1-11 束縛リンチ
ーー前回のあらすじーー
隕石となったボールは地上に帰還した代償としてスタークの家を木っ端微塵に破壊した。
何故か気絶しているだけで済んだスタークには目もくれず、森の住人たちはボールの本名について考察を始めた。
そんな彼らの努力も実らずに答えは見つかることなく、先にボールが意識を取り戻した。
だが不幸な事故によりボールは再び眠りについてしまったのであった……。
どう頑張っても思い出せないことってありますよね!
読者の皆さんは今日の朝ご飯を食べたかどうか思い出せますか?
「おじいちゃん、さっき食べたでしょ?」
こう言われ始めたらそろそろヤバいかもしれません……。
作者もいつ「イマージナリーおばあさん」にそんなことを言われないかビクビクしながら生きています。
読者の皆さんはボールの本名を予想して本編へ進んでください……。
「はっ!?俺、寝てたのか!?トイレに座ってたらいきなり轟音が響いてきやがって、一瞬目の前が明るくなってから……くそっ、思い出せねえ!」
ヤムチャの叫び声は森全体に騒がしいほど響き渡り、ボール以外の人物を目覚めさせたようだ。
その人物はボールでもキヌタニでもなくスタークであった。
彼はまた独り言を呟いては勝手にキレていた。
「つーか、何で目の前が真っ暗なんだ!?電気は消えちまったのかよ!ふざけんな!!」
スタークは怒鳴って電気をつけようとするがあることに気がついた。
「ん?何か手が後ろで縛られてねえか?いやいや、そもそも俺、確かにトイレの便座で座ってたよな!便座が真ん中で尖ってるなんてありえねえ!めちゃくちゃ痛えぞ!絶対にこれは別物だな!?」
と、その時誰かがこちらに近づいてくるような足音が聞こえた。
「ハァハァ……やっとスタークを私のものに。グヘヘヘヘヘ(*´Д`)」
スタークはその声を聞いてすぐに声の主を断定し背筋が凍った。
「て、てめえ、エリスだったか!?俺様を拘束するなんて馬鹿げたことをしやがって!!可能な限りいち早く最大限の努力をもって俺様を解放しやがれ!!!」
スタークは声の主に怒鳴った。
「あらぁ?起きちゃったあ?♥️解放なんてダメよ、あなたはもう私のモノな・ん・だ・か・ら♥️♥️」
「ば、バカ野郎!この俺が誰かの所有物だなんてありえねえからな!てか、これ目隠ししてるだろ!!!迅速かつ丁寧に取りやがれ!!!」
スタークは目の前が真っ暗だった原因にようやく気がついたようだ。
「んもう♥️その方がゾクゾクするわよ??」
そう言ってエリスらしき人物はスタークの胸に息を吹きかけた。
「ひぎゃああああ!!!息を直にかけるな!!って、どうして俺は上の服を脱がされてんだよ!さっさと服を返しやがれ!!!」
「やーねー♪脱がされてるのは上だけじゃないわよ♥️」
スタークはそう言われてゆっくりと腰のあたりに感覚を集中させた。そして……
「てめえ、ズボンも脱がしやがったのか!?それからここはどこなんだ!?言わねえとこの宇宙で考えられる限り最大限の苦痛を与えてぶっ殺すぞ!!!」
「さあねえ??ひ・み・つ♪」
エリスは拘束されているスタークの脅しには耳を貸さず、今度はスタークの太ももに生温かい息を吹きかけた。
「ひぃぃいぃいぃ!!??止めやがれ!……こうなったら一刻も早く、てめえから逃げてやる!俺は貴様みたいなノロマと違って足が速いんだよ!!」
前日の鬼ごっこからエリスの足の速さを予測したスタークは、怒鳴って立ち上がろうとしたが足にどこか違和感を覚えた。
「おい!足が何かにくくりつけられてて立ち上がれねえよ!!外しやがれ!!!」
スタークはもがいて足を自由にしようとしたが無駄に終わり、そして足が「彼が今座らされているもの」にくくりつけられていることを理解した。
「グフフフフフ……♥️お楽しみはこ・れ・か・ら・よ♪」
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「この度は、誠に、誠に、誠に申し訳ございませんでしたーー!!!」
よしだくんは土下座し、頭を何回も床に打ち付けた。
ボールが目覚めた後、彼の身に何があったのか説明し、一応さっきの誤解も四人、いやシンタローを除く三人は頑張って解いていた。
むしろシンタローは「あれはな、お楽しみ中だったんだ♪」とか余計なことを言うものだから(シンタローはミーシャを止めるのを楽しんでいたかもしれないが……)その誤解を解く方に一時間くらいかかった。
