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邪の国1

 23:30

 予定通り邪の国へ上陸したけど、これは……。深夜にもかかわらず明るい。建物一つ一つが明かりを放ち夜の暗さを吹き飛ばしている。聖の国はきれいな街ではあったが異世界人の俺からすれば普通だった。けれどこの国の街並みは華やかだ。本当に国によって違うものだな。電車では寝てしまったけれど他の国の様子も見れば良かった。

 まずは泊まるとこ探さなきゃ。安価なホテルはどっちかな。

 

 だめだもう疲れた。夜が遅すぎて空いていないし、宿泊料も土地勘がないためわからない。とりあえず空いてる宿を探そう。

「すいません。チェックインお願いします」

「タグネス出しな。1,000$だ。」

 高っ!聖の国で泊まった所は、ツインで1,200だったのに……。でも疲れたから仕方ない。

 タグネスを差し出し、支払いを終える。

 「部屋は307だよ。大浴場は24:00までだから急ぎな」

 よし急げ。

 高いだけあって本当に広くて充実しているな。早く寝よう。おやすみ。


 今日はどうしようか。まずは冒険者ギルドにいって、身体測定しつつ、初心者の門について調べよう。お金は少しあるし、初めに情報収集からだ。

 

 聞いてはいたけれど、冒険者ギルドは人がいないな。聖の国は活気があったのに……。よーし、身体測定はあっちかな。

 内容は……握力測定、アームレスリング、垂直跳び、反復横跳び、100m走、魔法の使用と。小学校の体力測定みたいで、子供に戻った気分だ。

 それにしても、せっかくの異世界なのにステータスが分からないなんてな。身体測定ではMP,筋力、敏捷力のみ、ある程度の自己測定が可能。そして、この異世界で確認されているステータスがこの3つ。他のステータスは未確定ときた。よくあるHP、魔力、防御力等は未だ判明されていない。しかし、レベルアップ時に判明している3つが変化しない事があるらしい。いわゆる未確定ステータス。しかも、戦闘においてほとんど実感がないらしい。

 

 さてやるか。

 ……。

 測定結果はあまり良くなかった。この結果ならレベルは低いのかな。未確定ステータスだらけでなければ……。

 確か電車でイリスが話していたな。出生時の転生であれば、レベル1で確定だが、それ以外の転生はレベルが不規則である。レベル9以下であれば、初心者の門で確認が出来る。それ以上のレベルだと確認が出来ない。

 

 次は初心者の門について調べてみようかな。

 「すいません。ダンジョンの資料ってありますか」

 受付の方に聞いてみた。

「二階の本棚にあるから勝手にみなー」

「ありがとうございます」

 あの受付の人……すごくテキトーだったな。冒険者ギルドに人がいないから、やる気がないのかな。まあいいか。

 えーとこの本棚の……この本か。早速読んでみよう。

 1階 スケルトンの攻撃を避けるまたは盾で防ぐ練習をしましょう。最大成長レベル2。

 2階 スケルトンの動きが少しはやくなります。練習は同様に。最大成長レベル4。

 3階 スケルトンの動きが更にはやくなります。最大成長レベル6。

 4階 スケルトンが盾を持ちます。防がれた場合、硬直等に注意しましょう。最大成長レベル8。

 5階 スケルトンのHPもあがり簡単には倒せませんが、練習の成果を出しましょう。最大成長レベル10。

 ボス 熊(二足歩行)。

 行動パターンは突進・切り裂き・2連パンチの3パターンです。よく観察し硬直時等に攻撃しましょう。

 ボスを倒すと報酬が一つ出現します。

 注意:PTで挑んでも報酬は一つです。報酬は未踏破の者が参加していなければ出現しません。


 要約するとこんな感じだが……あんまり得られた情報はないな。結局、戦い方は人それぞれの特性に合わせろってことだしな。無難に片手剣と盾かな。

 よし、となれば武器屋と防具屋だな。

 

