ep.2
遅くなりました。
コメント、ありがとうございました。
祖父が亡くなり、千晴は小学5年生へと進級した。
…クラス替えもあり、特に仲の良い友達もいない千晴は、ますますクラス内で孤立していた。
…別に、千晴がいじめられている訳ではない。
…特筆する程に際立った美貌、何を見てもやってもすぐに熟す天才肌、毎回クラス一位の成績を誇るクラス1の秀才。
…そんな大層な肩書きを持ち、近寄りがたい美貌とオーラを放っている千晴が孤立してしまうのは、しごく当然の事であったのだろう。
…だが、千晴はそんな事には興味が無かった。
…元々、祖父母以外の人間に対して、あまり興味が無いし、感じる必要も無いと考えていたのだ。
…それはともかくとして、千晴は祖父が亡くなってしまってから、思った事があった。
それは、"天国から見護ってくれているであろう祖父に報いる為にも、これまでに増して、いつも以上に学業を頑張ろう。祖父があの世でも誇らしくいて貰えるように、一生懸命頑張ろう"
というものであった。
…だが、千晴はもう、小学生程度の勉強は、習っていない範囲であろうとも、もうすでに分かってしまっているのだ。
千晴には小学生レベルの問題は簡単過ぎた。
…となると、自然と千晴の目は、中高大学、大学院
レベルへと向いていった。
…問題なんて、今の時代、ネットの海に潜ればいくらでもある。
まずは中学生から。地理や歴史、数学に公民、国英社理数家音技体美。
…だが、それすらも千晴の問題にはならなかった。
…正直言って簡単過ぎた。
千晴は失望を隠しきれなかった。
中学生レベルなら、少しは難しかったりするかと思ったのに。
…まぁ編み物とか刺繍、音楽とかは結構楽しかったけど。
技術も設計図とか描くのは少し面倒くさいけど、それをやって0.1ミリのズレも許されないと言われている日本の職人の仕事には素直に感心したし、感銘を受けた。
…だが、所詮はそれだけ。中学生レベルは足止めですらなかった。
では高校生。…これもまたそこまで難しくはなかった。
…多少は難しかったけど、少し考えれば理解できた。
…大学。ここまで来たらもう論文とかの発表をするようになった。
大学レベルでも、やはりあまり難しくなかったのだが、その中に紛れた、未解決問題というのに興味を惹かれた。
フェルマーの最終定理だとか、悪魔の証明だとか、今の人類の科学力、数学力を持ってしても、解けない問題。
…解けなかった。難しかった。初めて、壁に躓いた。
…千晴はワクワクした。こんなに自分が考えても、解けない問題がある。
その事実に。
千晴は睡眠も忘れる程に未解決問題に夢中になって取り組み始めた。
…だが、結局、3日程で解けてしまった。
…千晴はまた退屈な日常に戻るのか、と絶望したが、取り敢えず解けた未解決問題を論文に書き起こして、学会に提出する事にした。
…この世界の学会は、公平性を考えて、年齢などは必ずしも公開しなければならない訳ではないので、研究者、論文を書いた者の名前さえ書いておけば、年齢などは関係なく、平等に評価されるのである。
‥だが、流石に三徹して未解決問題を解いた挙句に、論文まで書いて提出したら、流石の千晴も体力の限界だった。
千晴が、"あっ、やば…"と思った時には、既に体は倒れていくのを自覚して、それをスローモーションで感じながら、千晴の意識はそこで途絶えたのであった。
どうだったでしょうか。
…次は運命のあのお方と…!?
…続きが気になるという方、千晴を応援したい!!という方、是非!!
今作をよろしくお願いします!!