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 私に出来る事は参道の整備しかない。

 悔しいけどそれしか出来ないのなら、今はそれに全力を尽くすしかない。

 整備は進み、参道の入り口は木々や葉で見えなくなり、奥殿のほうが近い場所まで来ている。

 ここまで来たら、もう誰の声も届かない。誰の目も届かない。

 作業を中断して服の袂から二通の手紙を取り出す。

 もう暗記してしまったのに、書かれた文字が見たくて取り出す。

 一体今頃何やってるんだろう。

 あれから一月。何の音沙汰もない。元気にやってるんだろうか。

 きっとウィズの事だから、それなりに上手くやっているんだろうけれど。

 頑張ってるよ。私なりに。だから、ウィズも頑張ってね。

 決して届けられる事の無い言葉を、空に向かって呟く。

 指で文字をなぞり、そっとまた袂にしまう。

 参道から取り除いた木々を台車に乗せ、後はシレルの待つところまで運ぶだけ。

 たったそれだけなのに、どうしても足が動かずに手頃な切り株に腰掛ける。

 風が木々を擦らせる音、小鳥のさえずり。

 そういったものしか耳に入らない場所で、一人でいると気持ちが落ち着く。

 どうしても前殿にいると、誰かに見られているという緊張感が拭えない。

 奥殿に行けたら、そこが一番落ち着く場所なんだけれども、今はまだ奥殿まで辿り着けない。

 毎年ある程度は枝が折れたりして、整備に時間がかかるんだけれど、今年は本当に酷い。

 枝が折れている程度で済むならともかく、大木が根元から傾いているようなところもある。

 それを一人で何とかしなくてはいけないのだから、時間が掛かってしまってしょうがない。

 でも参道の整備を終えて、奥殿に辿りついた時。

 そこから進んでいいんだろうか。

 レツのいるところに行ってもいいんだろうか。

 逃げてってあの時レツは言ったけれど、それはその時限定なのか、それとも今も続いているのか。

 真相はレツにしかわからない。

「はー」

 気が付いたら溜息が出ていた。

 膝を抱えて座り、奥殿の方向を見るけれど、木々が視界を遮っているので見ることは出来ない。

「どうしたらいいんだろうなあ」

 行くべきか、行かざるべきか。

 でもレツに会いに行かなくては、きっと私の「巫女としての時間」は動かせない。

 待っているだけじゃ、レツの声は聴こえるようにはならない。

 行かなきゃいけないんだけれど、どうにも気が重い。

 かといって前殿にも戻りたくない。

 なんか、何もかもが煩わしい。



「ボクが一人で何してるかって。そんなの聞いてどうすんのさ」

「別に、気になったから聞いただけじゃない」

「ナイショだよ、ナイショ。男はちょっとミステリアスな位がカッコよくない?」

 ちっちゃな少年は、斜めに構えて踏ん反り返る。

 言っている事と体の大きさが全然噛みあってなくて、笑いがこみ上げてくる。

 微笑ましいというか、何と言うか。

「あー! 今バカにしたなあっ。ボクはキミなんかよりずーっとずーっと長生きなんだよ。ずーっと大人なんだからっ」

「ずーっとずーっと生きてたら、大人っていうよりおじいちゃんっぽくない?」

「おじいちゃん! このボクを捕まえておじいちゃんとは酷い言い草だなあ。怒るよ?」

 目の奥がキラッと光るのがわかる。

 あ、本当に怒るかも。っていうよりか、何か企んでるっぽい。

「ごめんごめん。おじいちゃんは言い過ぎだったから許して」

「言い過ぎって。キミはボクの事なんだと思ってるんだよ。オッサンくらいに思ってるってこと?」

 何故そうなる。

 その発想は一体どこから来るのよ。勝手に妄想して機嫌悪くならないでよ。

 確かに言い出しっぺは私だけど。

「オッサンだなんて思ってるわけないでしょ? もう何でそうやってすぐにヘソ曲げるの」

