ep.4
大変遅くなりました!!
「ちょっと待っt」
別れ際にデルタニアに頬ではあるものの、キスをされた盛大に狼狽えていた。
…それに、一瞬しか見えなかったがキスをした時のデルタは、まるでイタズラが成功した子供みたいな顔をしていた。
「…もう、それは反則だよデルタ…」
キスをされた。それもある。…いや、かなり大きいが。
…それよりも。
「…あんなに大人びた顔をしてて、知識もたくさんあるのに。
私にキスした時、子供っぽく笑ってた…!! …可愛いすぎるよぅ…」
大人っぽい大人の女性が見せる、子供っぽい一面に、千晴は見事にやられていたのであった。
…それに、心なしか、キスをした側であるはずのデルタの顔も、少し薄桃色に染まっていたような…
それに気がついた時、千晴の顔はボンッとでも音をたてたかのように一気に真っ赤に染まり、地面にへたり込んだ。
「それにしても… …綺麗な女性だったなぁ… …それにしても、恋人、婚約者…かぁ… ふへへ… ジュルリ …おっといけないいけない、よだれが…」
へたり込んでいたと思ったらトリップしていたようだ。 …妄想してよだれまで垂らして、女の子がそれで良いのだろうか()
「…ハッ、いけない!! こんな事してないで、少しでも早く神力を扱えるようになって、デルタに会って、それで…
…ジュルリ …ハッ!? いや、ダメダメ!!
…多分、デルタのあの口調と感じなら、少しでも神力が扱えるようになったら、それだけで私と結魂してくれる。
…でも、それじゃダメ!! デルタと夫婦になるんだったら、後ろにいるだけじゃなくて、隣に並んで立ってなきゃ!!
…よく分からないけど多分、夫婦ってそういうものだよね。…そうじゃなかったとしても、情けとかで結魂してもらうなんて、私が私を許せないし。
…うん、決めた。 …例え、私が神力を多少扱えるようになっても、デルタにはまだ会わない!!
…デルタには、私が頑張って神として成長した姿を見て褒めてもらうんだ!!」
千晴は、これまで惰性で生きてきた。
なんでも出来た。歌も、音楽も、勉強も、芸術も、工作も、何もかも。
何でも出来てしまうが故に、日々に何の感慨も抱けず、ただただ無気力に生きる毎日だった。
…その千晴が、決心をしたのだ。…努力しなくても、なんでも出来た千晴が本気を出すと決めた。
…それは、果たしてどのような結末になるのか。
…今はまだ、神々ですら知らないのだろう。
「…デルタと並ぶなら、最低限デルタに神力で追いつかないといけないよね。
同じは流石に無理でも、同じくらいにはならなくちゃ。
…ハッ、いやでも、デルタは創世神なんだから凄く力があるはずだよね。
だったら、さっき感じたのが全力なはずないよね。創世神なんだし。
普段から全力なんて出さないで、力を隠してるだろうし。
…きっと、本気を出したらもっと凄いはずだよね。
さっき感じた力の、何倍も強いよね。
うん、きっとそう!!
…なら、デルタに会うのは、さっき感じたデルタの神力に届いてから!!
決まりだね!!」
…そして千晴も知らなかった。
…神々の間では、力は人間のように隠す事などなく、常に全力に近い神力を放ち自分の格を示し、他の神に舐められないようにしている、という暗黙の了解が存在する事に。
…本気ではないと勘違いしているデルタの力こそが、ほとんど本気な事に。
…まぁもちろん、完全本気のフルパワーを常に出していたら疲れるので、ある程度セーブした本気ではあるのではあるが。
規格外な才能と器の持ち主は、如何にして、神を、生きとし生けるものの頂点へと至るのであろうか。
…それはもう、誰にも分からないのであろう。




