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01のファンタジー

結晶の魔術師 外伝 〜盗賊に堕ちるまで〜

作者: 古口 宗

 洞穴の中を見渡して、端正な顔が満足気に笑みを浮かべる。

 鋭い目付きも合わさり、ナイフの様に思える笑みだが、隣を歩く初老の男には機嫌が良いと伝わった。


「エクシノ、この場所ならどうだ?」

「良いんじゃねぇか?ちと魔獣の巣穴が近いが...人の居ねぇ証でもある。」

「ソイツは朗報だ。殺すなら、人間以外が良い...」


 どっかりと座り込むと、深く息を吐き出して天井を仰ぐ。冷たい空気が過ぎ去り、彼の首筋を撫でていく。


「あん?奥、なんかあんのか?」

「風が吹いたってこたぁ、向こう側があんな...まぁ、誰も気にゃしねぇだろう。」

「だな、ズラかるにも疲れた...誰か来る気配がありゃ、退きゃ良い。」


 その辺の勘は非常に冴え渡っている。その原因を朧気に思い出していると、疲れが出てきたのか瞼が重くなる。


「取り分の分配は明日にすりゃいいさ。もう寝たらどうだ?」

「悪ぃな、そうさせて貰う...あ、銀時計は取っとけよ、ありゃケントロンよりアナトレーのが売れる...」

「あいよ。」


 手を上げて答える相方を見ながら、壁に背を預けて瞼を閉じる。次第に微睡む意識は、過去の記憶へと思いを馳せた...







 暮らし向きは上場、ケントロンの南部都市は獣人との取引口であり、防波堤。彼の産まれた頃には、「悪魔の呪い」事件も収まりを見せて、獣人は理性なき魔獣とは言いきれない存在になり始めていた。

 とはいえ、睨み合いを続ける毎日であり、彼にとって馴染み深い種族ともならなかったが。殺し合いも無く、話し合いも無く。まさに、話に聞く程度。


「坊主〜。お客さんが来ているんだ、木の上にいるのは止めなさい。」

「はーい、分っかりました〜。」


 孤児であった彼の住む場所は、とある商会だった。飲み込みの早い彼は、計算や商品の目利き、相場の変動予測等を会得し、拙いながらも即戦力として商家に取り入ったのである。

