして寝床を広げてツリーハウスのようにしていたら、いつしか夜も更けており私はもう一度その建物に忍び込むことにした。



とにかく夜は寒さが厳しかったから毛布や薪を探していた。



だが、野菜や干し肉こそあったものの暖を取れそうな物は見つからなかった。





私は危険を承知で他に忍び込めそうな建物がないかを探すことにした。



一軒ずつ窓から中の様子を伺うと、建物の中で眠っている人間が見えた。



だからここはまだ住人がいる集落なのだとこの時には理解していた。




その中で一軒だけ窓のない商店のような建物があった。


きっと商店なら夜は無人だろうと思い、外側から外せる鍵を見つけてその建物に入った。





建物の中は商店と言うにはあまりに品揃えの網羅している範囲が広すぎた。


お菓子から角材や武器、布製品まで売られていたな。



私は無人なのをいいことにありったけの物を盗もうとした。





「うーん……みんなお会計を……払って……?」



売り物を物色していると突然、どこからか声が聞こえてあの時は心底焦った。


店の奥にあった引き戸をゆっくりと開けると、その奥の部屋で誰かが眠っていた。



 だが彼は起きてないようだったので念のため売り物だったのであろう、つっかえ棒を引き戸に挟んで出られなくしてから店内を物色することにした。




 布団や灯油、懐中電灯が手に入ったのは大きかったな。


商店と拠点を何往復かして、発電機とストーブも持ち出すことが出来た。


うっかり拠点を燃やさないか心配だったが、灯油の扱いさえ気をつけていれば平気そうだった。



暖かい寝床と光源を手に入れた私は、当分はここで暮らせそうだと安眠出来たものだ。





それから五日くらい経った日の夕方だったか。


昼寝をしていると地上の方から声が聞こえた。




「おーい……誰かいませんかー?おーい!」



うるさくて寝られなかったので仕方なく私は寝床から顔を出した。


すると、地上にはボロボロの服を着た手ぶらの男がこちらの方を向いて立っていた。



「あっ、人がいた!急に申し訳ないが、食べ物を持ってないだろうか?もう空腹が限界で……お願いします、分けてください!!」




正直、他人と関わりたくなかった。


 だが食べ物を分けないとあの男はそこから動かないだろう、そう思った私は寝床から干し肉を彼の方に向かって投げ捨てた。


男は最初驚いていたが落とされたものが食料だと分かると、途端に表情が明るくなった。




「あっ……ほ、本当にありがとう!!ところで君はどうやって干し肉なんか調達しているんだ?」


「ここから少し離れた所に小さな集落がある。夜中なら簡単に物を盗めるからもっと食料が欲しいならそこから取ってこい。」



面倒だと感じた私はそれだけ言い残すと寝床に戻って身を隠した。



「そうなのか!いや、俺は隠密行動なら得意だ。貰った食料は盗んで返しに来るよ!」




その言葉を私は顔も出さず無視したが、彼は満足そうに集落の方へ向かったようだ。


そして私の方はと言うと、他人といちいち関わることになるのはごめんだと思ってどうしたら最速で追い返せるか考えたりもしていた。




だが結局、彼が私のもとを訪ねてくることはなかったよ。


 住人に捕まったのか、はたまた盗んだ成果を独り占めしたのか……いずれにせよ、他人など信用するべきじゃないと改めて思った。





そしてその生活も長くは続かなかった。


その暮らしを始めてから一ヶ月と少し経ったくらいのことだ。


私はふと、住人たちがどうやって干し肉を作っているのかと疑問に思った。



 時折拠点の近くにも現れる野生動物たち……もしかしたら狩猟をしているのかもと思った私は盗んできた鉄の鍬に目をつけた。


……これで動物の急所を殴れば仕留められるんじゃないか?


短絡的にそう考えた私は野生動物を待ち伏せして急襲しようとした。




もちろん、そんな作戦は上手くいくはずもなかった。


 臆病な草食動物は気配を感じてすぐに逃げていくし、敵対心の強い狼や猪はすぐに反撃しようとしてきた。



 危ないと思ったらすぐ木の上に逃げていたから襲われて怪我こそしなかったが、動物たちに目をつけられて一日中近くで見張られるようになってしまったんだ。



怖くて木の上から降りれなくってしまい、ずっとそこで生活して三日目だったか……。





「何だかこの辺りが最近騒がしいぞ?って、何だこの数の動物はよ!?」



誰かの声がしたから私は慌てて寝床にあった毛布の中に潜り込んだ。




「殺られる前に殺ってやらあ!うおおおっ!!」



獣の咆哮にも負けないぐらいの雄叫びに続いて野生動物たちの断末魔が聞こえてきた!


