孤独
3ヶ月前、聞いてしまった…
「香夜、ちゃんと聞いて欲しい…
あのね、香夜…」
香夜のお父さん…写真でしか見た事がない…
普段、大学の教授で帰ってこないらしい…
専業主婦のお母さんと共に毎日帰りを楽しみに待っていたらしい。
「そう…今日はパパは大学は?」
驚いた…大切な話だと俺は感じたのに。
まるで、香夜には響かなかった…
今すぐにでも出ていって肩を抱きどんなに大変な事なのかを話したい…
お願いだ…そんな顔で流さないで欲しい…
「あ、聞いていたかい?
3ヶ月後に…あ、その、死んじゃうかも…」
お父さんも動揺している。
優しい悲しい笑で聞いた。
「うん。
だって、仕方ないから…
本当はあの時死んでてもおかしくないんだよ?
今は、あと3ヶ月あるんだよね?
そしたら…そしたらさ…ずっと、夏津といたいな…
忘れちゃったとしても…夏津といたい…」
やっと流した涙…
そんな願い…叶えるに決まってる…こんな何も無い場所嫌いだったが、毎日通ってもいい…
「じゃあ、夏津くんに頼むかい?」
あぁ、頼んでくれ…ずっといよう…離れないから…
「パパ、お願い…
もう、来ないで欲しいって…夏津に伝えて…
ずっといたいから…来ないでほしいの…」
…自分で言ったんだ…
病気が再発したら別れて欲しいって…こんな事になるなんて思わなかったから…
そんな言葉を信じないで…
香夜が好きだから…
「…っ…そうだね…夏津くんもまだ若いからね…」
我慢ができなかった…止まれなかった…
「俺は来る…毎日来る…
あんなん!冗談だよ…
来させてほしい…
お父さん、まだ子供で…馬鹿だと思うかもしれない…それでも、自分なりに香夜が好きで…だから…」
土下座より浅く頭を下げた。
驚いているお父さんに真顔の香夜…
「来ないで…
私…来たら嫌いになる…
帰って…」
嫌われたって…構わない…
この日から、俺の独りよがりだった…