 人の需要という物にとても過敏な商家の者らしく、信用を損なわない加減は心得ていた。故に、自由にされていた時間も多く、彼はその中でとある出会いを果たす。


「なぁ、坊主。そんなとこ飛び回ってっと、怪我ぁするぞ。」

「...鏡をお売りしましょうか?」

「生意気なガキだ。俺は大丈夫さ、ロープを渡る事もあるからな。」


 木の上で寝ている男が、笑いながら手足を伸ばして体を解す。揺れ動く枝にハラハラしたものの、彼はそのバランスも崩さずに座り直した。

 ふと、後ろに落ちたかと思うと、天幕を張るロープへと立って地面へと降りる。曲芸師の様な身のこなしに、目を見張る間も無く距離を詰められる。


「そんで?なんだってそんな事を?」

「なんでって...遠くが見えるから。南の方に国が()()()ってのが、見えないかなぁって。誰も知らない物を、知っておきたいから。」

「へぇ...おまえは獣堕ちを知りたいと思うのか。」

「だって、罪人だの魔獣だのと言っても、元は人間なんでしょう?」

「危険なのは変わらんがね...」


 含んだ苦笑は気にかかるも、そこを詮索する程に野暮では無い。少ない人生経験で、見当がつかなかったのもあるが。

 その代わり、彼の事を聞こうとした時に、クレフの背中に飛びかかった者がいた。


「兄さん!」

「ドリオス!?どうしたよ、いきなり。」

「今...裏に死体が...」

「はぁ?」


 困惑した様に振り返るが、蒼白な顔の弟に心配する感情が勝る。様子を見に行こうとする二人に、目の前の男が掴んで止めた。


「まぁ、待て。こんな白昼堂々、死骸が転がってるもんか?異常だ...逃げるぞ。」

「逃げるって...それなら、店の人に」

「いやぁ、手遅れじゃねぇかな...報復だろう、ここの店の奴らは巻き込まれたんだ。ったく、余計なアクションはすんなってのに...脅しでもしたかね。」


 半ば引きずる様にその場を離れる男に、彼は抵抗してみせる。だが、次の瞬間に店内から吹き出した炎に、思わず身を竦めた。



 ...数時間後。いつの間にか気絶していたらしく、彼は冷たい岩肌から身を起こす。


「檻...?」

「おぅ、起きたか。それはあれだ、インテリアみてぇなもんだ。取り外せねぇんで、置いてある。」


 くり抜いた様な洞穴に、めり込むように備えられた鉄格子。その向こうで、ナイフを弄びながら先程の男が言った。

 隣で弟が眠っているのを確認し、彼は数回の呼吸の後で男に向き直る。


「なんだってんだよ...何があった?」

「ほぅ、強気な態度だな。そっちが素か、商人らしくねぇなぁ。」

「質問の答えは?」

「答える義理なんざ無い...って言うなら、態々つれて帰らねぇわな。ま、あれだ。巻き込んだ形だからな、少しは世話を焼いてやる。」


 そう言って顎の無精髭を撫でながら、椅子の上で男は続けた。


「俺はフォノス、さっきのは雇い主がバカやった結果だ。殺しを手段にすりゃ、相手の手段にも加わるとは言ったんだがね...結果だけじゃ、満足出来なかったらしい。」

「雇い...殺し?」

「次はお前だとでも言って、脅したんだろ...死んだって結果で終わらせておきゃ良かったのによ。死の恨みだ怒りだに、捌け口を作っちまったのさ。目撃者、関係者は皆殺しだろうよ。」


 苛立ちをぶつける様に、彼は一気に言い募る。


「いいか、坊主。この先何があるとしても、だ。殺しは結果だ。手段でも目的でも、あっちゃいけねぇんだぜ。暴力は暴力でしか解決しねぇし、暴力しか生まねぇからな...」

「...着いて行けないんですが。」

「あ?あぁ、悪いな。愚痴になっちまってたか...」


 歳を食うといけねぇな、とボヤきながら椅子の足の切れ込みに紙を挟み、フォノスは彼を正面から見る。

 隣でモゾモゾと起き出した弟をチラリと見て、その目も此方を見つめ返す。灰色の、深い瞳。


「なぁ、何が聞きたい?俺から話しても、どうも食い違うっつーか...説明が苦手なのさ。」

「アンタが何者なのか、ここは何処なのか、俺たちはどうなるのか。」

「欲張りさんめ。ま、一つずつ答えようか?」


 そういったフォノスは、足を組み替えて前屈みに座り直した。


「さっきも言ったが、名はフォノス。暗殺稼業で生きている。生きてるって事ぁ、失敗は無いって程度だと考えてくれりゃいい。

 ここはそんな俺の隠れ家だ。恨まれる事も多いからな、仕方ない。証拠を残したつもりは無いから、当てずっぽうだろうがね。事実、法的組織は動かしてねぇし、冤罪も多いよ。」


 そこまで一息に言い切ると、彼は言葉を止めた。そして睨みつける少年と怯えた様な少年をみて、ゆっくりと続ける。


「ま、あれだ。アンタらがどうなるかってのは...俺も分からん。一応、追っ手は始末しといたが、まだ顔を覚えられてるだろうさ...生き抜く自信がねぇなら、暫くここで雑用してな。」

「なんで俺達が狙われるんだよ?」

「あの場に居たから、としか言えねぇな。人殺しなんざ、一人殺せば後は同じだ。危険があるかもしれない、ならば消す。後戻り出来ん輩なのさ。」


 クルリと回しながら取り出し、弄ぶ様にナイフを動かして彼は重ねて尋ねる。


「それで?面倒なら見てやる、どうするかはお前が決めるんだ。」

「なんだってアンタがそんな事...」

「さてね。暇人だから、とでもしとこうか。あぁ、その扉は雑に扱うとハマって動かなくなる。気をつけてくれよ、余計に狭くなっちまうからな。」


 後はお前達が話し合え、とだけ残すとフォノスは洞穴から出ていく。あれだけ危険だと抜かしておいて、自分は抜け出すのかと呆れる。

 すこし気をつけながら錆び付いた扉を押せば、牢屋とは見かけばかりな程に楽に開いた。


「兄さん...お店は?」

「無くなっちったみたいだな...大丈夫、兄ちゃんが何とかしてやるから。」


 気の弱い弟に笑いかけ、彼はその頭で現状を考え直す。自分よりも年上のフォノスが、妄言を吐く人物にも思えなかった。経験ならば向こうが上、自分達が狙われているのも事実だろう。

