表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
100エーカーの森の悲劇  作者: カンナビノイド¢39
第5章 終わらぬ悲劇の中で
122/162

5-8 偽物のエリス

ーー前回のあらすじーー


 すべてに絶望してしまったミーシャを止めるべく、よしだくんは彼女を追いかけていかに自分が彼女のことを大切に思っているかを力説した。


 しかしミーシャは……よしだくんの言っていることが間違っていると、彼の想いを根こそぎに否定してそのまま崖から飛び降りた。


 その場に立ち尽くすことしか出来なかったよしだくんの後ろから飛び込んできたのは、ただ待っていることなんて出来ずにやはり彼女を追いかけて来たシンタローであった!!


 彼は自らの両手を下敷きにすることで、ミーシャの命を救ったのだった……。

だが、新たなる問題が……エリスが行方不明になってしまった!?


 森の住人たちはスタークのことを疑うが、まだ森の外の様子も分からない状態……。

まずは未知の脅威に備えるべく彼らは体勢を立て直すのだった。



 何事も準備は大事です、それは小説を書く時にも言えることなのでしょうが……。

この小説ほど無計画に書かれている作品も中々にないでしょう、ノンフィクションなので考えることは少なくて済むのです……。


 ですが、執筆の無計画さは今までの投稿日を見れば一目瞭然でしょう。

何食わぬ顔で一年サボったりしていますw


 読者の皆さんは仕事や学校をサボってしまう方ですか?

作者は大学生の時に実験をサボって隠れて寝ていたり、高校の時は部活をサボってうどんを食べに行ったりしていました。


 実験をサボってする昼寝と、部活をサボって食べるうどんは最高なので皆さんも是非!!

(……各方面から色々と怒られそう)

さて………面倒なことになったな。



『思うんだ……。もう駄菓子屋が使われることもねえ。そうなった時、きっとここは取り壊して……キヌタニの記憶もきっと薄れちまう。だから……新しい家なんていらねえ、俺はここに住むぞ。』


『いいと思うよ。駄菓子屋がなくなるのは俺も辛いからさ。みんなもきっとそうだよ!』



駄菓子屋に住むだって!?


そんなことをされたらそう遠くないうちにこの地下の存在がバレてしまうかもしれない!!



「くぁーっ!!こんな胃袋の限界までアイスが食えるなんて最高だぜ!!さーて、腹も膨れたし寝るとするか……zzz」




 そんな状況でもあのスタークとか言うバカは、アイス売り場の前で大きくなった腹を抱えて寝転がっている。



まあ、あいつはとりあえず無視だ!



さすがにここの存在を知ってしまったらみんな無事じゃ済まないだろう……。




その時、通信機が反応した!




「何だ!?エリスの方で何か分かったことでもあったのか?」



俺は通信を繫げた。




「エリス、こちらはまだ動きがな……、」



通信画面に目を移した俺は硬直してしまった。





「お久しぶり……ってほどでもないかな?まだ君はそんな所にいるのね。」



通信相手は体中に包帯を巻かれ、何本もの点滴を繫げたコルクだった……。




「コルク……い……生きて、いたのか……?」



「あの程度で私が死ぬわけないって言いたいところだけど、今回はさすがに危なかったらしいわよ?まあ、私のことはいいわ……プロトン、君は一体そこで何をしているの?」



彼女は画面越しに有無を言わさぬ表情でこちらを見つめてきた。



「目的は達成されました。でも隊長は大怪我をして、戦車は大破、仲間が数十人単位で不審死、おまけにキヌタニも死んだ……。起きていること全てがあまりにおかしいわよ?」



……さすがにコルクを誤魔化すのは無理だ。


言い訳なんて考えても無駄だろうな。



俺の発言を待たずに彼女は続けた。



「だからもう私は君を信用しないことにした。傷がある程度癒えたら直接、私が森に向かうわ。もし隠し事をしているなら早いとこ白状した方が身のためよ?」



言いたい放題言ってコルクは通信を切ってしまった……昔からそういう奴だからな。





はぁ……もっと面倒なことになってしまったぞ。


一体どうすればいい?