「あー! 今度は子供扱いしたなあっ」

 何でそうなるのよ。そこでほっぺた膨らますのが子供っぽいのよ、お馬鹿。

 頭痛い。

 もうどうしろと。何言ったって悪く取るくせに。

「してないってば。そうやってムキになるようなことじゃないでしょ。馬鹿馬鹿しい」

「バカって言ったなー。バカって言うヤツのほうがバカなんだぞ」

 そういうボキャブラリーはどこで仕入れてくるわけ。

 子供の喧嘩みたい。本当に。

 唖然として、もう何を言うのも馬鹿らしくなってきたわ。

 これのどこが神様なんだかね。

 その辺のクソガキと大差ないよ。神様っていうより、立派なクソガキ様って感じ。

「サーシャはさ、すぐにそうやってお姉さんぶりっこするから嫌い」

 ふんっと鼻を鳴らしてそっぽを向いたクソガキ様に、一体どういう言葉をかけたらいいんだか。

 自然と溜息が漏れる。

 クソガキ様は耳ざといので、くるっと振り返ってこっちを睨みつけてくる。

「何で溜息なんかつくんだよー。そんなに嫌なら自分ち帰れよ」

 自分ちってどこよ。

 生まれ育った村のこと? それとも前殿の自室の事を言っているのかしら。

「本当に帰っていいの。私」

 どっちの事を言っているかはわからないけれど、一応聞いてみる。

 不機嫌そうに首をかしげながら、クソガキ様は目の前にやってくる。

「本当に帰るの?」

「だって帰れって言ったじゃない」

「ボクといるの、嫌なの?」

「そんなこと、一言も言ってないじゃない」

「じゃあどうして帰ろうとするんだよ」

 バンっと空気の玉が弾けたような衝撃が走る。

 でもそれはもしかしたら錯覚なのかもしれない。

 覗きこんでくる瞳が、構って構ってって訴えている。

「だって帰れって言うから」

「嫌なら帰れって言ったの。ちゃんと聞いてる? 耳聞こえてる? 頭回ってる?」

 クソガキめ。

 かなりイラっとするんですけれど。どうとっちめてやろう。

「聞いてます。聞こえてます。回ってます。ご心配どうもありがとう」

 にっこりと笑みを浮かべながら言うと、クスクスっと笑う声と楽しげな顔でクソガキ様が宙に舞う。

「あはははははっ」

 宙をくるくる回りながら、おなかを抱えて笑う姿を見て、からかってたなーと一気に怒りがこみ上げてくる。

「じゃあね、また明日っ」

 笑い転げる誰かさんを無視して、前殿へと続く扉へと歩みを進める。

 カツカツと鳴り響く足音が虚しさを呼んでくる。

 ちくしょう。

 何でこんなに悔しいのかしら。どうしてこんなに頭にくるのかしら。

「サーシャって短気ぃ」

 とどめの一発に、振り返って睨み返した。

「もうっ。レツなんてだいっきらい」

 思いっきり音を立てて扉を閉める。

 何でいつも私のことからかって遊ぶのよ。そういうの本当に頭にくる。

 もうレツなんかと遊んでなんかやらない。

 鬼ごっこもしないし、かくれんぼもしない。手紙だって渡してあげないんだから。

 何で私だけがこんなにいっつもイライラしなきゃいけないのよ。

 レツなんて。レツなんて。

 ばかーっ。



 目を開けたとき、空は茜色に色付いている。

 一体どのくらいの時間が経ったんだろう。

 首も腰も、限界だと悲鳴を上げている。

 寄りかかっていたほうの肩や腕は痺れて痛い。

 その何ともいえない違和感をやり過ごしながら、幸福だった時間へと思いを馳せる。

 毎日のようにくだらない喧嘩をしてみたり、二人でずっと色んな事を話してみたり、何もしないでぼーっとしていたり。

 レツと過ごした時間は、本当にごくありふれた日常の一コマでしかない。

 けれど失ってしまった今、それはとても大切で取り戻したい日々に思えてくる。

 一緒に他愛もない話をしていた時間、当たり前すぎて大切だなんて思えなかった。

 きっと失わなければ大切だなんて思わなかっただろう。

 ねえ、レツ。私の声が聴こえる?