「いや、それはもういいから、……むしろ俺にとっても?みんなにとっても?この体型を取り戻したことは結果オーライじゃない?頭が冷えたよ、いや、燃えたんだけどさ。唐突かもしれないけど、いい機会だから俺はニート辞めるよ。」
ボールはちょくちょく自分でツッコミを入れながら淡々と喋った。
「ほ、本当か!?ボール……いや、もうボールはお星さまになったんだ。その呼び方ももう止めにしよう……で、お前の本当の名前って何なんだ?」
ヤムチャはみんながずっと聞きたかったことを尋ねた。
「……??ヤムチャ、一体何を聞いてるの??」
ボールはキョトンとした顔をして、さらに続けた。
「いや……だから、本名って……ボールだけど?」
五人の間には、しばし沈黙が流れた。
「……えっ、ボールは渾名よね?その前の渾名がくじらんっていうのも忘れちゃった??」
ミーシャが心配そうにボールの顔を覗き込んだ。
「まさかボール……さっきの衝撃で頭を強く打って記憶が無くなったんじゃ……そんな!俺のせいで……!!」
よしだくんは床に打ち付けすぎたせいで血だらけになっている頭を抱えながら叫んだ。
「違うってば、くじらんって言う渾名はあったのは覚えてるよ。でもその前は本名でボールって呼ばれてたこと、みんなは忘れちゃった?だからボールっていうのは本名だよ、ん?でも最近だと渾名ってことに……あれ??」
説明しているボールも何だかんだで混乱していた。
「と、とりあえず記憶が飛んだわけじゃなくて良かった……それじゃあどうしてまたボールって呼ばれるようになったんだっけか?」
よしだくんは一安心したが先程のヤムチャのように首を傾げた。
「ああ、それはね。俺が以前から引きこもってた時に、シンタローが毎日キヌタニの駄菓子屋から大量のポテチを持ってきてくれてたんだよね。元からポッチャリしてたのにそれを全部食べてたら、さらに太って本当のボールみたいな体型になっちゃったから……。」
「そうそう、俺の計画通り、本当のボールにしちゃおう作戦!成功だったってわけだな!!wwww」
シンタローが突然話に割って入った。
「??つまりどういうことだ?ボールがあんな体型になったのはシンタローのせいなのか?」
よしだくんがシンタローの顔をじいーっと見た。
「だってあの体型にすれば渾名でくじらんじゃなくボールって呼べるだろ?wwww」
「いや、そもそも俺の本名ボールなんだけど。」
周りが呆れるほど笑っているシンタローに対して、ボールは至って真顔だった。
「ボールってあんな体型になって自由に動けなくなったからニートになったのよね……?」
ミーシャも渋い顔でシンタローの顔を凝視した。
「そういえばそうだったな♪ww」
と、そこで突然ヤムチャが立ち上がった。
「よし、決まりだ!!シンタロー……つまりはボールをニートにしたのはお前ってことだよな?」
そして真上からシンタローをギリッと睨み付けた。
「え?ヤムチャ……怖いwww」
「うるせえ、大人しくお縄につけ!」
ヤムチャはどこからかロープを取り出してシンタローを縛り上げた!
「いやいやwwさすがに酷くないか?ww」
「それはないわね。」
「自業自得だな。」
「罪は償ってもらうよ。」
シンタローが三人に助けを乞うが揃って無視された。
「シンタロー、最後に言い残すことはないか?」
ヤムチャは手の指をボキボキと鳴らした。
「え?www最後ってなに??www」
「それが最後の言葉か……お前ら……や・れ。」
ヤムチャが低い声でシンタローを指差した。
「「「アイサー!!!!」」」
三人は一斉にシンタロー目掛けて襲いかかった。
「ギャッー!!ヒエッー!キャッホーー!!☆」
ギャンギャンうるさいけどスタークってこんな時でも平常運転で意外と冷静そうですね……。
で、エリスはとても趣味が悪いですね……拷問できるなら誰でもいいんでしょうか!?
この節操無しめ!!!
まさかニートすら創造してしまうとは……シンタロー、お前は唯一無二の芸術家だよ(?????)
ボールがシンタローに貰った「大量のポテチ」ってどれくらいの量なのか……、考えただけで胸焼けしそうなのでダイエットを考えている人は想像してみてはいかがでしょうか?
きっと食欲が失せます、逆にポテチが食べたくなった人は諦めてニートになってください。。。