コルクにこの森の惨状を見られたら一巻の終わりだ。


だが、素直に白状したところで事態が好転するとも思えない。



……何とかして事実を隠蔽するか?


いや、でもどうやって??


それをするためには森の住人たちの協力が不可欠だ。




彼らからしたら俺は敵だ……。


素直に俺の言う事を聞き入れてくれるとは到底思えない。


ならいっそ全てを彼らに話してしまおうか……。



いや、それだけはダメだ!


きっとそれは誰も幸せにならない……。





………………。




そう簡単に分かってくれるとは思ってない。


彼らだってキヌタニを失って……俺たちのことを恨んでいるだろう。



それでも!



俺たちは敵同士なんかじゃなかったってこと。



むしろ助け合って生きてきた仲間だということ。



きっと分かって……いや、思い出してくれるはずだ。



少なくとも俺は忘れたことなんてない。




ずっと会いたかったんだから……。





気がつけば俺は歩き出し、エレベーターの上昇ボタンに手をかけていた。



「……ダメだ。まだ覚悟が出来ない!!」




時間にもきっと余裕があるわけじゃないだろう。



でも彼らといざ顔を合わせるとなると心の準備が必要だ……。



大丈夫、大丈夫……絶対分かってもらえる。







……さて、自分でも驚いたことに心の準備をしていたらあっという間に夜中になってしまった。




「……まさかここまで覚悟が決まらないなんて自分でも思わなかったぞ。」



「んごぉー……zzzz」



呆れたことにスタークはあれからずっと床で眠りこけていた。



まあ、好都合だからどうでもいい。




「上からは何も音が聞こえないから誰も居ないんだろうな……。」



つまり今は地上に戻っても意味がないということだ。



「いや、それでも行こう。」



このままウズウズしてても始まらない。


万が一見つかったらその時は覚悟を決めよう。



俺はエレベータに乗り込んで上昇ボタンを押すと、ゆっくりとエレベーターは地上へと動き出した。



「必ず救ってみせる……お前たちも、この森も。」



そう呟いた俺の声は金属の壁に吸い込まれていった。








 地上に出ると、電気が点けっぱなしで盗聴していた通りに駄菓子屋の中は掃除されており、昼間はここに住む準備をしていたんだなということがよく分かった。



「ここが無くなって欲しくないのはみんな同じだからな……。」



店っぽくなくなってしまったのは悲しいがそれは仕方のないことだろう。


この建物にもきっと彼らの思い出がたくさん詰まっているのだから。



「壊させない、絶対にだ……はっ……!」



開きっぱなしの入り口の方から誰かに見られていた気がした!


俺はとっさにレジの置かれているカウンターの下に身を隠した。



……いや、隠れていても仕方あるまい。


念のため、本当に念のためだ。



俺はピストルを片手に持ってカウンターの下から勢いよく飛び出した!



……しかし、誰も居ない。


気のせいだったのだろうか?





「そこにいるの……プロトンなの?」



油断していた時、入口の横から顔を半分だけ出してこちらを見た人間がいた。



「お前……エリスか?」



以前遠巻きに見ていた、見慣れた顔。




これはエリス……いや、『エリスの偽物』だ!



「そうよ、その反応は……じゃあコルクから私の話は聞いてるのね。」



エリスの偽物は駄菓子屋の中に入ってきた。



お前の話なんて知らないぞ?本当にお前は一体誰なんだ……!?


とりあえず最初はオブラートに包んで聞いてみるか。



「お前の……?いや、お前は基地にいるはずじゃなかったのか?」



彼女は少し驚いたようにこちらを見た。



「あら、何も聞いてないの?だとしたら、私を見た時にもっとびっくりするかと思ったのだけど。貴方は私が100エーカーの森の住人じゃないことは分かっているわよね?」



俺は素直に頷く。


すると彼女は続けた。




「プロトンよく聞いて、『本物のエリス』はちゃんと基地にいるわ。つまり私はエリスじゃない……。そして私がここに住んでいるのにはちゃんとした理由があるの。コルクの指示を受けてから住み始めて、もう三ヶ月ほど経つわ。」



お前が本物じゃないことくらい知ってるさ。



……だが、自ら偽物だということを告白してくるなんてさすがに予想外すぎるじゃないか!



