3ヶ月
あの日のすぐ後、お父さんが来て少し話をした…
普段は家に全然帰らない父…
久しぶりにあった気がした…
話の内容は殆ど覚えていない…
まぁ、随分前だからか…いや、でも最近もずっと物忘れが激しい。
微笑みいつも通りに来た夏津。
毎日といっても過言ではないほど来る。
いつもすることといっても何も無いのでトランプしかない。
「香夜!」
急に大きな声を出されて体を一瞬ビクつかせるとそちらを見た。
「大丈夫か?ボーッとしてたぞ」
心配そうな、悲しそうな…
なんとも言えぬ顔で問われ笑顔を見せた。
「ねぇ、夏津。」
顔を見て、声を掛けると夏津は軽く微笑み顔の位置を合わせた。
「なに?飽きた?
俺は飽きたよ。」
そう言われ笑いながら頷くと夏津も笑い持っておたトランプを机に置くと一言
「じゃ、やめよ。」
と言い片付けをしようとした。
「夏津…」
私は、トランプを握ったままもう一度呼んでみた。
まるで、目覚めた時とは大違いの優しい声、優しい目、優しい笑顔…
「なあに?」
よくよく数えるとあの日からまだ3ヶ月も経っていた。
「もー、何?何もない…」
「あるよ!」
夏津の言葉を最後まで聞かず言葉を入れた。
驚いた顔をしたがそのあとの表情は見たくなかった。
夏津の背中に腕を回し、当たり前だがない胸に顔を付けた。
戸惑いがちに私に手を回す夏津。
「夏津、大好き…」
顔は見えない…
けど、確かに夏津は…泣いている…
鼻をすする音が聞こえる。
「あぁ、俺も…
っ…大好き…だ…」
その時、不意に気になり窓を見てみた。
少し動くと外が見えて、空は暗かった…
月は無く、真っ暗な夜空に小さいけれどキラキラと光る星が見えた…
その時、急激に眠気に襲われた…
時計も見えた。23時30分…
「眠いの…夏津。」
そう言うと、ほのかに温かいものが落ちてきた…
私は笑顔で顔を上げると夏津の瞳からこぼれるそれを拭った。
「ねぇ、夏津。泣かないで…
笑っていて…いつまでも…いつまで…も…」
夏津の…愛する人の腕の中は心地よく、よく眠れそうだと思った…
明日、目を覚ましたら夏津はいないのだろうと思うと、なんだか寂しい…
最後に、父の言った言葉を思い出した…
あぁ、運命を…恨めしいと思えないなんて…
私は馬鹿だ…




