激化
ターニャ城での戦闘は地獄と化していた。
ラシャール対アルマ、ローレン対ラビー。
ラビーのマリアが強力で、周りを全て飲み込まんとする勢いだった。
そこに傾国風が吹いた事により、事の自体はどうなるのか誰にも分からなかった。
「ちっ、まったくクソめんどくせぇ」
「これは相手が悪すぎる」
「二人で組んでる奴らが揃いも揃って弱音かぁ?」
「私に全て飲み込まれると良いわ!」
近づかれる度に、ローレンは自身のルーンを使って全てを振り払った。
「アルマ様! ただいま戻りました!」
「おぉ、遅かったな!」
「ローレン! 大丈夫か!」
「誰に言ってやがる、大丈夫に決まってんだろ」
「弱音はたくさん吐いてあったがのぉ? ワハハ!」
ルフラムはラビーの小脇に抱えられているネオを見つけた。
「ネオ!」
「やめとけ! あいつは今は手がつけられねぇ」
「くっ!」
そんなやりとりをしている最中、ラビーが再び突っ込んできた。
それをローレンがルーンを使っていなす。
それを見てラシャールが攻勢を仕掛けてくるが、アルマと従者達が何とか受け止める。
事態は防戦一方だった。
そんな時だった。
ルフラムは、鋭い悪寒を感じ取った。
他の全員も感じた様だった。
「ぐはっ!」
「……!」
気がつけばラシャールが倒れていた。
「みんなこんなとこにいたのかー、探したよ!」
白髪の男が血のついた短刀を持ってラシャールの目の前にいる。
その場にいた全員が感じた。
こいつはやばい。
「撤退だ」
ローレンがそう呟いた。
「撤退? させるわけないでしょ!」
白髪の男は素早くローレンの前に立ちはだかり、短刀を振り抜いた。
ローレンは、ルーンではなく自身の刀で受け止めた。
「こいつ、ルーンの力を無効化してやがる!」
「ルーンを持つ者は人に非ず、全て駆逐する!」
ローレンは、白髪の男の斬撃を必死で受け止める。
「ちっ、めんどくさいね、お前、後」
そういうと、ラビーの方へと向かって行った。
ラビーは強力なマリアを使っている為、ルーンの力を消されても力だけは残っていた。
「はぁ!」
「ふん、甘いな!」
短刀で一突きだった。
「ぐはっ!」
二大巨頭が、いともたやすく負けた。
そんな時、アルマの従者がルフラムに一つ物を渡した。
「これは!」
「ラシャールが肌身離さず持っているホワイトロックです!どうか受け取りを」
「ありがとう!」
「これで、あとはうちのホワイトロックを渡せば君はここにいる理由は無くなるんだな」
アルマは、自身の服の中から、ホワイトロックを取り出してルフラムに渡した。
「いけ! 世界の出口に行くんだろ! あれは俺たちが何とかするから!」
「……ありがとうございます!」
「ルフラム!」
ローレンが突如として叫んだ。
「空、見てこいよ」
「……あぁ、分かった!」
その後、ホルミが急に抱きついてきた。
「ルフラム……元気でな!」
「あぁ……ありがとう」
ルフラムは、傾国風が吹いた方向へと懸命に走り出した。




