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こんなのと似てるとか勘弁してくださいよ

「わ、わあ~~~~っ!! なにしてるんですか、おじ様! 裸足で川に入るなんて正気ですか。マリンシューズ履いて。足裏を切っちゃうでしょ! ……ってか、服を脱ぎ出すな。川辺に放るな! それ、執務中も着てるめっちゃ高そうな奴~~!! ああああああああ! ちょっと足の指が切れてる!! 終わった。これ誰が責任取るの」

「アイシャちゃん口うるさ~い。うちの侍従長みたいじゃん」

「じゃん、じゃねえんですよ! アンタ王様でしょ!!」


 真っ青になっている私とは裏腹に、おじ様はケラケラ笑っていやに楽しげだ。


「あっはっは! 大丈夫だって。責任は僕が取るよ」

「ほ、本当ですか……?」

「うん。そもそも、怒られるのは確定してるから安心して」

「なんにも安心できないんですが!?」


 不穏な回答に落ち着かなくなる。侍従長は恐ろしく有能な人物なのだが、同時にハチャメチャに怖いのだ。私も幼い頃に何度怖い思いをしたことか。


「……そういえば、おじ様ってどうやって私のところに来たんです? 護衛の姿も見えないんですが」


 なぜだか嫌な予感がして訊ねると、無駄にイケオジなおじ様は胸元からネックレスを取り出した。


 きらりと存在を主張したのは、国のシンボルが彫られた大粒の宝石――


「これを使ったの。じゃじゃーん。転移装置~!」

「国宝の奴ぅぅぅぅ……!!」


 しかも、災害や危険時にしか使用を認められていないものだ。

 あああああああああ。バレた時が怖い。怖すぎる。どんな仕置きが待っているか。


「今日の僕はね、自室でのんびりしてる設定だから。内緒にしてね」

「当然です!!」

「あっはっは。これで共犯者だねえ~」


 このイケオジ、マジで息を吐くようにトラブルに巻き込んでくる。


 ……思えば、昔からそうだった。はた迷惑な人なのだ。思いついたら即行動。周囲の人間なんて関係なく突き進んで……。あれ? 誰かに似ているような。


「王様って、テンションがお嬢そっくりですね」


 黙れ、ヴァイス。


「ともかくさあ、なにを獲るの? どうやればいい? 教えてよ」


 ぜいはあと息を荒くしていた私は、やけに楽しげなおじ様に渋面になった。

 こりゃ駄目だ。ちっとも帰りそうにない。


 ――こうなったら、とことんやるか……。


 もしかしたら、一緒に過ごしているうちに嫌気が差すかもしれない。

たぶんおじ様は嫌気が差さない

(ひどいネタバレ)


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