 どうして私は巫女なのに、レツの傍にもいけないし、レツの声も聴こえないんだろう。

 どんなに待っても返ってこない声に諦めの溜息をつき、重たくなった台車を押し始める。


 翌朝、大方の予想通り熱が出て布団から頭も上がらない状態になってしまった。

 昨日前殿に着いた時シレル以外の神官たちもいて、大騒ぎしながら部屋へと戻された。

 部屋に戻るとすぐに助手と侍医がやってきて、熱を計られたり色々検査をされた。

 その時にはこれといった不調は無かったはずなのに、一晩寝たら高熱が出てしまった。

 ほんの少しの疲れと思っても、甘く見てはいけませんよって助手にも言われていたのに。

 何であんなところで居眠りなんてしてしまったんだろう。そんなに疲れてなんていなかったはずだけれど。

 久しぶりに見たレツの夢。

 色鮮やかに思い出されて、懐かしくて嬉しくて、また夢を見られないかなって期待していたのに、昨晩は夢を見ることすらなかった。

「レツに会いたいな」

 ふいに口をついて出てきた言葉に、女官が振り返る。

 近くにいた恰幅の良い女官が二三歩近寄ってきて、首をかしげてこちらを見る。

「何かおっしゃいましたか」

「すみません。独り言です」

 気恥ずかしくなり、布団を頭から被って寝たふりをする。

 熱のせいのたわごとだと思ってもらえるといいんだけれど、そういうわけにはいかないかな。

 寝たふりをしてしばらくすると、部屋の中から人の気配が消える。

 誰もいなくなったのかなと思って、そっと布団の端から顔を覗かせて様子を伺う。

 部屋の中をぐるりと見回すと誰もいなかったので、布団から体を起こして窓の外を見る。

 熱で火照る体と頭は、気を抜くとぐにゃりと倒れこんでしまいそうになる。

「レツ。今何してるの。どうしてレツの傍に行っちゃいけないの」

 参道にある障害も全て、レツへ続く道を阻むものとしか思えないし、自分の体がままならないのももどかしい。

 それに何よりも、どうしてレツの声が聴こえないんだろう。

「せめて声が聴こえたらいいのに。レツの声が聴こえたら」

 いつまで待っても返事はなくて、起き上がっているのも辛くなってきたので体をパタンと横に倒す。

 視界に誰かの足のようなものが見えた気もしたけれど、それ以上自分の意識を保つ事が出来ずに、また夢の中へと誘われる。



「ボクはさ。何万年も一人だって平気だよ」

「嘘ばっかり。じゃあどうして巫女がいるの」

 そう問いかけると、レツはうーんと考え込むような仕草をする。

「別にいなくてもいいんだけれど、始まりの巫女との約束だから」

「始まりの巫女との約束って、どんな約束したの」

 座り込んでいるレツの前に、ずずっと膝を寄せる。

 二人とも座り込んでいるので、視線の高さはそう変わらない。

 立て膝をついて考え込むレツの前に、正座をして覗き込む。

「ん? ずっと巫女を傍に置くって」

 めんどくさそうに答えるレツは、ポリポリと頭をかく。

 実体がなくても、頭が痒くなったりするもんなのかな。

 レツは視線を泳がせ、自分の意識の中に没頭しているので、その様子をじっと見ている。

 どの位長生きしているのかしらないけれど、どのくらいの過去の記憶を持っているんだろう。

 沢山覚えていられるものなのかな。それとも、ある程度の量しか覚えていられないのかな。

 どうせこんな事聞いたら、くだらないって一蹴されるに決まってるから聞かないけれど。

「巫女を傍に置いたからって、何が変わるってもんでもないと思うんだけれどね。実際にボク自身はそんなに困ったりもしてなかったし」

「じゃあ、始まりの巫女が巫女を置いてって頼んだから、巫女を選んでいるの?」

 私が巫女になってレツの傍にいるのも、始まりの巫女がそう頼んだ結果なのかな。本当はレツは傍にいなくてもいいって思っているのかな。

 不安になってレツの顔をちらっと見てみるけれど、相変わらずどこか一点を見据えていて、こちらには目を向けようともしない。

 知らず知らずのうちに溜息が漏れる。

 レツにとって巫女って何なんだろう。

 本当は人間にわざわざ自分の意思を伝える必要なんて無かったのかもしれない。

 金と銀の枷をはめられたから、しょうがなくここでご神託なんてものを行っているだけなのかもしれない。

「何でそんな顔をするの」

 その声に顔を上げると、レツが不思議そうな顔をしている。

「そんな顔って?」

「情けない顔」

 レツが苦笑いを浮かべて、透ける指でそっと私の前髪を掬い取る。

 実際にはその指には絡んでいなくて、レツの力がそうやっているかのように見せかけている。

 情けない顔って言われても、今自分がどんな顔をしているのかわからない。

「好きだよ、サーシャ」

 突然言われて、ドキっと心臓が音を立てて跳ねる。

 少年のような顔じゃなくて大人っぽい表情で、その瞳に吸い込まれそうになる。

 どうして急にそんな事言うんだろう。

「永遠の孤独も誰かが傍にいたほうが孤独じゃなくなるでしょって、始まりの巫女が言ってたよ」

 何を伝えようとしているのか全然わからなくて、じーっとレツの目を見返す。

 深い蒼。

 泉の底のような、吸い込まれそうな瞳。

 静かに揺らがない瞳が優しくて、心を預けてしまいたくなる。

