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slag  作者: 雨後の筍
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奪う者

 ターニャ城の外では、ラシャール軍対アルマ、ローレン軍がぶつかり合っていた。


 ラシャールはネオを抱えながら戦っていたが、向かう所敵なしといった無双ぶりだった。


「がははは! 気分がすこぶるいいわい!」

「マリアか、厄介だな」

「マリア? 何だそれは」

「ルーン同士には相性があって、合う者同士が合わさると特別な力が発揮されるんだ。ネオとラシャールはマリアだ」

「それは厄介だな」


 二人はラシャールの元に突っ込んで行った。


「ほう、来たかお前達!」


 アルマが剣をラシャールに叩き込むが軽くいなされた。

 その後、ローレンがルーンを使うが、ラシャールは一瞬ぐらりとしただけで再び立ち上がった。


「ちっ、頑丈な奴め」

「ふっ、お前達はやわっこいのだ。さぁ、いけ! 者共! 敵を蹂躙しろ!」


 ソツのルーンを持つラシャールは味方を率いる事に秀でている。

 自身が先頭に立ち、敵を潰す事でより能力は発揮される。


「ちっ、くそめんどくせぇ」


 ルフラムのルーンにより、強化はされているが、ネオとのマリアによりラシャール軍が圧倒していた。


 ローレンは、一人敵を薙ぎ倒していくが、それでも勢いは止まらない。


「とりあえず、ネオを回収しねぇと」

「あの懐に抱えられている人物を助けるのだな、分かった」


 アルマはラシャールに向かって突撃を試みた。

 アルマの従者らしき者達も一緒に向かっていく。


「いくぞ、お前達!」

「はっ!」


 一糸乱れぬ動きで素早くラシャールを取り囲んだ。


「いけ!」


 アルマの号令で、全員が一斉に切り掛かった。


「ぬるいわ!」


 剣は全てラシャールによって防がれた。


「もらった!」


 その隙間を縫う様に一人の従者が滑り込みながらネオを奪い取った。


「よし、よくやった」


 ローレンの元にネオを渡すと、アルマと従者達は再びラシャールと対峙した。


「元はと言えば私達がお前を止めねばならぬ約束なのでな!」

「はっ! 自国を守ることしか頭にないお前が、俺に勝てるのか?」

「勝つさ、勝たねばならん。約束は守らねばな」


 国のトップのタイマン勝負が今始まった。


 最初から全開で剣戟を振るうアルマに対し、ラシャールはどこか余裕がある様に見えた。

 剣と剣がぶつかる音だけがひたすら響く。


「お前達! 城の内部に入ってホワイトロックを探しにいけ!」

「ははっ!」

「おぉ? いいのか? 従者達はお前の要じゃないのか?」

「私一人でも十分勝てると判断したまでさ」

「威勢だけは立派だな! 少しだけ本気を出してやる」


 ラシャールが一歩踏み込むと、アルマは反射的に防御体勢に入った。

 それ程までに危ない一撃だと思わせる勢いがあった。


「ぐぁっ!」


 防御体勢を取っていたにもかかわらず、アルマは吹き飛ばされた。

 まさか、ここまでの力があるとは思ってもみなかった。


「まだ来れるか?」

「あぁ!」


 しかし、打ち合いはまるで剣の稽古の様だった。

 ラシャールが飽きるまでの退屈しのぎ、その程度の様相だった。


「ちっ、俺がいく」


 ネオを抱えながら、ローレンが間に割って入った。


「ほう、お前が来るなら話は別だ、本気を出してやろう」


 ローレンは、剣を取り出し構えた。

 アルマが先程の様に無骨に突っ込んでいく、それを軽くいなした。

 その後ローレンが隙を与えずに剣を入れた。

 すると、ラシャールは剣で受けたにも関わらず後ろに飛んで行った。


「相変わらずはちゃめちゃなルーンだな」

「集中しろ、雑魚が」

「ワハハ! いいのう!」


 ラシャールは、当たり前の様に立ち上がり、血湧き肉躍るといった表情で帰ってきた。

 剣と剣での応酬、やられたらやり返すまさにシーソーゲーム。

 二対一にも関わらず、ラシャールは決して負けてはいない。

 フィジカルでいえばこの世界最強レベルである。


「くそ、邪魔くせぇな!」


 ネオを抱えながら戦っているローレンはネオをどうにかしたいと考えている様だが、適当に放り出すとまた再びラシャールに取られる恐れがある為放り出すに出せない。


「なら、私がもらってやろう!」

「なっ!」


 ローレンの手からネオが引き剥がされた。

 相手は、剣を腰に刺した妖艶な美女だった。


「お前は! 本物のラビーか!」

「ふふふ、ご名答」


 ネオを片手で軽々抱えているラビーは、突如として高笑いをしだした。


「おほほほほ! ようやく手に入りましたのよ! インのルーンを持つ者が! これでようやく、全てにけりが付きますわ!」

「まずい、ラビーとネオは一番合わせちゃいけねぇマリアだ」


 頭上に暗雲が立ち込め始めた。

 世界全体が、何か終わりの様なものに傾き始めている様だった。

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