 でなければ、連れてくる意味が無いからだ。責任、と言うのもいまいち納得は出来ないが、もっとも辻褄があっている様に思えた。


「な、ドリオス。お前はどうしたい?」

「どうしたいって...分からないよ。」

「アイツの元に暫くいるのは、そうなんだ。その後、どうしたい?ここにいるか?それとも、街に戻るか?」

「僕は...」


 己の半分程の年齢の子供には、少し酷な話しだったかもしれない。ならば、どっちに転んでも良いように、自分が何とかしようと彼は思えた。

 暗殺者の補佐か、街に戻るか。戻るなら商人だろう。どちらにせよ、必要なのは読み書きと算術、体力か。


「よっし、まずはここにあるもの片付けようぜ、ドリオス。家が汚いの、ヤだろ?」

「うん、分かった。」


 目先の行動を作り、不安を紛らわせつつ、思考時間を作る。何から学ぶべきか、何処から学ぶべきか。彼は考え始めていた。




「踏み込みが甘い!」

「つっても、これ以上は退けなくなる!」

「そのまま後ろに行けばいいんだ、引き際が良いのと臆病は違うぞ!」


 接近したフォノスの足払いで、彼は後ろへと押し倒される。首筋に当てられたナイフの冷たさが、背筋まで冷やす。

 フォノスは、想像以上に世話を焼いてくれた。飯の用意、暗殺者流の護身術、身の隠し方に物の探し方。読み書きも出来る様で、ドリオスに教えてもいた。


「これで四回は死んだな、坊主。」

「煩いなぁ...!俺は身を守れればいいの。」

「このご時世、過ぎるって事はねぇと思うがね...ま、後悔しねぇようにな。」


 ぐしゃぐしゃと髪を掻き回すと、フォノスはナイフをしまって立ち上がる。乱れた髪を後ろに払い除け、すぐに後に着いて歩く。


 あれから二年。件の一団は去ったらしく、そろそろ帰る事も考える時期だが...きっかけを掴めず、現状に甘えている。

 十数年生きただけの子供には、住処を離れるという決断は勇気がいるものだった。


「弟君、今日の支出な。計算よろしく。」

「フォノスさん、帰ったなら言ってくださ...わ、ロープ結構使いましたね。」

「次から仕事選ばないとなぁ...面倒だったわ。」


 虫も殺せぬ少年も、話に出るだけなら暗殺稼業にも慣れてきた様だ。補充分を計算し、予算を決めていく。


「これだけあれば、足りると思います。」

「ん...どうだ、坊主。」

「うん、足りる。少し足を伸ばして、東に行けば植物性のロープが安いけど。」

「あー...ま、大丈夫だろう。」


 実用に足るか思考して、フォノスは一つ頷く。硬貨を入れた皮袋を受け取り、外へと足を向けた。


「それじゃ、また暫く留守にする。気ぃつけろよ。」

「待てよ、俺も行く。」


 そろそろ買い替え時な物をチェックし、彼も立ち上がる。当然、ドリオスも。

 十年も生きていない弟を、一人で残そうとも思わない。伺う様にフォノスを見上げれば、苦笑が帰ってきた。


「好きにしな。」

「やったね。」


 笑いながら言った彼に、フォノスは付け加える様に言葉を重ねた。


「そういやぁ、お前達はどう生きるんだ?俺もこんな稼業だ、いつ死ぬか分からんぞ。」

「どっかの丁稚でもするよ。」

「ほん...なるほどね。弟君もか?」

「僕は...」


 チラリと兄をみてから、ドリオスは悩む素振りを見せる。兄弟の微妙な距離感に、フォノスは何かを感じ取る。


「ま、好きに生きれば良いさ。俺が教えられる生き方は、一つしか無いけどな。」

「は、はい!」


 早々に出ていけ、という意味にも取れたが、ただの励ましだと思ったのか、少年はにこやかに返事を返した。




 街に入れば、そこは活気に溢れる場所。顧客の関係もあり、上層部の雰囲気さえ慣れているフォノスには日常だろうが、二人には久しく味わうことの無かった空気である。

 ケントロン南東部。絶望的な西からは離れているが、獣人の地域や、アナトレー連合国と国境を構える場所。多くの人種や物資が集まり、小競り合いを広げる場所である。


