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喪失

作者: スタート
掲載日:2026/09/19

 私は、これまでたくさんのものを失ってきた。感情や後悔だ。中でも辛く失ったものがある。それは父の死だ。死は勝手に来ないとばかり思っていた。始まったら終わるそんな当たり前のことにその時は麻痺していた。でも私は、後悔していることが一滴ある。それは、最後そんなに喋ることができなかったことである。朝、目を覚まし、リビングで寝ていたら、救急車が家に来たのである。

 そのあと学校の先生から病院に親がいると言われ病院に行くことになった。着くと思ったよりも元気そうで、助かったようにその時は思った。しかし、病院を後にして家に帰ると病院から電話が来て、急いで来てくださいと。その夜この世からいなくなった。その時は泣けなかった。現実を受け止めることができなかったからだと思う。夜、家で寝ると父と思い出がフラッシュバックしてきた。その時、涙がぽたぽたとたれた。そのあとから少し暗くなっていたと思う。大切な人というのは、こちらの都合とは関係なしに訪れる厄介なものである。

 最後にこれを聞いた人の中で、親が嫌いな人もいると思う。嫌いになってもいいが、好きな気持ちも少しは持とう。失ってその存在の深さを知ることになった自分にとって、今親がいる人は後悔して欲しくない。


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