なんて事ない人生
夢遊病に浮ついて
外に出歩き何かを探す
昨日までとは違う町並みに心が弾む
色彩の彩りを感じながら
千鳥足で窓から一歩踏み出す
空を飛ぶペンギン
雨雲を食べるクジラ
風を切って歩く自分
探してた答えが目の前の風景
焦がれていた心が消えていく
まるで過去の出来事が消えていくようで
思い出の中に入ったよう
嬉しさの嵐の中で目を覚ます
窓際に干した下着
食べ終わった皿の山
横で鳴り止まないiPhoneの着信
戻る現実は昨日と同じ
そして明日もきっと同じ
仮病を理由に窓際で一服
なんて事ない人生
ありきたりな人生
吐いた煙がペンギンに
外の雲はクジラに
次の夢遊病に心弾ませ
目を閉じる
なんて事ない人生