返らずの花であるように
白無垢の
門出見送る
返り花
---
雲一つない青空を
雪化粧のように淡く白く染める
太陽の光
夜を迎える頃には肌を刺すような冷たさだったのが
朝には嘘のように和らいで
季節外れの桜が一つ二つ
青い空に彩りを添えていた
今日旅立っていく娘の門出を祝うかのように
そっと咲いた返り花を
白無垢姿と共に写真に残した
この瞬間が
いつまでも返ることないように
この瞬間を
いつまでも留めて置けるように
陽の光に温められた雪が
雫となって
零れて落ちた