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王子を不幸にしかしない婚約破棄

王子が不幸になる婚約破棄~ヒロインの目的 編~

『王子が不幸になる婚約破棄~ ○×編~』と似たようなタイトルがありますが、それぞれが別の話になっています。


続きはありません。


「ベアトリス、今までお前がしたミューアへのイジメは許しがたい。よって、国王の名のもとにお前との婚約を破棄する!」

大勢がいる公衆の面前で、この国の第一王子ソニー様が得意顔で言った時に、私は顔を扇で隠しニヤリと嗤った。



私が学校に入学する直前に、この国の第一王子ソニー・ドコデモ様との婚約が決まりました。

この婚約は、当初予定がありませんでした。

本来は、別の方が婚約者だったのです。

その方は、その方の父の不正で家がとり潰しになり、結果王家からの婚約破棄となりました。

私の家は、エックスリトー公爵家。

公爵家の中でも一番権力を持っている家です。

父様はこの婚約を即答で断りましたが、国王様の命令で拒否権なしでした。それは、第一王子の愚かさを隠すためです。

私は第一王子様と婚約し、ゆくゆくは私が政治を行い、第一王子を傀儡にする予定だったのです。彼が愚かなる故に。

そのため、エックスリトー公爵家は少々特殊です。

女でも、当主や政治を行える教育を施すのです。

これは、過去王家の中で問題がある者が王になったので、その対応策として我がエックスリトー家の者が男女問わず英才教育を施されることとなったのです。

いずれ来る、王家の醜聞を隠すためだけに。


私が入学してすぐに、『オトメゲーム事件』が起こりました。

ものすごい美少女な女子生徒が、前途有望で見目麗しい男子生徒たちを骨抜きにし、使い物にならなくしたという事件。

そのものすごい美少女は、侍らしていた男子生徒たち以外からの評判は最悪。

父によると、王都では一時期その美少女が他国からの間者ではないかと噂になっていたそうです。

次々と、優秀だという男子生徒を堕とす手腕によって。

ですが、そのの尋問により間者説は消えました。

だたのキチガイじみた妄想少女だとの結論付けたそうです。

現在、妄想少女は精神科に監禁され一生外の世界には出されなくなりました。

めでたし、めでたし。

まあ、それはおいといて。

一年の夏休み中に帰宅した私と兄様(三年生)を恐怖のどん底に突き落とす発言を母様がしました。

「あら~、ベアトリスちゃんは悪役令嬢顔ね~。それで~、ミケルくんはヒロインちゃん顔ね~」

と能天気に母様が言いました。

この脳味噌お花畑の母様の発言に私と兄さまは凍りつきました。

これは、あの妄想少女と同じ発言なのです。

あの妄想少女は、

「この世界は、乙女ゲームで私がヒロインなのよ!」「なんで、私がみんなを愛しちゃいけないのよ!? みんなが、私を愛してるのよ!」「モブはモブらしく、背景でいなさいよ!」「モブのくせに、ヒロインに楯突くなんて生意気よ!」「悪役令嬢は、大人しく破滅しなさいよ!」

なんて発言して、自称ヒロインが侍らしている男たち以外からは避けられていました。


兄様は、第一王子様の姉の王女様の婚約者です。

王女様は、男装の麗人で私の憧れの人です。

王女様は、私と同じ年頃の女の子から王女様より年上のお姉さま方まで絶大な人気を誇ります。

脳味噌が足りない第一王子様以上に、大人気です。

第一王子様と比べたら、未来のお姉様にとてもとても失礼ですね。

この前なんか、馬鹿とお姉様を比べて馬鹿の方が優秀だと言った馬鹿たちが、お姉様のファンクラブ(私を含む)の方々に〆られていました。

これであの馬鹿たちは、社交界に居づらいですね。

女性たちの情報網を舐めてはいけませんよ。

ちなみに、お兄様は学校以外では女装をしています。

お姉様曰く、『男の』だそうです。

兄様は、お姉様の隣に立つなら女装をしないとなと言って嬉々として女装をしました。

愛のためとはいえ、ここまでする兄様がすごい。

兄様の女装姿を見た私と姉様は、私たちでは行けないレベルの女子力に膝をついて敗北しました。


私が三年になって、第一王子様の私を見下しまくった態度と無礼な行動を相変わらず続けているのを知った父様と兄様は、学校内が荒れに荒れまくったあの『オトメゲーム事件』を思い出しました。