そう思ったかと思えば打って変わって何も聞こえなくなってしまった……。




「ったく、どうしてこんな場所に集まってやがって……んあ?何だあの建物は?」



その人物は私の作ったツリーハウスを見つけると、こちらに登ってきたのだ!




「誰かここに住んでやがったのか?」



そして私の寝床までやって来た。


私はそれまで以上に息を潜めた。




「おい……この工具、集会所にあったものじゃねえか?この干し肉と野菜も……最近いつの間にか無くなってたしよ。今は留守みてえだが、見つけたら痛めつけてやるか!」



そして高さ10m近くもある木から飛び降りて、着地したであろう時にものすごい音が聞こえた!



「まあ、貴重な肉がたくさん手に入ったし今日は良しとするか。」



声が聞こえなくなってからしばらくして、私は音を立てないように毛布から這い出た。



もう人間の姿は見えず、動物たちも……身体をバラバラにされて息絶えていた。


 一瞬のうちに一体何があったんだとは思いながらも、これで地上に降りることが出来るようになって安心した。




そしてその夜、私はまた盗みを働きに集落へ向かった。


だが、この日は商店にしか行かなかった。



干し肉を盗んでいたことが警戒されていてまた行くのは危険だと思ったからな。


そしてそこでまた必要なものを持ち去ろうとした。





「うーん……トイレはどこ……?……今は閉店の時間なのに?」



 だがその最中でトイレに行きたくなったのか、寝ぼけて布団から出てきた住人と店内で鉢合わせしてしまった!




「えっと……見ない顔だけど……幽霊!?ひいいっ……きゅうぅぅ……。」




……だがその住人は私が何をするまでもなく、失神してその場に倒れてしまった。


それでも幽霊に売り物を盗まれたと思われても困るから、また彼のことを寝床に戻しておいた。



一応……何かに使えるかもしれないと拳銃と弾薬も盗んでおいた。





そして寝床へ戻り、次の日の夕方だった。


いつものように昼寝をしていた私のことを大きな揺れが襲った!



地震が何かだろうかと考えている暇もなかった。


みるみるうちに寝床は傾き、私はツリーハウスから投げ飛ばされた!



私が地面に叩きつけられるのと同時に轟音が響いた!!


叩きつけられた痛みで私は地面に倒れ込んだまま動くことが出来なかった……。




「いたた……方向転換に失敗して密林に突っ込んじゃった……。どうやって戻ろうかな……?」



ふと、声のした方を向いて目を薄っすらと開けると、何やら丸っこい物体が喋っていた。




「うーん、勢いが足りなくて木が倒せないなあ。……もしかして俺、ずっとここで過ごすの!?」



 その丸っこい物体はゆっくりと転がっていたが、木にぶつかってすぐ止まり、また別の方向に転がるということを繰り返していた。





「おーい!!何かバカでけえ音がしたと思ったら原因はてめえか!!もういい加減、転がることに飽きてくれや……。」



しばらくするとまた別の人物と思われる声が聞こえてきた。



「そんな事言われたって、転がる方が楽なんだもん。ねえ、一緒に転がってみようよ!」


「そんなの絶対にごめんだ……おい、誰か倒れてるぞ!」




意識がどんどん薄れていく中で誰かが駆け寄ってきたのを覚えている。



「待てよ、この木にはあのツリーハウスが……なるほどな。まあいい、森に連れて帰るぞ!てめえは自力で帰れや。」



昨日ここに来た人間と同じ声だった。




「……えっ!?迎えに来てくれたんじゃないの??」


「仕方ねえな、一発だけ背中を押してやるよ……おらああっ!!!」


「あああーー!?!?そこはお腹ぁぁー!!」



その悲鳴が遠くなっていくと同時に私の意識もまた遠のいて行った……。






次に目が覚めると私は民家のベッドの上だった。



「お、目が覚めたようだな。気分はどうだ?」



声のする方に首を傾けると、大柄な青年がいた。



「木が倒れた拍子にツリーハウスの上から落とされたみてえで……ありゃ災難だったな。って言っても俺の仲間が原因なんだ、済まねえことをしたな。それは申し訳なく思うぞ、だがな……。」



