表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
七人いる  作者: 山本正純
第三章
23/25

透明人間の正体 3

 その後東はパスワードを木原に伝えた。

「一五七六」

 木原は急いでパスワードを入力する。タイマーを見ると残り時間は一分だった。

 そして爆弾は解除された。

 大野は東に質問する。

「あなたは倉庫にあった織田信長の肖像画の埃を掃ったのではないのですか。」

東は頷いた。

「犯行直前に掃いました。あの倉庫に肖像画があったとは思いませんでした。父の遺品からは見つかりませんでしたから。それにしても安土城が築城された年をパスワードにするなんて皮肉だな。父は織田信長が好きだったから仕方ないか」

「では椎名社長はなぜ肖像画を捨てなかったのでしょうか」

「知りませんよ」

 大野は推理を話す。

「これは私の推理です。根拠はありません。椎名社長は忘れることができなかったのでしょう。あなたの父親の存在を。そしてあなたの父親を超える社長になった時に肖像画を飾ろうとしていたのかもしれません」

 木原は大野の推理に付け加える。

「開かずの間の正体は椎名社長の戒めの心だった。だから捨てることは出来なかった。真相は本人しか知らないことですが」

 東は何度も呟く。

「私は無駄な犯罪をしてしまった。真相を知っていれば大事件は起こらなかった」

 まもなくドアが開き警察が到着した。東は警察に出頭した。その後に捜査でコーヒーの缶から辻の指紋と毒物反応が検出された。書類送検もスムーズに終わるだろう。こうして長い三時間は幕を閉じた。時刻は午後八時である。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