「ボクが欲しいと願ったわけじゃないけれど、でも巫女たちがいてボクは救われてきたのかもしれない。だから、傍にいてくれてありがとう。サーシャ」

 何故かありがとうという言葉よりも、欲しいと願ったわけじゃないという言葉が心に残る。

「一つ、聞いてもいい?」

「なに」

 レツは微笑んだまま問い返す。

「もしもレツは鎖から解き放たれて自由になれたら、もう巫女はいらないの?」

「そうきたか」

 レツがクスクスと笑う。

 どうして笑っていられるんだろう。

 いつになったら自由になれるんだろうと嘆いていたのを知っている。本当は自由に憧れていることも。

 なのに、どうしてそんな風に笑うの。

「自由になれる日が来たらいいなって思うけれど、それがいつになるかわからないからね。その日の事は考えないようにしてる」

 飄々と語るレツの姿が、泉に浮かび金と銀の糸が絡みついた姿のまま嘆き悲しんでいたレツの姿と重なる。そして本当のレツを眺めながら、恨み言を並べたレツの姿と重なる。

 がんじがらめに縛り付けた始まりの巫女。

 水竜に足枷をはめて動けなくした初代国王。

 二人はなにをしたかったのだろう。

 始まりの巫女は、一体何のために巫女という制度を作ったのだろう。そしてどうして巫女をレツは傍に置くんだろう。

「でも、私はずっとは傍にいられない。どんなに好きになっても、いつかは別れなきゃいけない」

 好きになってと願われても、どんなに好きになったとしても、きっといつかは巫女を終える日が来る。

「泣かないで」

 細長い指が、すっと涙を掬い取る。

 けれどレツの指をすり抜けて、床にポタリと滴り落ちる。

 泣いてなんてないと言い返そうとして、その雫が目に入り言葉を紡ぐ事をやめる。

「ボクはずっとキミのことを想い続けるよ。キミが巫女じゃなくなっても、おばあちゃんになっても、その命を終えた後も」

 あまりにも悲しすぎる現実に、声を上げずにはいられない。

 どうかレツが永遠の孤独から解き放たれますように。

 出来るなら、この手でレツを救い出せますように。

 そして、レツが本当に心の底から誰かを好きになれる日がきますように。

 私じゃなくたっていいから。

 誰か、レツと同じ時間を共に歩ける人がレツの前に現れますように。



「大丈夫ですか」

 声を掛けられて目を開けると、助手の顔が目に入る。

 助手の手はおでこに添えられていて、熱がないか確かめているみたい。

「申し訳ありません。うなされていらっしゃるようでしたので、失礼かと思いましたが」

 すっと手を引き、助手が頭を下げる。

 レツの夢を見てうなされていたのかしら。

 鼻にはツンとした痛みがあり、頬は涙で濡れている。

 そっか。泣いていたんだ。

「どこか、辛いところでも?」

 助手の問いかけに、首を左右に振る。

「夢を見ていたんです。昔の」

 柔和な顔で、助手が首を傾げる。

 何でも話していいですよといわんばかりのその表情に、どこか心が慰められる。

 よくレツがこんな顔で話を聞いてくれた。

「奥殿で、水竜がいて、話をして」

 ポツリポツリと話すのを、助手は頷きながら聞いている。

「幸せでした。でも悲しくて。どうしたら水竜を孤独から救えるんだろうと思ってました」

 何も言い返さない助手に、更に言葉を続ける。

「いつか水竜と離れる日が来ることがわかっているのに、永遠に続けばいいと願っていて、でもそれは出来ないことは重々承知で」

「そうですか」

 助手はそれ以上の言葉を付け加えようとはしない。ただ話を淡々と聞いてくれる。

「もう一度、水竜の声を聴きたい。今だけかもしれないけれど、水竜の孤独を埋める存在でありたい」

 すっと助手の顔が曇る。

 ふいっと振り返る助手の視線の先には女官たちが作業をしている。

 いけない。

 咄嗟に両手で口をふさぐ。

 どうしよう。レツの声が聴こえないって事が他の人にもわかってしまう。

 焦る私を尻目に、助手が片手を左右に振る。

 平気だから気にするなと言わんばかりに。

「水竜様の本音を聴けたのですか。それは素晴らしい事でしたね。水竜様が孤独にさいなまれていたとは、自分は存じませんでした」

 にっこりと笑う助手に、ぎこちないながらも笑顔を返す。

「孤独だと直接的に言っていたわけではないですけれど。私はそう感じたんです」

 無理やりかもしれないと、内心では冷や汗を流しながら助手に話しかける。

「そうでしたか。そのお話、今度ゆっくりとお聞かせ下さい。今はお体を休めることを最優先にして、どうぞお休み下さい」

 助手は立ち上がって、壁際にいる神官に目線をやる。

 そこにいた熊は頷いて、扉の外に出て行く。

「お薬を今お持ちいたしますので、そちらをお飲みになり、もう一眠りされたほうがよろしいかと思います。今度はもっと楽しい夢が見られますように」

 熊が侍医と戻り薬湯を渡されたので、素直にそれを飲み干す。

 今度はもっと楽しい夢が見られるといい。

 レツと笑い転げたりした時の夢がいい。

 すーっと眠りに付いた時、どこかで声が聞こえた気がした。



 本来あるべき姿に戻さなくては。あの方にお戻ししなくては。



 それは一体誰の声だったのだろう。

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