表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

説話集

仏陀とガンジー2

作者: とびうお君
掲載日:2026/04/01

「師よこれをこうかけて遠くを見てもらませんか?」


 ガンジーに言われて仏陀はメガネをかける。


「ああなんだか遠くが見やすいね」


「次はこれを見てもらえませんか?」


 ガンジーは顕微鏡を仏陀に覗いてもらう。


「これは生物かな?」


「おそらく」


 仏陀は顕微鏡をいろんな角度で見る。


「これは大きく見る物かな?」


「そうです」


 しばらく仏陀は考える。


「殺生禁止について聞きたい?」


「はい」


仏陀「この道具は不要だ」


「何故ですか?」


「アリや虫でも良いからだ。それを踏んで殺してしまった場合かな?」


「そうです」


 またしばらく仏陀は考える。


「殺生禁止はルールじゃない。自分のためだ」


「ええーー生き物のためじゃないのですか?」


「縁起を考えれば、生きとし生けるものすべて自分と繋がってる。その命を奪う事は自分にも跳ね返る。でもこれは究極的で、心が痛むからだ。そうじゃないのか?」


「まったくそうです、嘘じゃないです。ではありも?」


「踏んでしまった後だ、その後悪かったなど想起すれば良い。それを避けようとするのは無理だ。そして避けようとする態度はおそらく心を固くする」


「ゆえに自分の為?」


 仏陀は静かにうなずく。


「しかしガンジーお前は悟ってると思っていたがよくわからないな」


「悟ってないのですか?」


「私はそれを言った覚えが無いな悟りとは自覚ではないか?」


「そうですね」


「私は自覚を聞いて沈黙か問題があれば言う事しか出来ない。お前は悟ってるは言えない。それはきっと私の言葉を待つ執着に繋がる。どちらにしろあれれと思う所がある、前から時折別人のようだ。さて見るが続きだったな」


「え殺生禁止では?」


「その割には大掛かりすぎやしないか?」


「あそうかもしれません、師察しが良いですね」


「私は特別な力があるわけじゃない。考えてみると変な気もするがまあ良い。さて何故ああまでしてみる必要がある?」


「言われてみると」


「そういう事だ。お前は見ようとして見たのだ。その意味を考えれば見なければ良い」


「えそれは」


「何度も言うが殺生禁止はルールじゃない。悟りの為に見るのだ、そんな事があればまたあの道具を使えば良い」


「師よ、悟った私が何故今は違うのでしょうか?」


「悟りはゴールではない、スタートだ。悟るための法を繰り返すことは無駄ではない」


「師もですか?」


「もちろんだ、良いか、いついかなる時も心を軽くだ」


仏陀はそういうとスキップを始めた。


「ラララン、ララララーンン、ンンン」



 あああれ?ガンジーは目が覚める。それでやっとわかった。あの妙に察しの良い仏陀もあの時代に不自然な顕微鏡も、そして最大の疑問。何故私は悟っていると仏陀に思われていたか?と。それは多分今の私とは別の心のガンジーがいたのだろう。


 すべての謎は解けたが、それでも仏陀の”見る”は良く分からなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