邪の国5
四層でレベル上昇によるステータスは筋力1回、敏捷性1回。
「少しは近接戦闘も楽になればいいが」
よし5層行くぞ。
「やばいやばいやばい」
4層と違うじゃん。何この強さ。
やばっ!!攻撃避けられない。バッシュ出来る余裕がない。せめて致命傷は避けなきゃ!!
えっ、体が強制的にバッシュを行った。
「どうしてバッシュをした?」
危機は脱出したが未だ脅威は消えない。けどどうしても意識は先ほどの動きに割かれてしまう。そんな余裕なんてないのに。くそっ。
しかたない。
「mp10 身体強化」
体が軽く、また剣も軽く感じる。
「イケる!」
その後は苦戦することもなくスケルトンを倒せた。
まだ身体強化が残っているがそれよりもさっきの行動を考えなければ……。
「スキル化したのか?」
それなら一応辻褄は合うな。技術のスキル化か。確かに5層までバッシュからのカウンター狙いだけで戦ってきたからな。それにしても体が強制的に動くなんて便利だな。
なんにせよ助かった。
「これは、無理だ。まず4層に帰る。無理ゲー」
「階段どこー」
「Help me!!」
スケルトンをひきつれて逃走中。いわゆる弱モンスタートレイン状態だよ。冒険者さん合わないでねと祈りながら走る。まあ他の冒険者なんて会ったことないけどさ。
「よし。階段を見つけた。けど正面にもスケルトン1体。後ろに5体。」
相手の攻撃をカウンターなんて待ってられない。防ぎながら突破するぞ。スケルトンの右側を走り抜けると同時に横なぎの攻撃がきた。とっさに盾でかばうも防ぎきれず、左太ももに大きな傷がついた。
「痛ったー」
ガードしきれなかった。動きが鈍ったがそれでもまずは階段。死ぬほど痛いけどまずは階段だ。
「動け。動け。動け」
なんとか走り抜け階段へ到達しすかさず回復魔法を唱える。
「MP24ヒール」
発動しない。
「なんでだよ。くそ」
なんでだ。痛ってー。MPがない理由。くそ。
「身体測定か。MP全部使ったからか。くそが、測定して冒険とか自殺行為じゃないか」
考えろ。考えろ。
10分でMP1回復。
身体測定から扉まで20分仮定。
5層到達まで60分仮定。スケルトン1体30分。けど身体強化とスキルで11使用。その後、門探し30分。残MPは……3くらいか。
「って足りないじゃん!!回復薬回復薬。緑緑」
緑の回復薬を傷口にかける。
「良かった。回復薬で治る程度の傷で……」
やっぱりMPは回復に温存が最適解だな。とりあえずあとはいつもの4層から帰るだけ。
冒険者ギルドの受付嬢にぼやいた。
「初心者の門の5層って強すぎませんか?」
いつもの受付の方は楽しそうに言ってきた。
「ソロなら当然だよ。坊や。たいていはPTでボス直前までいくのが普通だね。5層レベル上げPTとか5層ボス直行PTとか他国では募集があるんだよ」
その情報を聞いて愕然とした。
「まあ、邪には募集なんてないけどね。邪で初心者がソロなんて、もの好き以外いないね。本格的に農家にでもなったどうだい」
受付の方はやはりとても楽しそうだ。
こっちの苦労なんてしらないくせに……。
「どうすればいいですか。冒険者ギルドならアドバイスくださいよ。うーん、国を変えるのが早いですけど、あとは武器・防具を新調するとかですかねー?」
受付の方はめんどくさそうな表情を浮かべていた。
「でも、坊や。多分魔法職じゃないかい。筋力値が低いと、武器も望みうすですけどねー」
確かにそうだ……。くそ、指摘は適切だから腹が立つ。
「そうですか。ありがとうございました」
苛立ちをなんとか抑え冒険者ギルドを後にする。
国を変える選択肢がない以上、まずは武器屋に相談してみるか。
「すいません。武器と防具を新調したいんですが、おすすめありますか」
「今の装備は?」
「木の剣と木の盾です」
「なるほど。とりあえずこの中から、剣を触れそうな重さを探しな」
順番に剣を持ってみるが、最初の剣以外はとても振れそうになかった。
「筋力2回上がったんですけど、一番最初の剣がぎりぎりの重さでした」
「となると、筋力7くらいか。2通りの方法があって、武器を強化するか、新調するか。強化は無駄すぎるからおすすめはしないがな。まあ筋力7で剣を探してみるから待ってな」
強化はRPGじゃよくあるけど、おすすめじゃないのか。なんでだろ。
しばらくして武器屋のおじさんが奥からやってきた。
「値が張るが、たまたまいいのがあったぞ」
「ごめんなさい。どうしても気になってしまって。強化がおすすめ出来ないのは何でですか」
「強化石ってのがあるんだが、全武器共有での使用なんだ。つまり、強化石自体が高価。しかも強化も確立で成功する。となると、弱装備を強化するなんて、金持ちの道楽レベルだよ」
「話しを遮ってすいませんでした。説明ありがとうございます。それで、値が張るってのは?」
「趣味人が作ったキングトナーの角で作った片手剣があるんだが、材料費等が高くて、剣の値段も高いんだ。そもそも軽い武器で強い武器なんて需要がないから、本当にたまたまあった具合だな。安く見積もっても20,000$だな。」
「高いですね……。」
木の剣と盾が500$だったから、けた違いだ。しかも低レベルの装備なのに……。魔法職なのが悔やまれる。
「盾はリザードマンの皮盾かシーサーペントの鱗盾だな。どっちも小盾になる。いまと重さもたいさないだろう。今後も考えればシーサーペントの方が使い道はあるな。計25,000$ってとこか」
「高いですね……」
「新進気鋭の農家なら稼げるんじゃないか」
おやじは愉快そうに笑っていた。
「だれですか。新進気鋭の農家なんて言っているのは」
「冒険者ギルドの副長のエルダさんだよ。毎日とんでもない数の野菜を納品しているって。今年は他国からの支援も必要ないかもって話さ」
「あの受付にいらっしゃる方ですか。エルダさんて言うんですね。変なこと言わないっでって言ったのに」
「でも気を付けなよ。レベル10を超えると野菜は逃げるから今までみたいな収穫は難しいからな」
そうか。考えてなかった。いまレベル9だから、チャンスは今だけか。いま預金が19,825$。って意外と持ってんな。しばらく収穫に専念すれば余裕だな。私設ガチャも引きたいし。
「キングトナーの角で作った片手剣とシーサーペントの鱗盾を一回装備してみてもいいですか」
「いいぜ。試しな」
うん。重さも今と変わりわなさそうだ。素振りをしても、問題はないし、鋭い感じが伝わってくるな。
「お願いします。手持ちがないんですが、必ず買いに来ますから、すこしの間、誰にも売らないでください。お願いします」
「おういいぜ。磨いとくから溜まったらきな」
「ありがとうございます」
しかし、あまり考えていなかったが、お金を稼ぐという意味では今がベストだったんだな。今後も必要になるだろうし、しばらくは例え飽きてもでも稼ごう。
冒険者ギルドへ向かった。
PC
「ご用件はなんでしょうか」
「野菜の収穫のことだが、複数の野菜が比較的近辺で収穫できるところはある?」
「じゃがいも、とうもろこし、トマトが近辺となっております。地図はこちらです」
ほぼ三角形状な野菜畑だな。
「ありがとう。また来る」
どうしても野菜のリポップ時間がもったいないから農場をはしごして、じゃんじゃん稼ぐぞ。
おやすみなさい。
(19,225$)




