1日目
高校2年の春おれはこう言った。
「彼女がほしい」
これは本気でそう思っていたのか
周りの雰囲気にのまれてでた言葉だったのか
自分でも覚えていないが
そのときは確かに彼女が欲しいと
思っていた…
と思う。
バラ色の生活を夢見ながらはじまった
高校生活も1年が過ぎ
まったくバラ色とは言いがたい高校生活を
送っていた俺はひまをもてあまし机に顔をうずめていた。
「ひまやー」
おれが力のない声をあげると
「ずっとゆーてるやんけ」
涼の呆れた返事が返ってくる
「ひまやねんからしゃーないやん」
また力のない声で返す
「まぁそーやけどなぁ」
ここまでが俺たちのいつもの流れだ
「なんかさー
高校生の間しかできひんことしよ!」
おれは顔を上げて笑顔でこう言うと
「高校生の間しかできひんことってなんやねん」
また適当なことをいってると呆れたような涼の声が返ってくる
おれは少し考えてみて
「んー
わからん」
と笑顔で返す
「わからんのかい!
じゃあできひんやろ」
涼は少しキレ気味にこういった
「そーですねー」
おれはしょうもなさそうに
また机に顔をうずめる
「そーいえばさー
明日から1年部活体験やろ?
何人かくるかな?」
涼は思い出したかのようにそういった。
「そやったな!
ちょっとはくるやろ」
おれは楽しいことを見つけたかのように
顔を上げた
「かわいい子マネージャーなってくれへんかなー」
涼は下心ありそうな声でいった
「明日部活勧誘ついでにかわいい子さがそか」
おれは楽しいそーにこう返した
「さがしまくろー」
涼のノリノリの返事を聞いて今日の俺たちの会話は幕を閉じた。
おれは明日の楽しみができて満足だった。