思い出と共に
動きが表現出来なかったため、()を使っています
「…これであの老婆は終末を迎えた。…と解釈して良いのかな?」
白が広がる空間で、姿無き声が響く
「ああ、実に良い終わりだ」
違う声が響く
「…しかし、君は僕と違う解釈みたいだね?」
はじめの声が響く。白い空間に、二人いる
「…八百万が崩壊してから、もう残りは僕と君だけだ」
「昔話は後にしろ」
涙ぐんだ昔を懐かしむ声を、苛立つ声が遮る
「…ごめん、それで、君はどうしたいんだ?」
純粋な興味から来る声色で尋ねる
「…俺がたまにやる神隠しを、魂の状態でやったらどうなるか試す」
二つ目の声の言葉に苛立つように一つ目の声が返す
「…そう。…失敗したらどうするの?」
「あそこまで善性の霊達がついてるなら、身体も要らんだろ」
素っ気なく返って来た言葉に納得したように
「…ならいいか。…わかった、呼んでくる」
と言って、消えた
「八百万の神の世は消えた。…その事実はもう覆せない…。…神隠しを咎める神もいないんだ、好きにやらせてくれよ…」
…私は、いや、私の罪は変わったね。
…動物達を私の慰めのために育て、死なせた事だ
「そうでしょうか?」
…誰だい?
「少なくとも、彼らは幸せだったのでは無いでしょうか。愛の元生き、死ぬ事が出来たのですから」
…誰だか知らないが、慰めなら要らないよ
「いえいえ、これは私の本心であり、彼らの総意です」
…彼ら?
「ほら、あれをご覧下さい」(指を差す)
…?(指差された方を向く)…!皆…
「動物というのはいい。信頼をくれて、決して裏切らず、恩を返そうとしてくれる」
あぁっ!…ぅう!(感極まり、涙を流す)
「若い頃の貴女にはこれといった悪行の後も善行の後も無い。…人生で初めての偉業ですね」
…やはり地獄やら天国やらあるのでしょうか?(動物達と戯れている)
「…元気な人です事。…貴女には友人の気紛れに付き合って貰いたいんです」
戯れ?内容に寄りますけど(ワニを背負い馬に乗っている)
「元気なご老体ですね。大丈夫です。ちょっと異世界転移して貰うだけですので」
…異世界?
「あー、やっぱり解りませんよね…。一重に異世界と言っても色々あるんですよ。並行世界とか、時系列変化とか、次元の特異点とかもあるんです」
へぇ(撫でている)
「貴女意外と余裕でしょ。…まぁそういう所に行って欲しいんです」
…わかりました(名残惜しそうに手を離す)
「ありがとうございます。それでは運びますね」
「…」
「連れてきたよ」
「…ああ」
…どうも
「はじめまして、早速だが初めていいか?」
その前に
「なんだ?」
質問に答えて下さい
「…いいだろう、何が聞きたい」
今更言語で困りたくは無いのだが、向こうとこちらとではそれはどうなっているのですか?
「問題は無い。毎回俺はそこら辺気を使っている」
ありがとうございます、次に、向こうはどのような世界なのですか?
「なんか随分喋り方違うなおい。…まぁ、それも心配はいらない。毎回マニュアルを持たせている」
そうですか。
「…後は無いのか?」
はい
「…『何か堂々としてんなおい、なんか吹っ切れでもしたのか…?…あ、したな、そういや』…無いなら早速やろうか」
お願いします
「…『こんなやつ久しぶりだな。先輩に見せたかった。…もう遅いが』…向こうでも、面白いもの見せてくれ」
「…二人だと、寂しいな」
「…そうだね」
心の中は応急的ですが『』で表現しました