「お、絵描きがいやがる。一枚貰うか?」

「何にでも興味持つなって...」

「いや、こういう目敏さが仕事に生きるんだよ...それに、人探しに楽だろう?」

「迷子前提か!」

「な〜に、間違っちゃない。既に一人いないだろ?」

「あー、もう!」


 少し彼が探し回っている間に、フォノスは買い出しを終えていた。ロープ、投擲用ナイフ、毒草、火種等。いささか物騒がすぎる。

 人の波に呑まれていたドリオスを捕まえ、戻ってきた彼にフォノスは笑う。


「な、いるだろう?思い出の品でも残してけや。」

「分かったよ...」


 たまに女の子と間違われる容姿は、あまり好きでは無いのだが。恩人に言われては仕方ないと、彼は素直に従った。

 僅か数刻で出来上がった絵は、中々の精度でありフォノスは満足気に笑う。


「なんでそんなもの欲しがるんだよ。」

「俺にだって、情ってモンが残ってるんだぜ?」

「そうですか...」


 話半分に聞き流す彼に、フォノスがボソリと呟いた。


「後ろを向かずに確認しろ。」


 突然で驚いたものの、暗殺者仕込みの護身術は身についている。言われた事をこなすくらいは可能だ。

 反射物や音を利用し、彼が言いたいであろう物を探す。そして見つけたのは、数人の男。特筆すべきは、その指輪である。


「目敏いな。」

「見つけたお前も大概だがな、坊主。」


 不思議そうにするドリオスも、そこで振り向かない聡明さはあった。早々に街を出ようとする彼等だが、突如として近くから火の手が上がった。

 あまりにも唐突な、しかし大きな炎は広がり、あっという間に街は混乱に包まれる。その混乱に乗じて、取り出した仮面を被った先程の男達が、彼等に襲いかかる。


「ヤベ、走れ!意地でも捕まんなよ!!」

「なんで追われてんだ!」

「この前、顔を見られたんだ。始末を付けようにも、雲隠れされちまった!」

「なんてもんに喧嘩売ってんだ!?」


 アゴレメノス教団。狂信者とも呼ばれる、悪魔信仰者。悪魔との契約、悪魔憑きの保護、人攫いや魔界の物質の売買。ケントロンでは厳しく罰せられる重罪ばかりである。

 指輪を外さずに身につけるのは、悪魔からの加護を身につけると言われており、気をつけて見れば見分けるのは簡単だ。しかし、仮面をつけ、教団の一員として動く時、悪魔の介入がある場合が多く、人間では敵わない。


「オラァ!燃え散らかせ、ゴミ共ぉ!」

「ヤバ...!」


 角、大きな翼、赤い瞳。悪魔の特徴である。赤い肌のその悪魔は、炎を両手に握りながら駆け続けている。常駐騎士達が止めようとするも、その進撃は止まらない。

 金属を凹ませ、炎を操り、空を飛び、剣で斬れども傷は残らず。そんな相手を止められる筈も無い。それだけでは無い。


「燃えとけ、【自棄焼早(テアーケロン)】!」


 放った炎が、悪魔の背後に魔法陣が浮かぶと共に瞬時に大きくなる。あっという間に炭化した腕に、一人の騎士が悲鳴を上げ、恐怖が伝染していく。


「あぁ、違うんだよ...もっと、激しくよぉ!猛るんだよ、人間ども!」


 何故か機嫌を損ねる悪魔は、おもむろに炎をばらまく。その意図しない攻撃でさえ、人の命は易く奪われる。

 目に入った時点で、反転して走り出していた三人のすぐ後ろで、業火に囲われた処刑場が出来上がっていた。


「悪魔までお出ましとは...こりゃ、俺の事はついでだな?」

「んな事、どっちでもいいだろ!?」

「兄さん、フォノスさん、前!」


 引き返したという事は、当然だが信徒達が目の前にいる事になる。抜剣して構えるのは三人、殺意が手に取るように分かる。


「あら、こりゃ勝てねぇな。」

「どーすんだよ?」

「おいおい、坊主。俺は傭兵じゃなくて暗殺者だぞ?なんで戦うよ。」


 ナイフを投擲し、一瞬視界を奪った隙に右の路地へと走る。すぐさま上へと飛び、少しの間でも姿を眩ませる。走り込んできた男達の一人に飛び降り、その首筋にナイフを突き立てた。


