勉強会
「分かった?」
隣に座る夏津に問う。
外に出ないから真っ白な肌。
髪は無かった時が悲しかったらしくすぐに薬の影響で抜けてしまうからと1度も切っていないらしい…サラサラな髪、
まだ伸びている最中なのか、短めのまつ毛。
鋭い目。細い指、筋肉なんて無い体。
「あぁ、大丈夫。
次のこれは?」
見つめていると顔を上げた夏津と目が合う。
私は1度天を仰ぎ頬杖をした。
「自分で解かないの?」
流石に、ずっと説明してるだけで夏津はペンを1度も持っていないなんて勉強って言えるのかな…
私は目を見て返事を待った。
すぐに口が開いた。
「聞けばわかる」
私は唖然として、物凄い顔をしていると思う。
予想外すぎる答えに戸惑いを隠せない。
私は夏津がもう勉強についていけていることを知っていた。
けれど、本人は私には隠しているのだと思っていたから…
特に根拠はないけれど
「なんだ、その顔…」
突然の問いに勢いよく
「な、じゃあ私意味ないじゃん!」
急いで口を塞ぐが夏津の表情は険しくなる。
でも、私は知っている。
この顔はしまったって顔。
私は記憶を無くす前も合わせたら知り合って1年は一緒にいる。
もう分かるようになってきた。
「あ…
…まぁ、そうだな…」
口数が減り、何を考えているのかは表情をよく見なければならないが大丈夫。
「じゃあ、勉強会はもうおしまいにしよ!」
何かを言いたげな夏津を残し私は開いていた教材を閉じてカバンにしまい始めた。
オロオロと目が動く夏津は表情は先程と同じなのに可愛く見えた。