 「いらっしゃい」

 「すいません。初心者向けの片手剣と盾が欲しいのですが」

 まず武器は鉄の剣で十分だな。

 「初心者用といわれてもなぁ~おめぇレベルは?」

 「レベル1と思われます」

 「なんでまたこの国に初心者が!?まあいい。となると初心者の門か。であれば……武器が合うか試すのには木の剣と木の盾で十分だな。それにお金だってあんまりないだろう!?ガハハハ」

 「……。そうですね。それでよろしくお願いします。いくらですか」

 「どうせ余ってるから2つで500$でいいぞ」

 「ありがとうございます」

 タグネスを差し出し支払いを終えた。

 予定と変わったがまあいいか。次は防具屋だな。

 

 防具は動きやすさ重視がいいな。

「試着してみていいですかー」

 意外と皮の防具は重いな。となると多少の強度のある服がいいかな。

「皮の帽子と丈夫なふくをください」

 それにしても装備の一部はタグネスに収納出来るから便利だな。

 よーし。初心者の門に行くぞ。

 

 これは門の扉を開けばいいのか。

 うわっ転移か。

 ここは……草原マップかな。見通しは良いが気を付けていこう。でも、後ろに門がないんだけど。どうやって帰るの……。

 気にしたら負けだ。まずは周辺を調べながらいこう。

 いた、スケルトン1体だ。

 まずは近づき、盾を構えながら防御や避ける練習だ。

 わくわくしてきた。さあこい。

「ああああああ」

 スケルトンは一体どこから声を出しているのだろうか。骨だけなのに。近くに来るとすごい存在感だ。骨だけで動いているし、気にしたら負けなんだろうな。

 来た攻撃だ。縦斬りだ。まずは横に避けてみる。

「まぁ予想通り簡単だな。避けたあと攻撃ができるな」

 おっと、次は横薙ぎ。これは後ろに避けてみるか。

「うーん。避けれるけど、敵との距離が出来て、次の攻撃が遠いな。もう少しうまい避け方はあるのかな」

 

 何度か戦って縦斬り、横薙ぎと避けて気付いたことがある。軌道がすべて同じだ。

「これなら。きた、横薙ぎ。近づきながらしゃがむ。」

 スケルトンの剣による横薙ぎは頭上を通った。

「よし避けられた。回避はこんな感じだな。次は、盾を使ってみるか」

 まずは、ふつうに盾を構えて受けてみる。

「ゔ、結構衝撃がくる。筋力値によるの差なのか。きついな。少し受け流すように受けてみるか」

「よしこれなら耐えられるな」

 あとは、バッシュってのもあったな。攻撃に合わせてプッシュする。

「うーん、タイミングか」

 

 よし、わかったことがある。やはりタイミングだ。

 攻撃を振り切られた後だと、いくらバッシュしても変わらずただの盾受け。

 攻撃を振り切る途中にバッシュすると普通の盾受けより衝撃が少ない。

 さらに、攻撃の出始めなら完全に相手の攻撃を中断させることが出来る。

「けどなー、横薙ぎは中断できるけど、縦斬りは届かないんだよなー。体格の差なのかな。どうにかすれば出来ると思うんだけど……」

 やば連戦で気を抜いて足がもつれた。

 とりあえず、倒れながらガード。

「うっ……」

 盾受けしても体制を崩しているとさらに衝撃がすごいな。すぐ立たなきゃ。

「あー怖かった。忘れてたけどこれが死の恐怖だよな。転んでも防げるとわかっていても、まだ体が震えているよ。ほんと異世界だ」

 でも気付いたことがある。攻撃の出始めに体に対してバッシュすればどうよ。今まで剣と手にしかバッシュしてなかったけど。体制崩すだろ。絶対。やってやるぞ。

「きた。縦斬り。バッシュ」

 やった成功だ。相手も体制を崩した。でもやっぱり筋力差が大事かもな。気をつけよう。

 盾受けと回避はこんなものかな。

「ご指導お疲れ様でした」

 倒すのは簡単だな。動きが遅いからな。

 そして、気付いたことがある!!