そして彼女もまたコルクの下に従いている人間だということか。




だがそんな簡単に信じられるものか。



彼女が裏切り者だという仮説は全然否定できない。



コルクが生きていたのも悪いことばかりじゃないようだな。


彼女に確認して本当なら安心だ。




だがまだ分からないことがある。



「しかしコルクに命じられて来たとして……お前の役割は何だったんだ?」



「それは……コルクから口止めされているわ。私と彼女だけの秘密よ。でも一つ言えることがあるとしたら、今回の計画……かなり予定よりも遅れていることになるわ。」


「それは、彼を始末するということか?」


「始末ですって!?そんな事になっていたの!?」



ん?エリス……??


どうしてお前は計画の変更を知らないんだ?


それは流石におかしいだろ!!



「プロトン……どうして貴方がここにいるのかは分からないけど、とにかく今は私を匿って欲しい。今の私が住人たちに見つかったらこの計画がどんなことになってしまうか……!!」



エリスは突然、必死そうな口調になって助けを求めてきた。




正直、信用できない……。



だが、これは色々と尋問するチャンスなのかもしれない。



「貴方も存在を知っているはず、ここの地下でいい。そこに居させてくれればそれでいいの!」



駄菓子屋の地下の存在を知っているだと!?



組織に居ても普通のメンバーなら知らないはずだ。


つまりそれなりに計画の中心には近い人物のはず。



「分かった……。まだ聞きたいことはあるがとりあえずは下に降りるとするか。」



まだ頭が混乱しているが、まずは地下に戻るとしよう……。






「私……実際にはここに来たことはないの。でも話だけはいつもコルクから聞かされていた。『こんな施設を作らせた私ってすごいでしょ?』ってね。」


「あいつがそんなことを言うなんて意外だな。」


「普段は人前じゃ自慢なんてしない人だものね。」



随分とコルクと親しいような口振りだが……。


これは俺を踊らせる作戦か?



「あれが通信機器ね?とりあえず早急にコルクへ伝えたいことがあるの。通信を繋げてくれない?」



 コルクの部下だと言う話自体が作り話かも知れないと思っていたが、彼女との連絡を俺の前で取ろうとするなんて、これはどうやら本当のようだな。




「今は寝てるかもしれないが……起こせばいいか。」



俺は通信を繫げた。



「もしもし、こちらプロトン……コルク、お前は一体いつ寝てるんだ?」


「それは君も同じでしょ?それで?どうしたの、隠し事の白状でもする気になった?」



「……隠し事はないな。だが、匿ってる奴ならいるさ。ほら、ここに来い。」



俺はエリスを通信機の前に立たせた。





「え………えっ………!?あなた………!」



コルクはこちらも釣られるレベルで驚いている。



「お久しぶりね、コルク。本来ならば私が駄菓子屋の地下に来る予定なんて無かったでしょうけど、時間をかけすぎたようね。貴方が私にかけた暗示がついに解けてしまったわ。」



暗示……何のことだよ?



「そ、そういうことか……さすがに驚いたわ。確かに予定は計画が変更になった上にかなり後ろにずれ込んだ……遅くなったのは君のせいでもあるけどね。暗示の解けた今なら自覚があるでしょ?」



「うっ……それは……。」


「まあ、君が居なかったらそもそも計画がここまで進まなかったかもしれないし……もうそこは不問にしてあげる。」



「ちょ、ちょっと待ってくれ!さっきから言っている暗示って何のことなんだ!?」



全然話が見えてこないぞ!?


俺は我慢ならずここで口を挟んだ!