「ぐっ...」

「貴様!」

「怒んなよ。殺しに来て死んだんだ、当たり前だろう?」


 二発目だとか距離を詰めるだとか、そんな発想があるのかさえ疑う潔い逃亡。残りの二人が振り向いた時には、既に剣の間合いの外だ。

 全力で逃げるフォノスに、当然男達は走って追おうとするが、足下の箱の影から飛び出した少年に足を切られて踏鞴を踏む。


「よし、弟君に追いつくぞ!」

「分かってる!」


 当然ながら、直ぐに立ち直り走り出す信徒達だが、一人が足を踏み外して転ける。即効性の麻痺毒だ。

 一人では追いかけるのは困難だと思ったのか、追跡の気配はない。ドリオスと合流し、街の中を脱出できる道を探して走る。


「くっそ、何処も埋まってやがる。なんだってこんなに建物ばかり...!」

「そりゃ、生活の為だろ〜さ!」


 叫び返しながら壁に飛び乗り、その向こうを見渡すフォノス。振り返って差し出された手を掴み、二人も乗り越える。


「この先なら...」

「危ねぇぞ、バカ!」


 すぐに走り出した少年を、突き飛ばすようにしてフォノスが押し飛ばす。瞬間、彼の背中を炎が音を立てて通過する。


「ヒハ!てめぇは良いねぇ、もっと焦れよ!」

「悪魔...!」

「おい、逃げろ坊主!」「兄さん!」


 炎の向こうから叫び声があがり、彼は弾かれたように飛び起きる。相手は悪魔だ、逃げきれないかもしれない。それでも足掻かねばならないのだ。

 もっと力があれば...自分に力が。コイツを撃退する事も、少なくとも二人が逃げる時間を稼ぐ事も


「...面白い奴だな、お前。」


 前に回り込まれ、彼はその足を止める。冷や汗が滲むが、それは強引に無視をする。


「なんだ、お前。随分と...義務感か?なんで()()()()()()()奴らにそこまで肩入れする?」

「...は?」

「間がねぇな...直結してやがる。理由だとか過程ってもんがねぇ、短絡的な思考回路だ。お前みたいなのもいるのか、人間ってのは!」


 ケタケタと笑う、いや嗤う悪魔に、殺意さえ芽生える。その衝動に突き動かされる彼に、悪魔は問いかけた。


「なぁ、お前。力を求めるか?」

「何を...!」

「ま、勝手にやるさ。退いてやるしお前に力をくれてやるよ、変わりにてめぇの知らねぇ誰かを燃やすがな。」


 少年の胸を拳で叩き、悪魔はブツブツと何かを唱えている。


「準備は出来た、後はてめぇが承諾すりゃ、互いの魂で契約はなされる。俺はお前と知人を襲えない、そして変わりに誰かが死ぬ。どうするね?」

「そんなの...」


 もし、彼が悪魔と言うものにもう少し詳しければ。絶対に逃れられず、不変の契約とやらの真意に気づいていれば。答えは違ったかもしれない。

 しかし、生き残りたいとだけ考え生きてきた彼の人生は、他人の命とやらがあまりにも軽かった。返事を返す前に、胸に魔法陣が現れ、彼の心臓を縛り上げるように内側へとくい込む。


「あがぁっ!?」

「ヒハ!承諾しやがったな。じゃ、()()()()()()()よ。」


 その魔法陣に悪魔が飛び込んだ瞬間、彼の意識は暗転した。




 目が覚めた時、周囲には何も無かった。荒れ果てた平野は、燻る炎を未だに絶やさずにいる。崩れた瓦礫も煤にまみれ、炭の様になった木材や人体が散乱する。

 生きていた事、ぼんやりとそれだけを考えるが、思考が現状に追いつくにつれて疑問がせりあがってくる。


「なんだよ...これ。」


 手をついてゆっくりと起き上がれど、唐突な痛みに右手を見る。火傷の酷いそれは、まるでそこに炎でも灯っていたかの様だった。


「そうだ、ドリオス達は...!」


 遅れて、こんな状態で無事な筈が無いと悟る。手出しはしないと言っていた。せめて、無事だと良いが...


「って、他人の心配してる場合でも無いか...おぉ〜い!誰かぁ!」


 こんな場所でいつまでもいれば、長くないのは明らかだ。どうにか人里にまで出なければ、食料や水にもありつけない。サバイバルを成すには、この世界は過酷すぎる。

 とにかく、ここを離れよう。あんな事が起きた後で、人が近くにいるとしたら?火事場泥棒か救援の騎士団か...どちらもゴメンだ。救援され孤児になれば、自由に商家に押しかける事さえ出来ない。


「人の街に...良い暮らしが出来そうな家に...」


 幽鬼の様にフラフラと歩き、彼は土を踏みしめていく。灰が舞う空気に、咳き込んでも止まらない。疲れては座り、暗くなれば眠り...雑草を食んでは進んだ。

 そうして、数日が過ぎたか。空腹も喉の乾きも限界となった彼の前に、一つの馬車が止まっているのが見えた。一瞬、襲うか迷ったものの、帯剣者が数人いるのを見て止める。


「姉御!このままだと押し負けるんじゃねぇか?」

「言わなかった?常に沈む事無く、前だけ見てなさい!」

「だぁ、無茶な!」


 よく見れば、二つに別れて争っている様だ。傭兵と盗賊だろうか?叫びながら弓を射る男が、馬車の側にいることから、敵対しているのが盗賊だろう。

 離れて通るのが定石ではあるものの、次に人と出会えるのがいつか分からない。それが善人である可能性も。動けるうちに、今のチャンスを掴みたい所である。


(ま、それなら肩入れすんのは決まってるよな...)


