自由への渇望~大地の一歩
ザッザッザッ……
世界統一政府を目指すNWO国の独立記念日の大行進の列。
沿道には敗戦で、意気消沈した太陽国の人々。
ここは、かっての東方人首都、天風。
肩に小銃を抱えて整列し進む長蛇の列、
NWO軍隊の威圧的な姿。
『こいっら血の通った人間なのか?』
『同じ表情、同じ背格好、まるで機械仕掛けの人形の行進じゃねーか』
『この国を、こんなに、むちゃくちゃにしやがって……』
沿道の人混みに紛れて、行進の様子を見ている漆葉大地。
彼の後ろから、ポンと肩に手を乗せる一人の老人。
『青年よ……悔しいか』
『この国を、そしてお前自信のプライドを取り戻してみる気はないか』
大地は、老人に訊ねた。
『じぃさん……あんた何者だ?』
老人は一枚の名刺を彼に手渡した。
『この国の将来を憂い、あの怪物どもに戦いを挑むため、立ち上がる気になったらワシの元へ来るがよい』
老人は、そう言うと人混みの中へと姿を消した。
『セイレーン最先端科学研究所。』
『なんだ、これは……?』
その時、一人の若者が沿道を進む行列の中へ飛び込んだ。
『ここは、俺たちの国だ!』
『お前たち、ここから、直ぐに出て行け!』
『俺たちの家族を、家を、幸せな生活を返せーーー!』
あまりにも、無謀な行動に沿道の人々がざわめく。
『ひとしくーん!』
『やめてー!』
若い女性の声が辺りに響いた。
しかし彼のとった行動は、沿道に並ぶ太陽国民の総意そのものであり、痛いほどに気持ちが分かった。
『あぃつ!……』
『むちゃしゃがって!』
『その勇気は、確かに見上げたものだが一人でなにができる…』
NWOの警備兵士に取り押さえられ連行される若者が大地の前を行き過ぎる。
その時、彼と視線があった。
初対面のはずだが、どこかであったような…
『大地!』
『一宇博士の元へ行け!』
大地は、驚いた。
『なぜ、俺の名前を知っているんだ?』
『それに、あの顔にも見覚えがある……』
ゴォーッ ゴォーッ
空を見上げると6機の六角形編隊がVの字で飛んで行く。
老人から、もらった名刺に再び眼を通す大地。
『この、世界を変えれるもんなら、変えてみたい!』
彼の中に自由を渇望する焔が燃え上がった。