 回復薬もってなくね!定番アイテム持たずに来てしまった。まずは、この一層がおわったら帰ろう。帰り方も見つけなきゃ。

 見た目よりマップは広くないな。草原だと思ったけど壁がある。

 あと敵を倒したときの光の粒子が体に吸収されるの幻想的すぎる。あとはレベルアップできればいいが。15歳で転生したから何レベルかわからないんだよなー。

 低レベルならいいけど。だいたい10体くらいでレベル2に上がるらしいんだがな。

「あっ次見つけた」

 今ので9体目か。

「うん、なんだあれ」

 階段と扉がある。

「けれどあれだよな。一般的に考えて、階段が2層に進む。扉は帰るだよな。」

 えっ扉でダンジョン入ったからつぎもダンジョンあり得る?

 うお究極の二択だ。

 保留しよう。

 まずはもう少しスケルトンを倒そう。


 10体目のスケルトンを倒した途端、体が輝き熱を帯びた。

 「うっ、今のがレベルアップか!良し!」

 よし、これ以上の戦闘は不要だ。

 あとは帰還の仕方だが……階段と扉の二択だが、前回の扉はくぐると消えたが……。階段は消えないよな!?

 消えないなら一度階段を使う価値はある。

「よし、階段に決めた。」

 階段を上るとまた扉が現れた。

「Noooooo」

 なんで階段のあとに扉。普通階段を上ったら次のステージでしょ。

 まじかよ。こんな初歩的なこと、みんな悩むのか。こんな不親切なのか。そもそもいきなりワープが違うんだよ。最初なんて入ってすぐダンジョンを出られてもいいじゃん。扉消えるとか違うじゃん。回復薬ないじゃん。勘弁してくれ。

 冷静になれ。考えろ。

 そう今俺は階段を上った。

 ダンジョンは塔なのか洞窟なのか。えっどっち?普通洞窟だよな。わざわざ塔なんて建物を建てるより、地下に穴を広げたほうが楽だよな。

 でも、転移して一層にきたから、上りも下りもしていない。わかんねー。考えてもわかんねー。扉の前にきたら次に進みますか。とか帰りますかとか話してくれてもいいじゃん。それが、RPGじゃん。はっまさかJRPGじゃない。どっかの国か。クソゲーだよクソゲー。いまの時代の子なんて、実況みてゲームした気になってるやつばっかだぞ。そんなやつらが、こんなゲームやったらクレームだよ。炎上、炎上。

「ああもう勘弁してくれよな。確率は二分の一。……決めた。塔よりは洞窟が現実的だろう」

 ファンタジーに現実的かどうかを求めても仕方ないが。

「洞窟だ洞口。上れば出口。自分の勘を信じろ。行くぞ」

 すぐ階段を上った先の扉を開けた。

 頼む!!ゆっくりと目を開けると街に戻って来ていた。

 帰ってこれた……今日は疲れた。けれど、お金稼ぎに野菜狩りでもするか。ギルド行こっ……。


「すいません。野菜狩りの依頼って何処にあるんですか」

 冒険者ギルドの受付の方へ聞いた。ってまた同じ受付の人だ。他にいないのかな。

「ああ、パソコンから受けな。収穫したら入口横の収納箱にタグネスかざせば終わりさ」

「ありがとうございます」

「ちょっと待ちな。あんた初心者かい?見ない顔だが」

「ええ、昨日からこの国に来ました初心者です」

「悪いことは言わないが、他の国に行った方がいい。冒険者にこの国は厳しいからさ」

「事情があってこの国に来たので、厳しいのは分かっていますが、頑張りたいと思っています」

「そうかい。まっ困ったら相談しな」

「ええ。ありがとうございます」

 意外と親切な人なのかな。まあいいや。

 

 えーとパソコンはここだな。パソコンとヘッドセット?何に使うんだ。まぁいいヘッドセットを付けて、ええと『画面をタップしてください』ってタブレットタイプなのか。キーボードもみつからないし。とりあえずタップっと。

「こんにちは。本日はどの様なご要件でしょうか」

「野菜狩りの依頼をうけたくて」

 思わず普通に話してしまった。AI進みすぎて困る。音声会話まで出来るタイプなの!?

