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slag  作者: 雨後の筍
18/23

カガン城攻略戦

「うぉーー!!!」


 大きな怒声と共に城門を大きな丸太が突く。

 ドカンと大きな音と振動がカガン城に轟いた。


「うてぇ! 一人も入れさせるな!」


 上から弓矢が降ってくるが、士気が高いルフラム軍はものともしない。


「怯むな! 城門をこじ開けるんだ!」


 明らかに、今までとは練度が違った。

 兵士達の動きが違うのである。

 ルフラムのルーンの力は強大だった。

 各々の国のトップの能力に引けを取らない程に、激しく人を狂わせるルーンだった。

 皆、血走った目で恐ろしく強化されているのが手に取るようにわかる。


 ルフラムは、体の血の気が引いているのを感じながら、兵士達を必死に鼓舞した。

 その鼓舞に応えるかの様に、更に兵士達は人間離れした力を見せるのだった。


 そんな兵士達の力のおかげでカガン城の城門は突破し、城の内部はあっという間に制圧が完了した。


「ルフラム、お手柄だったな」

「頑張ったのはみんなさ」

「みんなえらーい」

「僕は皆の元へ行ってくる。二人もゆっくり休んでくれ」


 ルフラムは、欠かさず兵士達の元へと歩み寄った。

 大勢の者が怪我をしていたが、それでもルフラムが来たら目の色を変えて喜んでいた。


「ルフラム様! こんなところまでわざわざありがとうございます!」

「此度の戦、よく頑張ったな。ここが取れた事はとても大きいぞ。諸君らのおかげだ」


 ルフラムの心は次第に麻痺していった。

 口からスラスラと人を褒める言葉が出てくるのだった。

 それに対する罪悪感も、喜びもどこかへいってしまった。


 ルフラムは、正真正銘のボのフーガとなった。


 その後、ターニャ城へ向けて出兵する予定だったが、ムのルーンを持つフーガを捜索している隊が見つけられていないとの事で一時お預けとなった。


 しばらくの休養かと思ったその時だった。


「敵襲! 敵襲!」


 城内に危険を知らせる鐘の音が鳴り響いた。

 急いで皆が準備をする中、ルフラムは敵の姿を見ていた。


「チャレンのジュアールブか!」


 ローレンが言っていた木を使うフーガが攻めてきた。


 遠くから木が一直線にカガン城に向かって伸びてきた。

 ドカンという音と共に木はカガン城の城壁へとめり込んだ。

 それを頼りに、敵兵達がわんさかと湧いて出てきた。


「今すぐ防御体制だ! 敵を上げるな!」


 ジュアールブの木はどんどんと増え、至る所に足掛かりとして刺さっていく。


 ルフラムの鼓舞と、シンシャ、フレロの活躍により何とかしのいでいるが、敵の人数次第では落城も時間の問題だった。


「みんな、ひとふんばりだ! 頑張れ!」


 ルフラムの鼓舞に、皆力が入る。

 木を伝ってきた者達を順々に返り討ちにしていく。


「フレロ、ジュアールブの相手は任せた。シンシャは生えている木の水分を奪ってくれ」

「分かった」

「あいあいさー」


 シンシャのルーンで木の中にある水分を奪う事で木を枯らす事に成功した。

 足場が崩れた敵兵達は次々に転げ落ちていく。


「今だ! 一部の者は城門の外へ! フレロの援護をしろ!」


 城の外は敵味方入り乱れての乱戦になった。

 時折飛んでくる木には、すぐさまシンシャのルーンで無力化した。

 ルフラムのルーンのおかげで味方はかなり押していた。

 後は、フレロがジュアールブの首を取るだけだった。


 しかし、現れるはずのない人物が現れたせいで状況が一変した。


 ムのルーンの保持者である。


 その場にいる全員の能力を無効化し、ノーマルな戦争になった。

 そうなると不利になるのはフレッセン軍だった。

 ルフラムのルーンの能力が切れたらいわば烏合の衆である。

 練兵されつくされたチャレンの兵達とは実力差がありすぎた。


「くっ、このままじゃ負ける」


 ムのルーンを無効化するには方法は一つだった。


 ルフラムの弓矢である。


「ローレン、君はここまで読んで僕を完全な機械にしようとしているのか?」


 ルフラムはふぅと息を吐き、弓を構える。

 矢を番え真っ直ぐムのルーンの保持者を見つめる。


 まだ成年もしていない様な子供だった。


 ルフラムは奥歯を噛み締めながら弓を引いた。

 心は何故か穏やかだった。


 ヒュン、という音と共に、ムのルーンの保持者が倒れた。

 急所は外してあったがルーンの能力が切れた事が確認できた。


「さぁ、いけ皆の者。勝利の時だ」

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