あれと同じような状況にして、第一王子様から私との婚約破棄するように仕向けようと。

父様は早速国王様に、脅しに行きました。

「もし、第一王子様から私との婚約破棄をすれば第一王子様の王籍剥奪をする」という案の了承をさせるために。

実は父様は国王様と同級生で、当時色々と国王様の学校でしでかしたことの尻拭いをしまくったそうです。

それから、国王様は父様に頭が上がらないのだとか。

未来のお姉様によると、第一王子様と私が婚約した頃から、父様は国王様をチクチクいびり倒し、精神が削がれている国王様に容赦なくいつも以上の仕事をさせているそうです。

そして、国王様は父様に土下座して仕事量を少しでも減らさせようとする日々だとか。

もちろん、父様はそんな態度は無視して仕事を馬車馬のようにさせるそうです。

もちろん、周りの者たちは一切助けません。

誰だって、いざとなれば自分が一番かわいいですから...


女子力の高すぎる兄様は、次の学期からは『ミューア・クレデット男爵令嬢』として学校に通うと言い出しました。

止めても無駄だと知っている私は、架空であるミューア・クレデット男爵令嬢の身分や戸籍を作りだし、学園に通う手続きをしました。

ミューアとなった兄様は、次々と処分できなくて困っていたどこぞの貴族の馬鹿子息たちを堕としていきます。

もともと使えないけど、廃嫡するには理由が足りないという第一王子の取巻きの馬鹿たちだったので、誰もこのことに文句を言いません。

ミューアへのイジメは兄様の自作で、調べれば簡単に自作だとバレるものです。

本人も、バレるようにあえてやったと言いました。

ですが、馬鹿たちなのでミューア(兄様)の嘘を言い分を信じ、今この場で私を断罪しているというわけです。


そして、冒頭に戻る。

頃合いを見計らって、国王様と王妃様がこの場に入りました。

彼らに気付いた馬鹿、じゃなかった第一王子様は

「今言った通りです。父上、母上。この女は、私の愛するミューアを傷つけました。よって、婚約破棄するしかありません!」

国王様は青筋立てて怒って、父様にいたっては無表情。

国王様に無言で圧力をかけています。

「この馬鹿者! お前が、無能だから無理を言ってベアトリス・エックスリトー公爵令嬢を婚約者にしたんだぞ。お前が今までしていた愚かなことを彼女が後始末していたから、次期国王としていられたんだ!この、恥知らずが! 今を持ってお前を王族から抹消する!他の者たちも同様だ!勝手に、愛に生きるがいい!」

「嘘ですよね!? 父上、母上」

国王様と王妃様に縋る元第一王子様。

そんな第一王子様を無視して、国王様と王妃様はこの場を出て行きました。

放心状態の元第一王子様と取巻きたち。

そして、ミューア(兄様)に縋るように見る元第一王子様。

「ミューア、お前を愛している。もう、俺は王族で無くなったがついて来てくれるか?」

懇願するように問う元第一王子様。

ですが、ミューア(兄様)は無残にも残酷な事実を告げる。

「それは無理ですわ。元第一王子様」

鈴を鳴らすような可憐な声がこの場に響き渡る。

そして、ミューア(兄様)は服を脱いだ。

「だって、私男ですもの」

元第一王子様と取巻きたちは絶望したようにその場に座り込んだ。

顔色も悪い。

当り前と言えば、当り前でしょうね。

今まで周りに迷惑をかけてまで、貢いで尽くしたのが男だったんですから。

そして、別の声がこの場に乱入した。

「私の婚約者を辱めるとはいい度胸だな。元弟」

私の未来のお姉様です。

「アップリー様」

乙女のように祈る姿でお姉様を熱い目で見る兄様。

お姉様は、兄様に自然な仕草で服を着せて肩を抱き兄様を連れ去った。

カッコ良すぎです!お姉様!

一生、ついて行きます!

その横で、第一王子様と取巻きたちは放心して動けないでしました。

絶望している第一王子様と取巻きたちに、父様は容赦なく冷たい声でこのの沙汰を告げる。

「元第一王子と他の者たち。これより、奴隷となり隣国に出荷される。大人しく、従いなさい」

隣国の女王。

大の男好きで、様々なことを男にさせて喜ぶ変態女王として有名です。

男としての尊厳を守るなら、死んだ方がましですね。



この、元第一王子と取巻きたちは自殺防止を兼ねて猿轡をされ縄で縛りあげて隣国への出荷までは、牢獄で過ごしました。

そして聞こえてきた隣国の噂は、彼らに満足した変態女王は楽しく彼らと戯れたそうです。

読んでくださり、ありがとうございました。

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