「ちょっと、まだプロトンに話してなかったの?」


「話していい内容なのかよく分からなかったのよ……。とりあえず、私が本物じゃないってことだけは伝えたわ。」



「確かに、貴方と私だけの秘密もあるからね。じゃあ、プロトンには伝えておくわ。さっき聞いたようだけど、君の横に今立っているエリスは基地にいるエリスとは別人……うん、別人よ。」



コルクは少しだけ言葉に詰まりながらそう言って、続けた。




「そして彼女をそっちに送り込む時、私は暗示をかけたの。『貴方は悪さをして逃亡し、気がついたら知らない場所に居た女子大生』よ。だから、ここに潜伏していた時の彼女には私たちの仲間だという記憶は無かったのよ。……でもそれが災いしたのか、いつもキヌタニの邪魔ばかりしていたそうじゃない。」



「それは……申し訳ございませんでした。」



エリスは後ろめたそうに頭を下げた。



「仕方ないと言えば仕方ないわよ。何も知らない状況だったんだしね、そんな状態でキヌタニを見かけたら虐めたくなるのだって無理もないわ。」




……すごく複雑だ。


キヌタニが虐められていたのはこのエリスが元凶だ。


だが、彼女にはキヌタニが仲間だという自覚もなかった。




……結局、あいつを追い詰めたのは俺たちヴェルト・マスリニアだったってことか。



「まあ、大体は理解出来た。遮って悪かったな。」


「そうやって住人たちに自分の正体がバレないようにしていたわけなんだけど……私からも質問いいかしら?計画が変更になったって具体的にはどうなったの?」



「そっか、そのあたりの事情は何も知らないのよね。……実は、未来から来たって言うキヌタニが私にこう言ったのよ。『ターゲットの生け捕りには成功したけど懐柔に失敗した』とね。結果としてこの森は焦土になったらしいけど。だから、彼のことは殺すことにしたの。」




「……!?ご、ごめん、情報量が多すぎるわ……。えっと……。」



エリスは30秒ほど考え込むように黙って頭の中を整理していた。




「うん、何となくは分かったわ。だからあれほどの人員を使って襲撃を起こしたのね。」


「未来から来たキヌタニ……彼はそれを伝えた後、どうしたんだ?」


「それが……誰かに殺されたのよ。も、もちろん私じゃないわ!!」




「な、何ですって!?そういえば姿を見かけないと思っていたけれど!!もしかしてキヌタニの正体が住人たちにバレて!……いや、ならこの時代のキヌタニもその時に無事じゃ済まなかったはず。外部から流入してきた人間の仕業だとは思うけど……!」



「確かに怪しい奴が何人かいるようなんだ。俺の方でそれとなく探ってみてもいい。」



「……君のことは信じないけど、気になるなら調べてもいいんじゃない?とりあえずエリス、森の住人との接触はしないように。私が指示を出すまでは駄菓子屋の地下に潜伏していること。いい?」



こっちの返事を待たずにコルクは通信を切った。




「本当に人の返事を聞かない上司だな。」


「そんなの始めから分かっていることじゃない。……それはそうと、彼が生きてることをとっさに言わない選択をした私を褒めて欲しいわ。」



「彼の懐柔に失敗して……どんな過程を辿ったのかは分からないが森が焦土になった。もし、彼の排除に失敗したことが分かったら同じ運命を迎えるかもしれなかった、ってことか。確かに、彼が生きてることをコルクに伝えていたら大変だったろうな……。」



彼に死んで欲しくないから俺にも好都合だとは流石に言えないな。


 だが、その点も考慮に入れると、ますます彼が生存していることがバレるわけにはいかなくなったな。



早急に彼らと接触を試みたほうがいいだろう。




「それにしても、てっきり私が基地まで移動する手はずを整えてくれるものだと思っていたけれど……いや、そんなことはないか……。」


「だが、暗示の解けたままずっとここに居ろというのも中々に酷じゃないか?」



「そうかもしれないけどね、私は結局のところ『偽物』なのよ。基地に戻ったらエリスが二人いるってなって混乱を招きかねないわ。」




……分からない。


とりあえず、ここにいるエリスはちゃんとした目的を持って森に潜伏していたことは本当だろう。



だが、彼女が『エリス』でいる理由はあるんだろうか?



 結局は森に亡命してきた女子大生を演じれば済むだけの話で、『エリス』という人間を演じる必要性は全く無いんじゃないのか?



