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七人いる  作者: 山本正純
第三章
22/25

透明人間の正体 2

 木原は推理を話した。

「この一連の事件が始まったのは一か月前だった。まずあなたは加藤の自宅に行き隙を見て彼を毒殺した。そして置き手紙を置き、家の鍵を盗み部屋を密室にした。そして椎名社長が札幌に出張した今日。ある計画を実行した。それが姿なき籠城事件。すなわち透明人間の犯行だった」

 大野は少し間を置き推理を話した。

「あなたは警備室に行き、冷蔵庫へ毒入りの缶コーヒーを入れた。あなたは佐野さんがコーヒーを飲まないことを利用した。そして第一発見者となりどさくさに紛れて缶を回収した」

 東は缶をポケットから出して捨てた。

「その通りです。あなたが犯人の目的を証拠の回収だと見抜いた時は焦りましたよ」

「あなたの目的は殺人の証拠隠滅だけではないでしょう。それが籠城事件を起こした動機でもありここに残った理由でもある」

 東は自供する。

「そこまで見抜いていましたか。全ては三か月前に始まった。癌で亡くなった父の葬儀の日だった。この会社は父の作った会社で、その父の後を椎名社長が継いだ。私は椎名社長の計らいでこの会社に雇ってもらうことになった。その社長に殺意が芽生えたのは一か月前だった。辻と加藤が会社の金を横領していること知り内部告発をした。椎名社長は告発状を破り捨ててこう言ったよ」

『こんなことがマスコミにバレたら会社の信用が落ちる。頼むからこのことは目をつぶってくれ』

 木原は質問する。

「その言葉に失望してあるこの会社に復讐を誓った」

「だからあの二人を殺し、籠城事件も起こしたのか」

「許せなかった。父の築城したこの城を汚すことが」

 大野は怒った。

「いいかげんにしなさい。あなたは関係ない警察官に怪我を負わせたのですよ。それにこんな事件を起こしたらこの城はもっとけがれます」

 東は泣き崩れた。


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