「かしこまりました。少々お待ちください。」

「お待たせいたしました。該当のクエストはこちらとなります。なお、人参の在庫が少ないため、おすすめ致します」

 やっぱり音声会話AI。スムーズすぎて凄い。

 異世界は進んでいる。はぁ快適すぎる。

 それじゃ人参のクエストを受けてと。場所も比較的近いな。よしいこう。


 さて。人参の魔物ということだが、人参が歩いてるのか?

「ポーーーン」

 ポーーーンって音出しながら人参がゆっくり飛んできたんだけど。なにこれ。

 とりあえず、ガードしてみるか。

「えっ」

 盾にぶつかったと思ったら消えて人参パックになったけど。タグネスに収納出きるんだっけか、かざしてと。なんだかあっけないな。農業感がまるでない。まあ魔物?だから倒した感じなのか。

「ポーーーン」

 って次々飛んくるじゃん。入れ食い状態だな。エリアも余り広くないし。よーしじゃんじゃん狩るぞー。

歩いては飛んできたのを左手で叩く。パックになって地面に落ちる前に左腕のタグネスが吸収する。ものすごい効率だな。最初の盾で防いでたけど、そんな工程いらなかった。叩けばいいだけだ。何体狩ったんだ。報告が楽しみだぜ。

 ギルドに着き、タグネスをかざす。

(初期10000−5000運賃−1000カプセル−朝食100ー剣盾500-服600=2800)

「6550$??」

人参一つが5$。所持金が、えーと2800$だったから、750体……。

これって普通なのか?稼ぎすぎ?でも4時間くらい働いたし。

ギルドの受付の方に質問をしてみた。

「すいません。野菜狩りってどのくらい稼げるものですか?気になってしまって」

「うーん、どうだろうな。ここは特に冒険者少ないし、ほぼ独占市場じゃないか。あと、野菜もレベル低いと襲ってくるけど、レベル10を超えると逆に逃げる。だから追いかけなきゃいけないから、収穫速度は落ちるな。だから一概には言えないけど、ここはほぼ独占状態だな。だから他所の国より効率はいいかもな。今まで考えたこともなかったが……」

「そうでしたか。教えて頂きありがとうございます」

 とりあえず、今日こそ宿を探そう。


 「おっちゃん。ここは一泊いくら?」

「素泊まり300$。朝晩飯込みで600$だな。」

 ご飯付きで昨日より400$安い。お金に余裕もあるしいいなここ。

 「朝晩飯込みで一泊頼むよ」

「おう。208号室で飯は、夜は6:00.朝は7:00から。チェックアウトは10:00だ」

 とりあえず部屋にいこう。

 

 よし今後の予定を考えるぞ。稼げることがわかったから半日は食材に当てたい。また、それだけでは飽きるから初心者の門も一層くらいはチャレンジしてと。あと空いた時間で聖の魔術書を使えるか確認。出来なければ回復薬を購入。合わせて邪の魔術書も探してみる。

 初心者の門をクリア後、私設のガチャを引いて今後の運用を考えよう。ああ、あと明日身体測定もしなくちゃ。

 おっと、良い時間だな。飯に行こう。

 相変わらず凄い量だ。食べれるのも不思議だが、先に風呂行って魔術書にするか。


 さて魔術書だか、ランク2までは書かれているって話しだったよな。まずはヒールからやるか。指切ってと、mpどうするか。まずは使えるかだな。

「mp10ヒール!」

 綺麗に治った。少なくとも発動はしたな。あとは最低使用mpと、どの程度回復するかは怪我しないと試しようがないな。やっぱり回復薬は、少し必要だな。明日買いに行こう。

 あとは範囲回復のエリアヒール。状態異常を治すリカバリー。状態異常の範囲回復エリアリカバリー。

 あとはクラス1のエイド(傷を治す初期対応みたいなイメージ)。急ぎではないな。

 よし、明日も頑張るぞ。おやすみなさい。

 残金 5,950$

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