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マンションのお隣さんに義理チョコのお返しをする件

作者:久野真一
 もうすぐ春休みを控えた高校二年生の俺、佐久間勝栄(さくましょうえい)には一つ大きな悩みがある。
 明日、三月十四日に迫ったホワイトデーという奴だ。勘違いしないで欲しいが、本命チョコなんぞもらっていない。
 二月十四日、バレンタインデーにもらったのは母親とクラスメイトの女子、そして「お隣さん」からの義理チョコだけだ。
 ただ、お隣さんで幼馴染な-生島郁美(いくしまいくみ)-は俺のど本命で、ちゃんとしたお返しはしたい。
 こうやってお返しに悩むのも毎年のことなのだけど、今年は少しだけ違う事情があった。渡されたチョコに

「Happy valentine's day! 勝栄。これは書くか悩んだのだけど、伝えないと後悔しそうだし―」

 そんな書きかけでクシャクシャの便箋が入っていたのだ。それから一か月近く、郁美はもしかして……と考えたことは
 一度や二度じゃない。明日、お返しをする時にこの便箋のことをたずねようか、と考え続けて約一か月。
 もし、思いのたけを伝えようとしてくれたなら、なんて都合のいいことを何度も妄想したけど、郁美が「後悔しそう」な
 話は果たしていいことなのだろうか。彼氏ができたなんて話かもしれないし、重い事情をカミングアウト
 しようとしてくれただけなのかもしれない。いや、さすがに彼氏ができたことをわざわざ手紙で伝える必要はないにしても、
 言い出せなかった「何か」がいいことだとはやはり限らない。

 なんて考えても、結局は「勇気を出して話を切り出すしかないか」てことになるんだけど。
 果てさて、明日はどうなることやら。
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