 リスクを常に背負うのが殺し合い。どんな僅かな助力とて、ありがたい物だろう。その後は、人を雇える様な人達に媚びを売ろう。

 そんな思考で、彼は腰のナイフを抜く。土と草に塗れてはいるが、痛みくらいあるだろう。地面に這い、ゆっくりと接近する。

 相手の視線を観察し、目立つ所を察知し、死角を縫うように近寄る。後ろから馬車に弓を射掛ける一人の腕に、起き上がると同時にナイフで大きく切りつけた。


「がっ!?このガキ!」


 当然、即座に反撃をされる。大きく振り回した拳が、自分に襲い来る。切りつけた時点で跳び退いていた彼は、躱しきれずともその衝撃を大きく減衰させた。

 その時、全員の視線がそちらに集中する。傭兵達は僅かに視線を、盗賊達は大きく振り返る様に。当然、どちらが隙が大きいかなど明白だ。


「今だ、押しきれ!」

「言われずとも!」


 一瞬で二人が戦闘不能になった盗賊に、抵抗の余地はない。頭領らしき男が号令をかければ、即座に撤退に移る。態々追い詰めて反撃される危険を犯す事はない。傭兵達は、武器を構えはすれど攻める姿勢は見せなかった。

 ナイフの血を拭いつつ、ゆっくりと起き上がった彼に、最前列で槍を取っていた人物が手を差し伸べる。


「やぁ、君。助かった。」

「団長、お荷物を抱えるのは関心しねぇが?」

「それは依頼主が決めることだろう?」

「連れてくのを決めるのもな。ったく、聞いてくるよ...」


 にこやかに男性を送り出した彼女は、腰に下げた皮袋を漁る。


「その様子だと、しばらく食って無いだろう?何があった、とかは聞かない。だけど、頑張れよ。」


 内緒だぞ?と口に指を当て、干し肉を差し出してくる。すきっ腹には重たいが、久しぶりの食事。塩辛いそれをガッツリと食らいつく。

 犬の様だと、呆れたやら愛おしいやらの感覚に抗う傭兵に、馬車の方から声がかけられた。振り向いた先にいたのは、清潔な身なりの男性だ。


「その子供というのは?」

「あぁ、彼女です。」

「男です。俺を置いてください、雑用でも何でもします!」


 紹介を否定するのは失礼だと知りつつも、ここで間違えて貰っては働けない。そこは訂正しつつ、その男性に頭を下げる。

 誰かも、何をしているかも知らないが。清潔であるというのは、それなりの相手に会う見栄か、常にそう出来る財力があるかの二択。要は勝ち組だ。


「そう言われてもね...」


 いきなりの事に困惑する男性は、彼をじっと見る。

 姿勢が良い、ある程度の礼儀作法が身についているのだ。つまり、そこそこの立場にあって、教養があるだろう。しかし、信頼が絶望的だ。

 利益となるか、損益となるか...孤児院にでも送れば手っ取り早いが、どうもそれを避けるために先手を打った様にも感じた。頭の回転は悪くないのだろう、と察する。


「読み書きは出来ます、簡単な算術も...自分の身は守れます、目利きも経験があります!」

「商家の出かね?うぅむ...暫く、奥で丁稚として勤めてみるかね?自分の食い扶持くらいは稼いで貰うことになるが。」

「ありがとうございます!」


 本当なら倒れて眠りたいが、若さを活かすならば体力をアピールした方が良い。無理に声を張り上げ、彼は三度頭を下げた。




 結果から見れば、彼の選択は成功だった。何よりタイミングが素晴らしく良かった。

 新店舗進出の時期であり、後続の教育が多く、一人増えたくらいでは面倒に無らなかった。

 それに伴い、人手を募集しようか考えている時期だった。

 獣人達の狂乱が残党程の数になり、傭兵を雇うのも迷う被害、故に最低限の自衛が重要だった。

 悪魔の契約が多発し、街と商人が減り、儲けやすい時代だった。

 とにかく、非常に良かった。おかげで、彼は出自の不信以外は優れている、とも評される環境であった。