そして彼は背後に立てかけていた鍬を私に見せた。



「これは俺がいつも畑作業に使っていた鍬だ。それがどういうわけかてめえのツリーハウスの中にあった。納得のいく説明をしてもらおうじゃねえか……!!」



彼は泣く子も顎を外すような怖い形相で私のことを睨みつけた。




「…………。」



怖かったが、私は黙っていた。


 納得の行く説明など出来るはずもなかったし、そもそもどうやって人と話せば良いのかすら分からなかったからな。



「ほう、これでだんまりを決め込むたぁ、感心するぜ?だが、全部吐いちまった方が身のためだとは思うがな!」



続いて彼は、私が商店から盗んだ拳銃を取り出した。



「こんな物騒なものまで持ってよ、一体何をするつもりだったんだ?ああ!?」



彼は口調が強く、表情もさらに険しくなった。




「…………。」



別にここの住人を襲うために使うつもりはなかった。



……最悪、身に危険が及びそうなら撃っていたかもしれないが。


だとしても盗んだ目的など本当になかったから答えようがなかった。



「人には言えねえってか?本当に何を考えてやがる?もしどうしても吐かないってなら、監禁も考えなきゃならねえよ!」




「…………。」


「その沈黙は肯定の返事ってことで良いんだな?……なら、その前に他の住人も呼んでもう少し尋問をしてやる。」





それから程なくして他の住人たちも民家へ集まってきた。



「こいつが窃盗犯……?とても恐ろしいオーラを感じるわよ、殺人犯の間違いじゃないの!?」



同年代の女性に第一印象だけでそんなことを言われるのはさすがに心外だった。


 私は生きるために盗みこそ昔から繰り返してきたが、人に危害を加えるような真似は自発的にしたことがなかった。




「そしてお前の尋問で何も吐かなかったんだろ?wwそれってなかなかに強者じゃねえか?www」



「笑い事じゃねえぞ……。だがそれで何も言わないたあ、本当に只者じゃなさそうなんだよな。だからどんな後ろ暗い正体があってもおかしくねえ!」



「でも、今のところは物を盗んだだけで俺たちに危害を加えるようなことはしてこなかったじゃないか。いくら何でも殺人犯は言いすぎだと思うぞ?」



「ついこの前、どこかで会った気がするけど……うーん、分からないや。」



住人たちはそれぞれの意見を述べていった。





正直、欲しい物が盗めれば後は永遠に会うこともなく関わらないのが一番良かった。



 だが、こうやって見つかってしまった以上は二度とこの集落には立ち入ることなく、一刻も早いこと遠くに逃げようと彼らを前にして思っていた。



「まあいい、じゃあもう少してめえには質問をさせてもらうぞ。まず、てめえはどうやってここへ来た?」




「…………。」




 まさかガスのようなもので眠らされて、気がついたらここにいた……なんて話は信じてもらえないと思い、私は黙っていた。


何ならここはどこなのかこちらが聞きたいくらいだった。




「それも言えないの?ますます怪しいわ……。」


「答えねえなら自分の立場が危うくなるだけだぞ?なら、次の質問だ。ここへ来た目的は何だ?」




「…………。」




自分の意志で来たわけでもないのにそんなものが存在するはずもなかった。


結局私はこの質問に対しても黙り込むことしか出来なかったんだ。




「それも言えないのかよwwお前、実は言葉が話せないのか?ww」



その住人の言葉には心底腹が立った。




だが、あながち間違ってもいなかった……。


昔から全く持って人と会話をしなかった私は自分の状況を説明するための語彙力がほぼ皆無だった。


 だから言葉が話せないというのは……正しかったのかもしれないし、何を言われても黙っているしかなかった。




「嘘すらつかねえとはよ……さすがにこりゃ予想外だぞ??だが、せめてこれくらいは答えてくれや。てめえはどこの誰なんだ?」



この質問になら答えられそうだった。




ずっと生きていた街の名前なんて知らなかった。


だが、住む家も、家族も、仕事も何もなかった私が唯一持っていたもの……。





「俺の名前は……スターク。」




それは名前だった。


もうお前たちは気がついているだろう。



これは1995年2月、つい数ヶ月前のことだ。


だが私にとって、100エーカーの森にやって来たのはずっとずっと……何十年も前の遠い記憶。





これは、私がまだスタークだった頃の話。

 正直、今回の中盤は全然重要な話ではなかったですね……。

大事なのはチッダールタがスタークだったと言うこと……。

意味が分からないですね。(他人事)


 最後の過去編はこんな感じに淡々とお話が進んでいきますので、あまり過激な内容は期待しないでいただけると助かります……。


 ところで何故ツリーハウスにヤムチャが登って来た時、彼はスタークの存在に気がつくことがなかったのでしょうか?

彼なら人の気配を感知してすぐに分かってしまいそうですよね?


 答え合わせこそしませんが、この先でその理由はそれとなく書かれるかと思います。

それも少し気にしながら今後の展開を読んでみてください。

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