外見までそっくりだし、コルクと彼女しか知らない何かがありそうだ。


とは言え、それを問い詰めるのは今ではないだろう。



彼女も森を焦土にすることは望んでいないようだし、ここはひとまず協力を……。




「うあー……よく寝たぜ……。やっぱりアイスを食った後の昼寝は最高だな……!さて、今は何時だ?って、時計がねえぞ!?どうなってやがんだこの倉庫は!」



倉庫の方から声がするぞ!……って何だよ、ただのスタークじゃないか。


考えなきゃいけないことが多すぎてすっかり存在を忘れていたな……。




「えっ、ちょっ!!ど、ど、どうしてスタークがここに居るのよ!?」



エリスは過剰とも思えるほどに驚いていた。



でも、関係者以外をこんな所に連れてくるなんて普通じゃ有り得ないからな。



「まあ……これは応急処置みたいなものだ。正直こうするしかなかったんだよ。」



「こうするしかないってどういうことよ……。」



そんな会話をしていたらスタークがこちらを見てきた。



「おい下僕!俺様は寝起きで喉が渇いたぞ!!サイダーはどこにあるんだ!?」




飲み物なんてそこら辺にあるから勝手に探せ、そもそも誰が下僕だって……?



「あらあら、サイダーなんかよりもっと美味しいものがあるわよ!ほら、私の唾液を飲ませてあげるからお口を開けなさい❤」



いや、何でお前が反応するんだよ!!


もしかしてお前、森ではそういうキャラで潜伏してたのか!?



「なあああっ!?てめえ、エリスか!?貴様のような汚らわしい存在が俺様に近づくんじゃねえ!」



そう言われてもエリスはスタークに近づいていく。



「遠慮はいらないわ〜!ほら、んーーーっ!!」


「く、く、来るんじゃねえ!!」



スタークは倉庫の中で逃げ惑っている……初めて彼に同情する気になったよ。


あれに追いかけ回されるのはさすがに神経がすり減るな。





「どうしてあなたは私を見て逃げるの〜?」


「それはてめえが他人から逃げられるような行動をとっているからだろうが!!」


「これだけアピールしてるのに伝わらないなんて鈍感さんね❤」


「おい!どうして、鞭を持つ!?」



エリスはスタークを追いかけながら鞭を手に取り彼の背中に狙いをつけていた。




これは……見てるだけで疲れるぞ。







「はぁ……やっと静かになったか。」




「zzzz……。」


「くかーーっ……。」




スタークとエリスの鬼ごっこを見かねた俺は麻酔弾で二人を強制的に眠らせてしまった。


 正直スタークは巻き込み事故だったが、あのまま彼女に追いかけ続けられるよりは彼にとっても良かっただろう。




さて、俺も眠るとするか……。


 俺は倉庫の床に畳を敷き、その上に布団を持ってきて横になると、一気に疲労が押し寄せてすぐに意識が飛んでしまった。






次に意識が戻った時はパチン、パチン!と言う高い音が耳に入ってきた。




「うん……何だ?」



俺は目を開けて、音のする方に顔を向けた。




「おらっ!……何回やっても足りねえな!その体が挽き肉になるまでこの鞭で捏ねてやらあ!!」



「ぐっ!!……zzz」




寝る前とは立場が全く逆でスタークがエリスを拷問していた。


どうやらスタークの方が先に麻酔が切れたらしい。




この二人は本当に何をしているんだ……。







「zzzz……。」


「ううっ……すーっ……。」




エリスの身を案じた俺は、またしてもスタークを麻酔弾で眠らせてしまった。


左腕にふと視線を動かしたが、家に帰った時に腕時計を外したっきりだったな。



通信機のモニターには『13:08』と映されている。


どうやら俺も随分と眠っていたらしい。




……これ以上はもう迷ってられない。



俺はエレベーターの昇降ボタンを押した。


ガタン、とエレベーターは上昇を始めた。




行こう。


彼らの悲劇に向き合わなくては。

 特定の人物の偽物……影武者と聞くと有名人によくある話ですが、実は作者にも知らないうちに影武者が誕生しているようなのです。


 いつの間にか影武者が飲食店で飲み食いしてツケが本人に来たり、知らない所で自分の身に覚えに無い出来事で話題になっていたり……。


 どうやら『勝手に影武者サービス業者』(←名前は今考えましたw)がいるようなので読者の皆さんもお気をつけてください!


 そして作者の影武者を発見しようものならぶちのめしておいてください!!

間違っても本人を捕まえないでね……?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