愛は消えない
はじめまして、結構前から頭にあったので、書かせていただきました。お時間ある人は、読んでいって下さい
私は過ちを犯した。
それをどうにかするには、私には勇気が足りなかった。
…私には資産があっても、家族がいなかった。
夫は早くに病死し、子供達との仲は険悪。
唯一の繋がりは、私の仕送りだけだった。
…その繋がりも、自ら絶ってしまったがね。
「…もうあんたは子供じゃ無いんだ。自分一人で、生きて行くんだね」
…馬鹿だね。昔からあんたは私に頼り切り、仕事もろくに続いてこやしなかった。
…そうさ、これは無茶振り、出来るという一方的な信用の押し付けさ。
『は!?オイ待てよ!俺にそんな事出来る訳…!』
切った。…本当なら、私が支えるべきだったんだ。
付きっきりまでは行かなくても、せめて手助けはしてやるべきだったんだ。
…そして私自身、息子と離れたく無いとは…なんたる皮肉
独り立ちなんて、親離れなんて、本当はしたく無い。
して欲しく無い
…でも私は、息子を切り捨てた…
私はそれから、広い土地を買い、動物を飼い始めた
こんな事をしても、なんの償いにもなりゃしない
息子はあれから連絡もしてこなくなった
…ほんとに馬鹿だね私は。
息子が頼ってくれるのを何処かで期待したんだろうね
他の子達も連絡は無い
働いて結婚してからも、ちょくちょく連絡をくれたのに
…寂しいものだよ
それは犬や猫、小動物を飼い始めても変わらなかった
遂には池まで作って魚まで飼い始める始末
その内、家畜まで飼い始めたよ
自分でも異常だと思った
それでも私は変われなかった
そうこうしていると、初めに飼った動物達が死んでしまった
私は死体を丁寧に埋め、弔った
そこからだ
虫、爬虫類、甲殻類、有り得ないものを育て始めたのは
不思議と私は老人とは思えない程に働けた
彼らのために一生懸命になれた
…それから何年も時が過ぎた
残ったのは私一人だった
…と言っても、直ぐに私も向こうに行くけどね
…後悔は、二桁も無い
でも、その一つ一つが、余りにも大き過ぎる
…それでも、この数年、楽しかった
子供達に注げなかった愛を、充分に注ぎ切れたと思う
…それでも、せめて子供達に会いたかった…
「おばあちゃん!」「お母さん!」「待てよババア!!孫の顔見ずに逝くつもりか!?」
…え?
「あんた…あんた達…なんで…!」
私はあんたを見捨てて…
「馬鹿か!俺は母さん無しじゃ生きていけない!そんくらい、俺は、俺達はなぁ…!母さんを愛しているんだ!」
「独り立ちなんて出来る訳無いじゃん!結婚して、子供産んで、育てて…愛されて…!でも、それでも!お母さんに愛して欲しい!慰めて欲しい!そう思うくらい!私達はお母さんが大好きなの!」
…ハハ…なんだい、みんな、子供のままじゃないか…!
ああ…本当に…
「泣かせて、くれるじゃないか…!」
ありがとう…!
「今日まで…生きてて良かった…!」
母さん!
お母さん!
おばあちゃん!
…みんな…ありがとう…
私は、孫にも、息子にも、娘にも、そして、いっしょにいてくれたみんなにも…!
…恵まれていたんだねぇ…!
よくある転生です。チートはするつもりはありません