「おぉ〜い、次の仕入れは?」

「済ませてます!常備品と、この前の騎士さんが好んでた、シトラス系の香水とか...」

「なんだって?」

「最近、騎士の人気がありますから。女性方に売れますよ。」

「あぁ、あれか。予算、足りたか?」

「仕入先、変えたんで。先月から話に出てた奴です、浮いたもんの使い先、好きにしろって言われたので。」

「了解、後で纏めたの出しといてくれ。」


 既に纏めてはいるのだが、それは後で持っていく。今は目の前の作業である。棚の色を塗り替え、商品が映える様にしているのだ。

 見ての通り、かなり好き勝手をやってはいるが、新体系の新店舗という事で手探りな面もあり。許して貰える環境のうちに、しっかり目立ち、印象を強くしたかった。


「すいませ〜ん、これいくらっすか?」

「はい!今行きます!」


 結局、生産者のように拘る熱意は無く。商人というのは性に合っていた。

 貯まっていく財産を増やそうと、忙しい事も気にはならない...のは前の話。二十歳になった彼には、その忙しさも収まらないかと思う時もあった。

 それは、家に帰った時だ。扉を開ければ、走ると言うには覚束無い歩みが、彼を迎える。


「パパ!」

「おぅ、パパだぞ〜。」


 持ち上げた娘の重みに、確かに生きているのを実感する。子供の死体に囲まれて生活していた時期もあったが、こうしているとそれが本当に恐ろしいと感じる。

 二才になった我が子を抱き抱えながら奥に進む。食欲を唆る香りに違わず、美味しそうな料理が並んでいた。


「ん、今日は早いな?お帰り。」

「あぁ、ただいま。今日は準備出来た商品が少なくてな、それで早かったんだ。」

「いい事じゃん。たまにはニロと遊んだげてよ。」


 少しぶっきらぼうな妻に、可愛げねぇなぁ、と返しながら食卓につく。


「うん、旨い。」

「アンタが可愛げありすぎるんじゃないか?」

「止してくれ。」


 少し気合いを入れて化ければ、男を落とせそうな顔を歪める。後ろで縛った髪を引っ張りながら、ニロがよじ登ってくる。


「痛たた!分かった分かった、パパが食わせてやる。」


 膝に抱き抱え、小さく切った炒め物をその口に運んでいく。ニヤニヤとしながら、向かいに座った妻に彼は不満げな顔をする。


「なんか変か?」

「いや、眼福だなぁって。」

「なんだそりゃ、止してくれ。」


 そっぽを向く彼に、何で止めるのとばかりに見上げてくる娘。それを見て、照れた様に笑う妻の顔は、幸せに満ちていた。



 満ちて―――()()




『契約、満了だぁ...』


 突然の痛みに、呻く様に倒れる。それは、数年を過ごし、都市部に進出まで考えていた頃だった。

 胸に熱さが込み上げ、焼ける様な感覚が広がっていく。


「ガ、アアァァァ!」

「ヒハハ!」


 笑い声を最後に、彼の視界は暗転する。眩む平衡感覚と、痛む頭に鞭打って立ち上がれば、強い脱力感を覚える。

 次に襲って来たのは、熱波。顔が焼けるような熱さに思わず顔を顰める。村は、炎に包まれていた。


「そうだ、二人は...」


 何やら嫌なデジャブを感じながら、疲れた体を前に進める。家に少しでも近づきたくて。


「あぁ、焦ったなぁクソ野郎。だから良い!その『短慮』が!」

「あぁ、嘘だ...そんな...」

「突然の襲撃!狂乱!焦った奴らの『短慮』が満ちてやがる!」


 炎を振りまく何時ぞやの悪魔が、踏みつける様に人々を追い立てる。冷静になれば簡単な事も、この中では出来る者は少数で。次々と炎に包まれては、あっという間に炭へと変わる。【自棄焼早】だ。

 だが、そんな事は彼にはどうでも良い。大切な二人を探さねば。救わねば...


