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聖ギルド側

◇聖ギルド

「およびでしょうか。ラディアス様」

 ギルド長様の呼び出しはいつも緊張する。今回はどんな要件だろうか。

「ああ。呼び出したのは、聖ランク3の新人が現れたからだ。私も声をかけたが、冒険者をまずは経験したいと言いおった。いかような手段をもちいても良い。かならず聖ギルドに所属させろ。」

「はっ。そのものはどのような人物でしょうか」

 私はマルという人物について確認したうえで、部下を付けて監視することにした。新人冒険者であればまずはパーティに同行し、親交を深める方向性でいこう。

「おい」と私は部下に声をかけ呼び出した。

「あの者を監視し、冒険者として手助けをし、ギルドに勧誘しろ」

「かしこまりました」

「ラディアス直々のご命令だ。こころして任務にあたれ」

 それにしても聖ランク3か。うらやましい限りだ。くそっ。私にも力があれば……。



「なに!?見失っただと。必ず探し出せ!!」

 どういうことだ。宿屋で見失うとは。くそっ。まずは、最後に一緒にいた者へ確認する。たしかディアスだったか。龍牙パーティのディアス……。宿屋から拠点までの道のりを確認するか。


 いた。あいつがディアスだ。

「ディアス様。申し訳ございません。少しお話よろしいでしょうか」

「ん!?誰だ。まあいいが……」

「申し遅れました。聖ギルドのウルスといいます。早速で申し訳ございませんが急いでおりまして。一緒にいらっしゃったマル様はどちらに?」

「今朝飯を食ったあとに別れて、その後は知らないが……冒険者ギルドにでも行ったんじゃないか」

 くそっ。知らないふりか。こちらは宿屋前で待ち合わせしていたところまでは、情報をつかんでいるんだ。朝食後部屋に戻り、その後先に宿屋から出てきて、宿屋前で待機していたと報告は受けている。しかし、いつまでたってもマルは出てこず、宿主に聞いたところすでに不在とのこと。

「そうでしたか。マル様をもう一度聖ギルドへ勧誘をしようと宿屋の前でお待ちしておりましたが、いつまでも現れず。宿主もう出て行ったとのこと。なにかご存じではないかと思ったのですが……」

「そうなのか。だが申し訳ない。朝飯のあとはわからない」

 あくまで知らないを通すのか。しかし、どうすることもできない。くそっ。

「そうですか。お時間をいただきありがとうございます。では、失礼いたします。」


「冒険者ギルドや初心者の門、野菜畑にいたか!?」

「申し訳ございません。見つかりません」

 いったいどこに行ったんだ!!

「ギルド長直々の命令だ。なにがなんでも探しだせ!!」

 くそっ。このままじゃ俺の立場が危ないぞ。どうすれば……。



「申し訳ございません。マルというものの消息が消えました」

 俺はギルド長へ簡潔に答えた。ギルド長は背を向けたまま、こちらを向かないため表情が読み取れない。しばらく無言の時間が続き、背中に汗が流れる。

「私が命令した内容は覚えているか」

「かならず聖ギルドに所属させろ。というご命令です」

「いいや違うな。いかような手段をもちいてもと命令したはずだ。軽んじたのか?」

 もちろん。わかっている。そのために部下を使い監視までしていたのだ。

「……。申し訳ございません。死角がないよう努めて」

「ふざけるな。ランク3の聖属性使いの重要性を理解しているか。お前はわかっていないようだ。ランク2の聖属性とランク3。天と地の差がある。」

 黙って聞くことしか出来なかった。

「たかが小僧一人も捕まえられないとは……。お前に命令した私が愚かだった。もうよい。下がれ」

「申し訳ございません。失礼致します」

 くそっ!今回の失敗は絶対取り返してやる。退出すべく扉に向かう。扉に手をかけようとした。

「ああ。言い忘れていた。これからは火の国でバカンスでも楽しむと良い。以上だ」

 左遷という屈辱を受け、燃え上がるような怒りを感じながらも、冷静を装い扉から退出した……。

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