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今宵の行灯

 月明かりが照らす薄暗い庭先の草木を、優しく撫でる様に風が吹く。

 草の根やら石影に姿を隠した虫が鳴く、その声は何処より聞こえるのか不思議と分からず。


 仄かにい草香る部屋は暗く、襖絵が見えるか程の行灯の揺れる光が敷かれた蒲団に身を休める若い男の存在を伝える。

 襖が滑る様に開き女が敷居を跨ぐ。襖が僅かな音をたて閉じる。男の背後、布団越しに帯のほどける音が聞こえる。はらりと女が着物をはだけ、足元の畳に落とす。

 女は布団に潜り込み、男の背をその白い指でそっと触れる。男の背中で指先が僅かに震える。

 行灯は油が切れたか、男の表情を隠す気か。静かに消える。


 月だけが男女を見守る一夜の話。

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