「アンタ...なんで戻って。」

「バカ、戻らねぇ奴があるか!すぐに逃げよう...ニロは?」


 肩を抑え、崩れた家の壁にもたれていた妻に肩を貸し、助けあげながら我が子を探す。

 首を横に振る彼女に、彼は探しに行くか迷う。


「アタシは大丈夫だから...あの子を。」

「んな事...!」


 横に顔を向ければ、強い視線が帰ってくる。既に立つのもやっとな人間だとは思えない、力強い目だった。


「っ...分かった、すぐに戻るから待ってろ。」

「バカだね、そのまま連れて」

「アイツにはお前が必要だ。俺に子育てなんて、高尚な事を任せんじゃねぇ!」


 親なんて物を知らない彼に、そんな自信は無い。だがそれ以上に、妻に居なくなって欲しくない。

 焦る気持ちを抑えながら、一人で燃える村を走り回る。


「ニロぉ!ニロー!」

「お探しはこれかよ?」


 上から声をかけられ、彼が視線を上に向ける。そこでこちらを見下ろす悪魔は、片手に少女をぶら下げていた。

 ブラブラと揺らす少女だったものを、悪魔は首に指を添えて顔を上げた。


「隠れりゃ良いのに、走り回っちゃ危ねぇよなぁ?」

「てめぇ...!くたばりやがれ!」

「おいおい、どうせ愛してもねぇだろうによ。」


 隠し持っていたナイフを抜き放ち、逆上した勢いのままにそれを突き立てる。退くことは無い、死ぬまで殺す。何度も、何度も刃を突き立てる。


「ヒハ、良い感情だなぁ、おい。契約があるから、互いに殺せねぇが...そういや、契約で誰を焼くか、まだ決めてなかったか?忘れる所だったぜ。」

「死にやがれ...消えてくれよ...!」

「あの時のお前が知らなかったのは...お、残ってるのがいたか。」


 悪魔が少女の亡骸を捨て、視線を向けた先は彼の背後。彼が走って来た方向だ。

 翼を広げて飛んだ悪魔は、彼を易々と超えてそちらへと向かう。嫌な予感がし、そっと少女の目だけを閉じた彼はすぐに走り出す。

 悪魔に追いすがる勢いで走り、ゆっくりと体勢を立て直して降り立つ悪魔の前に、息を荒らげながらたどり着く。


「おー、怖いな。そんな目で睨むなよ?」

「黙りやがれ!」


 予想通りというべきか、そこは彼の家の前。目を閉じた妻の横たわる道。


「俺の関係者には、手を出さないんじゃねぇのかよ!なんでこの村に」

「おいおい、あの頃のお前は知人なんざいたか?結んだのはあの時のお前とだろうが。契約は絶対、だぜ?」


 そう言った悪魔が指を立てれば、そこに魔法陣が浮かぶ。それを妻に向けるのを見て、彼は駆け出していた。


(間に合う...!)


 間に割り込み、迫る炎を見つめながら、死を覚悟した。だが、その炎は身を焼かず、彼を通過して後ろへと迫る。


「な...なぜ!?」

「そりゃ、お前。契約は絶対、だからだ。」

「ああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 それは、炎に包まれた妻の声か?それとも己の喉から出た声か?

 伸ばす手も無情に空を切り、限界を迎えた体は膝をつく。


「いきなり悪魔が抜けたんだ、体力尽きてるよーなもんだろうに...まぁ、良いさ。お前の短慮が招いた結末だ、精々俺と一緒に楽しめよ。最高に美味かったぜ?」


 高笑いをしながら空に舞う悪魔を眺めながら、彼は唖然とする。店は無い、妻と娘も失った、若さも売り切れに近い...もう、生きられない。


「誰、か...」

「っ!俺だ、側にいる...」


 聞こえた声に、反射的に答えて後悔する。自分に出来る事など、何も残ってはいないのに。助からないのは、見た瞬間に分かる。


「あぁ、アンタか...あの子は?」

「ニロは...もう...」

「...そうか。じゃ、あっちでも、寂しく...無いかな。」

「すまねぇ...俺は誰も...救えなかった!」

「アンタが、生きてるじゃないか...どうしても許せないなら、別の誰かを、救ってやってくれよ...」


 とうに見えてなどいないだろう、蒸発した目で此方をみる。既に痛みも感じないのかもしれない。ゆっくりと手を伸ばし、重なる。

 握り返した手は、彼女に分かるのだろうか。涙が枯れそうな思いで、彼女の声に耳を澄ます。


「な、生きてくれよ...アタシと一緒に来たら、承知しないから。」

「こんな俺に...まだ生きろってのかよ...!」

「アタシが厳しいのはさ、知ってんだろう?さぁ、行った。せめて、悪魔が消えるのを...見届けてから来るんだね。」


 突き放す様に僅かに力が込められた手に、彼は終わりを悟る。そっと最後に抱きしめ、立ち上がる。

 悪魔がまだ上空にいる。頭は冷えた、傷の一つも付けられないと悟る。この世は理不尽だ、そしてそれは唐突だ。二度と、悪魔の笑い声は聞きたく無い。

 とにかく、生きる。その手段なら、経験はある。身を隠し、食い物を集めるのだ。煙を高く上げる村から、彼は姿を眩ませた。




 人の去り、興味の消えた悪魔さえ去った村で。誰にも聞こえる事の無い弱音が零れる。


「少し...ワガママを言って良いなら...最後まで、一緒に...生きたかった...」


 あまりに無力で、あまりに儚い、そんな願い。僅かなマナを集めた様に光り...そして消えた。







「...ん、...分!親分!!」

「あぁ?」

「ひっ!顔怖!」

「...おいコラ、用があんなら早く言えや。」


 牙を剥くような笑みで頭を掴み、ギリギリと力を込める。あれ以来、目付きが鋭くなったのは自覚している。だが、指摘されれば面白くは無い。


「兄貴が帰ってこねぇんだよ〜、だから、どーすっか聞きにぃぃ痛たたた!」

「あの爺さんが?ったく、酔って寝たか、絡まれたか...拾ってくるか。」


 村を失ったゴロツキの集まり、無秩序な奴らの統率。そんな事でもやらねば、生き残れない。生き残って、そして...


(いや、いい。そのうち分かる事だ、今は生きるんだ。)


 いつの間にか月の出ている空に、彼はため息を吐きかけて。振り返って部下達に命じた。


「じゃ、帰って来るまで生きてろよ。」

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
[良い点] 朗読で聞いたとおり、非常にシリアスめの強い硝煙のお話でした。本編はまだ見られていませんが、ソルくんが相当強いらしいとの噂を作者さんのtweetで見ているので、楽しみです。 [気になる点] …
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