テンプリラへの道。
地球外生命体との会談のために、オープンカーに乗りテンプリラ宮殿へ向かうアントニオ.クレイディア大統領。
沿道には大統領の支持者である臣民たちの長蛇の列。
大統領と夫人は車から人々に笑顔で手を振り応える。
ふ
いつもは沿道に大統領の護衛の為、警備隊員が各所に配置されているが……
しかし、何故か今日に限り彼らの姿が見えない。
沿道の建物の窓も閉める規則になっているが、どういうわけか開け放たれている。
大統領車のスピードも普段に比べて遅めである。
カーブに差し掛かる大統領車は、更にスピードダウンした。
(((バキューーーーン)))
どこから放たれたのかライフルの発砲音がした。
それは一瞬の出来事であった。
クレイディア大統領の右肩を弾丸が撃ち抜いた。
ぐったりと倒れ込む大統領。
急遽、会談は中断された。
沿道に建つ図書館の五階の窓にスナイパーの姿。
大統領のシークレットサービスに、直ぐ様、見つかり、職権行使。
その場で処分された。
この様子を自宅のテレビで見ていた大地。
大地のスマホが鳴った。
涼花からの電話だった。
『大地君!』
『テレビ見てた!』
興奮気味に話す涼花。
大地は落ち着いた声で涼花に答えた。
『どうやら、奴等が動き出したなぁ……』
『闇の組織、フリーダム.カオス。』